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第五十二話

 セシーナブレッド号はアロリアメルト大陸ドランベルト王国の港町ポートエダッドに入った。国王が処刑されて王国は崩壊しているが、まだ日も浅く、正式な国の名称は決まっていなかった。港町には物々しい気配はなく、人々にも緊迫した様子は見られなかった。


 神光の戦士たちは新聞や雑誌を買い込み、カフェに入るとネットと合わせて情報を整理し始めた。


 まず戦闘は北部と南部に分かれて行われていた。北部の旧王都シエルドブレスは革命軍による戒厳令が敷かれており緊迫した様子が伺える。革命政府は五人の評議員によって統制されており、アルドリッジ、ブレイアム、カーリー、ギレット、ラーキンズがその席を占めていた。実戦部隊を統括する将軍たちも彼らの指揮下にある。


 一方貴族連合政府は、南部の大都市シュパルツェンを根拠地に置き、マッキンタイヤー公爵とオリヴィエ侯爵ら、主だった大貴族たちが戦力を結集していた。


 すでに三度にわたる大規模な戦闘が起こっており、両軍ともに大きな被害を出していた。それでもまだ戦を続けるには十分な兵力を有しており、予断を許さない状況であった。


 アルフレッドは静かに口を開いた。「この地では多くの人々が争いに巻き込まれている。俺たちの使命は闇の勢力を打ち倒し、平和を取り戻すことだ。しかし、戦争の現実は容赦がない。無邪気に戦場に身を投じることはできない。冷静に戦術を立て、全力を尽くすことが大切だろう」


 アリシアは穏やかな表情で言葉を紡いだ。「この国の人々は苦しんでいる。私たちの存在が希望となり、一時の安らぎをもたらすことができるかもしれない。そのためには衝動に駆られず、現状を冷静に把握し、効果的な支援を行うことが必要だと思うわ」


 クラリスは頷きながら言った。「確かに、冷静さが重要ね。私たちは人々を勇気づける存在でありたい。ただの戦力だけでなく、心の支えとなれるよう努めましょう」


 エリオットは自信を込めて話した。「俺たちは神光の戦士として協力し、困難に立ち向かってきた。冷静に判断し、信じる力を持って進もう。きっと解決策が見つかるはずだ」


 エイブラハムは深く考え込むように語った。「戦闘は日々進展しているようだ。現地の人々の心情を考慮しながら行動しなければならないようだ。ただの戦士ではなく、彼らの心に寄り添い、共に立ち向かうことも大切だろう」


 ライオネルは優しい眼差しで言葉を続けた。「苦しむ人々を見ると、俺たちの力がより必要とされると思う。だが、感情に流されずに現実を見据え、最善の方法を見つけなければなるまい」


 エスメラルダは心に力を込めて語った。「感情の起伏はあるだろうが、私たちは闇を払うために来た。それが本来の目的だ。冷静さを失わず、一歩一歩前進するとしよう」


 スカーレットは思慮深く話した。「戦争は混沌としたものですが、私たちの存在が何かを変えることは間違いないでしょう。冷静に計画を立てて、効果的な行動を取りたいです」


 マクシミリアンは皆に向けて結束を訴えた。「私たち神光の戦士は、人々に勇気と希望をもたらす存在。感情に流されず、戦士としての責任を果たすことが求められる」


 それにしても、とアルフレッドが言った。


「セイセス=セイセスの名前が出てこないな。奴らは秘密裡に行動しているということか。油断はできないな」


 アリシアが同意しながら続けた。「確かに、セイセス=セイセスの存在は重要ね。彼らは闇の勢力の中でも特に巧妙で危険な組織のようね。彼らの影には計画が渦巻いていることでしょう」


 クラリスは言葉を重ねた。「彼らの動きにも敏感になっておかないと。セイセス=セイセスの行動によって戦局が大きく左右される可能性もあるでしょう」


 エリオットは冷静に分析して言った。「彼らの名前が出てこないということは、まさに俺たちが警戒すべき相手なのかもしれんな。彼らの行動や動向をつかむことが、勝利に近づく鍵かもしれん」


 エイブラハムが深く頷きながら言葉を続けた。「セイセス=セイセスの存在は闇の勢力の核心部分と言えるのかもな。彼らがどのような戦略を持っているのか、俺たちがその情報を掴むことができれば、戦局が有利に進展する可能性があるが」


 ライオネルが厳しい表情で言った。「彼らは常に暗躍しており、我々が追い詰められるような状況を作り出すのが得意だろう。警戒しておくにしくはないな」


 エスメラルダは決意を込めて言った。「セイセス=セイセスに対しても警戒心を持ち、彼らの影に隠された真の意図を見抜く必要があるな。私たち神光の戦士が彼らの野望を阻止する存在であることを示さなければならん」


 スカーレットがまた言った。「セイセス=セイセスとの対決は困難を伴うかもしれませんね。魔戦士集団の秘密結社とは……今のところ正体不明だから、不意打ちは警戒しておかないと」


