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怖い話  作者: 健二
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「夏の夜の電話」

ある夏の夜、Aは友人のBとCと一緒に自宅で映画観賞をすることにした。夕食が済み、外は蒸し暑いものの、エアコンを効かせて快適な空間が広がっていた。笑い合いながら映画を見続けるうち、気がつくと外はすっかり暗くなっていた。


その時、Aの携帯電話が鳴った。画面を確認すると、知らない番号からの着信だった。「誰だろう?」と不安に思いながらもAは電話に出た。


「もしもし、A?」と不気味な声が耳元で響く。Aは一瞬、男とも女とも付かない声を聞いたことがあるような気がしたが、すぐに思い出せなかった。「誰ですか?」とAが聞くと、相手は「心配しないで、すぐに会えるから」と言い、通話が切れた。


震えながらも、AはBとCにその出来事を話した。「知らない番号から電話がかかってきて、変な声で話された」と言うと、Bは「それ、ストーカーとかじゃないの?」と言い、Cは「そんなの無視しなよ」と笑った。しかし、Aの心の中には不安が残り続けていた。


その後、映画が終わった頃、Aは再び携帯を手に取った。すると、また同じ番号から電話が鳴った。「もう一度かけてきた」とAが言うと、Bは「出てみなよ」と言ったが、Aは恐れて受け取れなかった。


その晩、眠りにつくと夢の中でその声が再び聞こえた。「助けて…」という弱々しい声が響き渡り、目が覚めると冷や汗が流れていた。時計を見ると、午前3時。心臓がドキドキして落ち着かない。何かがおかしいと感じ、Aは睡眠薬を取って無理やり再び眠ろうとした。


次の日の朝、AはBとCにそのことを話した。しかし、Bは「お前、気にしすぎだよ。そんな声、夢だろ?」と一笑に付す。Cも「今夜、電話がかかってきたら一緒に出よう」と言って、冗談交じりに盛り上げた。


夕方になり、Bは「今夜は肝試しにも行こう!」と提案した。Aは即座に反応しました。「いや、もう外には行きたくない」と言うと、Cは「大丈夫だって、何も起こらないよ」と言い、結局皆で肝試しに行くことになった。


暗くなった頃、A、B、Cは近くの公園に向かった。そこで、Bは「ここで心霊体験できるかな」と言った。みんながちょっと静まり返っていると、何かの気配が周囲から感じられた。


突然、Aの携帯がまたもや鳴り出した。驚いたAが画面を見ると、「あの番号」だった。恐怖心に駆られ、Aは迷ったが、BとCが言った。「早く出てみろ!」と。


Aは恐る恐る電話に出ると、再び不気味な声が聞こえた。「A、すぐにそこから離れなさい…」その声が真剣で、Aは背筋が凍りついた。「な、なんで、私の名前を知っているの?」と問いただすが、声は無情に続いた。「お前の後ろにいる…」


振り返ると、誰もいない。しかし、その瞬間、背後に冷たい風が吹き、Aは全身が硬直して動けなくなった。BとCも動揺して後退り、全員でそのまま逃げるしかなかった。


三人はその場から逃げ出し、家まで全力で走った。家に入ると、ドアを閉め、しばらく震えていた。翌朝、Aは一夜の出来事を語るが、BとCは「それは夢だろ」と一蹴し取り合わなかった。


しかし、数日後、Aの元にまた同じ番号から電話がかかってきた。「助けて…」その声は、夢の中での声と同じだった。Aは夏の夜の恐怖から逃れられず、心の中に侵食していく影に悩まされ続けた。


その後、一切の連絡がなかった。Aは怯えながら過ごす日々の中、またいつかその声が響くのではないかと、不安な夜を過ごし続けることになった。

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