第5章 広域手配17号
「という事は、つまりキャップ棒とサングラスをかけた男が下校中にゆかちゃんを連れて逃げ去った。」
と、倉本警部は言った。
「はい、目撃者の話ではキャップ棒とサングラスをかけていたって事です。」
「なるほど、つまり犯人は広域手配犯の可能性が高いんだね。」
「ええ、犯人は青いアキュラ・インテグラに乗って逃走しているとのことです。」
「よしっ、周辺のパトカーに連絡して、その車を追ってくれ。」
「わかりました。」
と、青山は無線で言った。
「班長、例の広域手配犯じゃないでしょうか?。」
「ああ、犯人は父親の可能性があるんじゃないでしょうか?。」
「それで、手配犯の身元は分かりました。」
「そうか、その男の正体は。」
「はい、名前は柚木 康弘と判明しました、柚木は埼玉でマンションの主人を拳銃で札がし、そしてサラ金で警備員を射殺し、千葉県の市川市でけん銃強盗殺人、そして、先日起きた東京の万引き殺人と同一犯と判明しました。」
「という事は、もう1人はゆかちゃんの父親の可能性が高いです。」
「なるほどね、もう1人の男の身元は分かったのか。」
と、倉本警部は言った。
「はい、名前は磯崎 牧安と判明、もう1人は沢井 和江と判明した。」
「そうか、やはりこの3人がこの事件の犯人って事か。」
「ええ、恐らく。」
「