 マクシミリアンが力強く結論づけた。「セイセス=セイセスの存在を忘れず、その影には十分警戒するとしよう。戦いはまだ始まったばかりです。我々は神光の戦士としての役割を果たさねば」


 そこでアルフレッドが提案した。


「二手に分かれよう。俺とアリシア、クラリス、エリオットは革命政府の方へ、エイブラハム、ライオネル、エスメラルダ、スカーレット、マクシミリアンは貴族連合の方へ。どうだろう」


 戦士たちはその提案を受け入れ、二手に分かれることとなった。



 北部の旧王都シエルドブレスへと向かう魔弾鉄道に乗車して、アルフレッドとアリシア、クラリス、エリオットは郷愁を覚えた。


「この四人で旅に出るのは懐かしいな。まだ俺たちが出会って間もない頃だ」


 アルフレッドの言葉にエリオットは言った。


「そうだな。あの頃とは世界も変わったな」


「まさかこんな旅になるなんて、想像だにしなかったわ」


 クラリスは言った。アリシアは肩をすくめる。


「あれから幾つの国を救ったかしら」


「…………」アルフレッドは沈黙ののちに口を開いた。「革命政府には正面から乗り込む。神光の戦士であることを明かして協力を仰ごう」


「そうなると、あえてこちらの動きを見せるか」


 エリオットは思案顔。


「ああ。そうなると、敵も動き出すだろう。俺たちは大きな餌だ」


「ハイリスクハイリターンね」


 アリシアが言うと、クラリスは考え込んだ。


「そうね。この状況では、探りを入れるにしても不都合だし、正体を明かすのは悪い策ではないと思うわ」


 そうして、列車はシエルドブレスへと到着した。


 アルフレッドらは馬車を調達して革命政府本部へと向かった。


 本部は請願に訪れる市民でごった返していた。アルフレッドらは順番待ちの列に並んだ。


 ようやくアルフレッドらの順番が回ってくる。呼び出しの役人はあたふたしながら叫んだ。


「か、神、神光の、神光の戦士たち、アルフレッド、アリシア、エリオット、クラリス、評議員に面会する!」


 場内はざわめいた。


 アルドリッジ、ブレイアム、カーリー、ギレット、ラーキンズらも驚いた様子であった。


 アルフレッドらは驚かれることを覚悟していたが、それでも堂々と前に進んだ。彼らは神光の戦士たちとして、自分たちが果たすべき使命を全うする覚悟を持っていたからだ。


 アルフレッドが一番前に出て、丁寧に一礼をすると、革命政府の評議員たちに向かって話し始めた。


「私たち神光の戦士たちがここに来たのは、アロリアメルト大陸ドランベルト王国の闇の影に立ち向かうためです。私たちはウィルギット王国においても闇の勢力との戦いに勝利しました。しかし、その闇の影がここにも広がっていると聞き及びました。我々は力を合わせ、この国を守るために参りました」


 革命政府の評議員たちが互いに顔を見合わせ、驚きと疑念の表情を浮かべているのが分かった。彼らはまだ神光の戦士たちのことをよく知らないのだろう。しかし、アルドリッジら五人の筆頭評議員たちは神光の戦士たちの力を知っており、戦いにおいて重要な役割を果たしたことを理解していた。


 ブレイアムが口を開いた。「私たちは革命戦争に全力を注いでおり、何とか国を立て直そうとしています。もし本当に神光の戦士たちの力があるのであれば、私たちと協力してくれるのか?」


 アルフレッドは真摯な表情で応えた。「もちろん、私たちはこの国の平和を守るために力を貸します。闇の勢力に立ち向かうことが私たちの使命です。どうか私たちの力をお借り下さい」


 そうして、時間を改めて革命政府の評議員たちとの協力が始まった。アルフレッドらは彼らに闇の勢力についての情報を提供し、自分たちの経験と力をもってドランベルト王国を支える必要があると語った。


 革命政府の評議員たちはアルフレッドらの主張に対して、初めは戸惑いを見せていたが、神光の戦士たちが持ち帰ったウィルギット王国での神託の映像を目にすることで、彼らの信じられないような経験を理解することができた。神々の声が響き渡る映像は、革命戦争そのものが闇の勢力によって巧妙に仕組まれたものであることを示していた。


 アルドリッジ、ブレイアム、カーリー、ギレット、ラーキンズら主席評議員は、革命政府が闇の勢力に操られていた可能性を真剣に受け止めるようになった。神光の戦士たちの証言と神託の映像を元に、彼らは革命戦争がセイセス=セイセスなどの闇の秘密結社によって引き起こされたものだと納得した。


