2-67 からのゴールデンウィニングクラッシュオチ
もっと鳳仙の事を知りたい――けれどそう言ってしまった事が大きな間違いだった。
「なら教えてあげるよ、その身体にね」
「え? ひゃあ!?」
蛇の様な目つきになった鳳仙はシュルシュルと鎖を伸ばし私の左腕を縛り上げた。無理矢理手を動かされたせいで痛みを感じ、私は一瞬パニックになってしまう。
「えーと、鳳仙……?」
「僕の事を知りたいんだよね。なら教えてあげるよ。ああ、いい顔だねぇ……」
「っ!」
ああ、そうだ。こいつはサディストだったんだっけ。つまり今から鳳仙は私に口では言えない様な、具体的にはNAROがマッハで飛んでくるような事をするつもりなのだろうか。
「ね、ねえ、本気なの!? っていうか鳳仙って男の人が好きなんだよね!?」
「僕は女装が趣味なだけでトランスジェンダーじゃないよ。可愛ければどっちでもイケる口だけど。正直君みたいなゴリラは好みじゃないけどたまには冒険してみるのもいいかもね」
「いやいやいや!? ちょ、え、何っ!? ひゃ!?」
鳳仙の服の下から這い出た鎖はさらに伸び、触手プレイの様に私の身体をきつく縛り上げる。ああいけない、なんだか妙な性癖がこじ開けられそうだ!
「さあ、メス豚ちゃん? いい声で泣き喚いてね?」
「あ、あわわ」
あかん、これガチだ。目つきがもう完全に性犯罪者の奴だ。いや実際そういう事をされそうになっているんだけども!
「っていい加減にせんかいオラーッ!」
「っ!?」
身の危険を感じた私は鎖が巻き付いた左手を力任せに振り回し鳳仙を壁に叩きつける。そしてダウンした彼に素早く接近、
「ゴールデンウィニングクラッシュッ!」
「ぎょえー!?」
男性にとって最大の弱点であるゴールデンボールを鷲掴みにして握り潰したのだ! コンプラなんて知るかオラァ!
「ぶくぶくぶく……てめコラ、男の娘の宝石箱を鷲掴みにするんじゃねぇよ、つーかするにしても加減ってもんがあるだろ!?」
「ちゃんとしてあげたよ? やっぱり私の勘違いだったみたい。今回は大目に見てあげるけど次は手加減せずにクラッシュするからね」
「はひぃ……!」
鳳仙は痛みで悶絶して股間を抑え泡を吹いて震えあがってしまう。だけどこれは完全に向こうが悪いから仕方がない。今後も何かあれば金的攻撃で撃退しよう。
まったく、一瞬でも鳳仙がいい奴だと思った自分が情けないよ。またこのド変態な女の敵になんかされない様に気を付けないと。
まったく蛇足なオチを付けやがって。イイハナシダッタノニナー、と私は動画サイトのコメントの様な事を想ってしまった。




