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ゆめのおちかた~終わりに向かう二つの世界、小説家とアニメーターを目指す何者かになりたい若者と、夢破れたTSダメ親父が紡ぐ英雄のいない物語~  作者: 高山路麒
第二章 暗き世界で光輝く太陽【第一部2】

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2-163 二足の草鞋を履くカオスな八番隊

 アニメ制作者とNARO隊長という相反する立場になった私はNAROの仕事をしつつ、輸送トラックの車内でイラストの練習をしていた。


「ヒカリちゃーん、どうしてキャベツなんてずっと描いているんだニャ?」

「鬼畜眼鏡のキャベツ検定をクリアする必要があるので」

「ニャ? よくわかんないけどファイトだニャ!」


 同席していた恋原隊長は見た目からしてNAROの中では最もそちら側の人間だ。適当に勧誘すれば味方になってくれそうだけど、今はリスクを避けるために秘密にしておこう。


「それにしても同類がやって来てくれて嬉しいニャ~。見た事ない義体だけどそれどこの?」

「あ、いえ、機密事項に該当するのですみません」

「むー、教えるニャー、けちんぼ」


 彼女はロボット兵器のチクタ君を義体仲間と認識して距離を詰めた。身体をあんなに寄せちゃって、人間同士ならセクハラになっちゃうよ。


 ちなみにチクタ君の名前は築田ちくた時男ときおという偽名で登録している。ロボットが協力者だなんて無理がある気がしたけど、世界観に感謝しないと。


「はいはい、ベタベタしない」

「ニャー?」


 そんな仲が良さげな様子に嫉妬したヨンアは恋原隊長を引きはがした。首根っこを掴まれた猫みたいな恋原隊長も、少しむくれているヨンアも可愛くて仕方がないよ、ぬふふ。


 ミトラ隊長の後付けを本物にするため、私は禍悪巣亭の皆を協力者として登録した。


 流石にイルマは無理だったけどそれ以外の戦闘メンバーは概ねかさましで加入させ、ゼンも非戦闘要員として登録しておいた。


 なお皆はあくまでも協力者なので正式な隊員ではなく、本部にも許可がなければ入れず権限も制限されている。


 ただし外で公務をする際に協力してもらう分には私の裁量で可能であり、たとえて言うならばストーリークエストは駄目だけどフリークエストなら問題ないって感じかな。


「ええと……あなたは荒木さん、ですよね」

「何か?」

「い、いえ」


 一番驚いたのは鳳仙の協力が許可されたという事か。やはりこちらも偽造された戸籍と信用スコアによるものだけど、モブ隊員さんは何かを恐れて彼に質問する事は無かった。


 顔もミトラさんとそっくりな上に、荒木って苗字だから身内だと思ったのかもしれない。もしそうならばたとえ一介の協力者だとしても無下には出来ず、失礼な態度を取る事は出来ない。


 きっと何も知らなければ私でもビビッて腫れ物に触る感じで接するだろう。むしろこの状況ではそっちの方がいいんだけど。


 本当はこんな鬼畜眼鏡じゃなく、仲が良いミカンやユルグをメンバーに入れる事が出来たらよかったけど、ミカンは高倉さんの二番隊に、ユルグはトレンタさんの七番隊の隊員となった。


 今までは研修期間中だったのでちょいちょい絡みもあったけど、今後はお互い忙しくなって絡む事が少なくなりそうだ。そういう人事だから仕方がないけど、クラス替えみたいでちょっぴり寂しい。


 さーて、頼りになる仲間と一緒にとっとと任務を終わらせて、時間いっぱいまで絵の練習をしないとね。

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