「この事態は重大だな。革命戦争が闇の勢力によって操られているというならば、我々も対処せねばなるまい」とアルドリッジが口を開いた。


「しかし、どうやってセイセス=セイセスの影を探し出すのか。彼らは巧妙に隠れていることでしょう」とブレイアムが懸念を示した。


「神光の戦士たちが手掛かりを持ち帰ってくれることを期待しましょう。我々も情報収集に動きましょう」とカーリーが提案した。


 アルフレッドと仲間たちは、革命政府の評議員たちとの協力を得て、ドランベルト王国における闇の勢力との戦いに備えることになる。



 エイブラハム、ライオネル、エスメラルダ、スカーレット、マクシミリアンたちは、南部の大都市シュパルツェンに魔弾鉄道で入った。馬車で貴族連合本部であるローゼルファイス宮へと向かう。自ら神光の戦士である身分を明かした彼らは、マッキンタイヤー公爵とオリヴィエ侯爵ら、大貴族たちが集まる大広間へと通された。彼らは華麗なローブに身を包んだ貴族たちに囲まれ、緊張した雰囲気が漂っていた。


 エスメラルダが堂々とした口調で話し始めた。「私たちは神光の戦士です。ウィルギット王国で闇の勢力に立ち向かってきた仲間たちと共に、ドランベルト王国の平和を守るためにやってきました」


 スカーレットが続けた。「革命戦争そのものがセイセス=セイセスなどの闇の秘密結社によって引き起こされたものだという事実を知っています。我々はウィルギット王国で闘い、その力と絆で闇の影を打ち砕きました」


 マクシミリアンが熱く語った。「セイセス=セイセスらの闇の勢力がドランベルト王国にも影響を及ぼしていることは間違いありません。彼らは戦争を手段として利用し、狂気と死をもたらすことを目論んでいるのです」


 エイブラハムが加えた。「我々は神光の力を持ち、神々から授けられた使命を果たす覚悟があります。セイセス=セイセスらの影を探し出し、平和と希望を取り戻すために戦います」


 ライオネルが静かな声で言葉を紡いだ。「我々が戦うことで、ドランベルト王国の人々が狂気と死に苦しむことはなくなります。私たちは光と希望をもたらす存在として、闇の勢力に屈しません」


 マッキンタイヤー公爵やオリヴィエ侯爵を含む貴族たちは、初めは驚きと疑念を抱いていたが、エイブラハムたちは、ウィルギット王国での神々の神託の映像を貴族連合本部で見せた。携帯端末を使って、神光の戦士たちがウィルギット王国での戦いと神々の声を受け取る瞬間を貴族たちに見せた。


 映像の中で、神々の声が響き渡り、神光の戦士たちがウィルギット王国でバルデュエル・ミラーとの戦いに挑み、勇敢に立ち向かっている姿が映し出された。神々はウィルギット王国の戦いを称賛し、彼らが闇の勢力に立ち向かった勇気を讃えた。


 エイブラハムたちは映像を見せながら語った。「これこそが、ウィルギット王国での私たちの戦いです。闇の勢力と戦いながら、神光の力に導かれています。私たちは神々から授けられた使命を果たすために、ドランベルト王国にやって来たのです」


 ライオネルが加えた。「ウィルギット王国での戦いによって、バルデュエル・ミラーのような闇の存在を倒しました。しかし、セイセス=セイセスら闇の秘密結社の影がドランベルト王国にも及んでいることは否定できません」


 エスメラルダが重要な点を強調した。「私たちの戦いは闇の勢力に対する戦いです。革命戦争そのものがセイセス=セイセスなどによって引き起こされたものだという事実を、ウィルギット王国での経験から知っています」


 スカーレットが熱心に語った。「私たちは光と希望をもたらす神光の戦士です。ドランベルト王国での戦いでも、同じ使命を持って立ち向かいます」


 そしてマクシミリアンが心からの決意を込めて続けた。「セイセス=セイセスらの闇の勢力を打ち砕くために、私たち神光の戦士はここにいます。ドランベルト王国の平和を守るため、力を合わせましょう」


 貴族連合のメンバーたちは、ウィルギット王国での神々の神託の映像を見て、神光の戦士たちの勇気と決意を再確認した。彼らは貴族連合としての力をもって、神光の戦士たちをサポートし、ドランベルト王国での闇の勢力に立ち向かうことを決定した。


 ただし、とマッキンタイヤー公爵は言った。


「その革命戦争は操られたものであることは確かなのだろうな。我らのドランベルト王国が、闇の勢力によって巧妙に利用されているという主張には、少々疑念を抱かざるを得ない」


 オリヴィエ侯爵も重ねて続けた。「そうだ、革命戦争そのものは我らの目の前で進行しておる。だが、闇の討伐と革命軍の打倒は別物だ。我ら貴族連合は自らの利益を守るために革命軍に抵抗しておるのだ。その意志は揺らぐことはない」


 彼らは革命軍を敵視し、自らの立場を守るために戦っていることを強調したが、一方で闇の勢力に対する協力の意思を見せた。彼らはドランベルト王国が闇の勢力に利用されている可能性には懐疑的ではあるものの、闇の存在に対しても警戒心を持っているようであった。


 神光の戦士たちは、この双方の立場を理解しながら、ドランベルト王国での戦いに臨むことになる。


 いずれにしても、神光の戦士たちが現れたことはメディアで大々的に取り上げられ、ウィルギット王国での戦いで勝利を収めた神光の戦士たちの名声が広まり、彼らの存在は国中に知れ渡ることとなった。

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