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第五十一話

 バルデュエル・ミラーが倒れ、闇陣営はついに敗北した。宮廷内には一時的な静寂が広がったが、次第に神光の戦士たちの勝利を知った人々が宮廷に集まり始めた。


 神光の戦士たちは疲れ果てていたが、喜びと達成感が胸を満たしていた。彼らは団結し、信じる心を持ち続けたことがこの勝利につながったと実感している。その輝く姿に、多くの人々が感動し感謝の念を示した。


 宮廷の使用人や衛兵たちも、彼らを称え、勝利を喜び合う。この戦いにおける協力が、新たな絆を築き上げた。


 王国の人々は次第に宮廷を埋め尽くし、勇者たちへの歓声が響き渡る。彼らは神光の戦士たちに対して、その勇気と力強い姿勢に敬意を表した。多くの人々が彼らの偉業を語り継ぎ、王国の歴史に刻まれることだろう。


 魔導士評議会による再選挙が行われ、神光の戦士たちを率いた聖王レイモンドが再び選ばれることとなった。彼の知識とリーダーシップ、そして闇の勢力に対する勇敢な戦いぶりが、評議会の信頼を得た結果であった。


 聖王レイモンドは再選されると、謙虚な態度でその任命を受け入れた。彼は自らの力だけでなく、神光の戦士たちや七賢者、そして王国の人々との協力によって勝利を収めたことを強調した。再選されたことに感謝し、引き続き王国の平和と繁栄のために尽力することを誓ったのであった。


 聖王レイモンドの再選により、王国は安定を取り戻し、魔導士評議会との連携も強化された。彼の知識と経験は王国のために大いに役立つことだろう。


 それから、レイモンドは魔法の力で復旧した宮廷に神光の戦士たちを呼び寄せた。


 アルフレッドらはレイモンドの前に参上して膝をついた。


「およびと伺いましたが、陛下」


「よく来てくれた。今回はそなたらのおかげで闇の勢力からこの地を回復することが出来た。その礼を言いたくてな」


 そして、レイモンドは従卒に合図した。すると従卒は勲章と報奨金を持ってきた。


「せめてもの感謝の印だ。受け取ってくれ」


 アルフレッドらはそれを受けることにした。今回の戦いはそれに相応しいものだったろう。


 その時だった。王の間の天井から光が降ってきて、コーラスが鳴り響いた。光の神々の降臨だ。


 王の間は騒然となったが、アルフレッドらはレイモンドにこれが光の神々の神託であることを伝えた。


 列席している魔導士や宮廷人たちは携帯端末でこの様子を撮影し始めた。


 そうして、例によって神々の声が降ってきた。


「神光の戦士たちよ、ご苦労でした。バルデュエル・ミラーにランドマレアスを倒したことで、またしてもグラッドストンの駒は失われました。よくぞ打ち破りました」


 そうして、神々は続けた。


「次の行先は世界地図の南西部、アロリアメルト大陸のドランベルト王国です。かの地は今革命戦争の真っただ中にあります。神光の戦士の肩書は実を成すでしょうが、気を付けなさい。ここにもまた闇の影が蠢いています。闇の秘密結社セイセス=セイセスの影が」


「待って下さい。革命戦争との事ですが、私たちはどちらに味方すればよいのです」


 アルフレッドは問うた。神々は答えた。


「それは天命の導きによるものです。何も英雄になる必要はありません。ですが、セイセス=セイセスには十分気を付けるのです。彼らはグラッドストンの闇の信奉者であり、強力な魔戦士集団でもあります。革命戦争の勝敗が彼らの目的ではありません。戦争に入り込み、狂気と死をもたらすこと、それこそが彼らの目的。戦争はそのための手段であって目的ではありません」


 そこでマクシミリアンが言った。


「神々よ、ですが現に戦闘が起こっているのでしょう。そもそも争っているのは何です? 政府軍と革命軍ですか?」


「それはその通りです。ドランベルト王はすでに処刑されました。首都は既に革命軍の手にあります。政府軍というならそうでしょうが、貴族たちは幼き新王を擁立して、革命軍に対処しています。ですが重要なのは、闇の姿です。四天王と闇の七騎士、そしてセイセス=セイセス、連中がこの戦争を影から主導しているのは明らか。彼らを止めるのです。そうすればおのずと道は開けましょう」


 神々の声が響き渡る中、アルフレッドと仲間たちは真剣な表情で神々の教えを受け止めた。アロリアメルト大陸のドランベルト王国での戦いは革命戦争が進行中であり、闇の秘密結社セイセス=セイセスの影が背後で暗躍していることを知らされた。


「セイセス=セイセス……」アルフレッドが口にすると、マクシミリアンも深く額を押さえるようにして頷いた。彼らはその名前をよく知っていた。闇の勢力として有名なセイセス=セイセスは、グラッドストンにおける闇の四天王や闇の七騎士と並ぶ存在であり、恐るべき力を持つ魔戦士の集団であった。


「戦争に巻き込まれた人々が狂気と死に苦しむ……それが彼らの目的なのか。そのような卑劣な行為を許すわけにはいかない」エリオットが怒りを込めて口を開いた。


 しかし、神々の声は静かに続ける。「戦争に巻き込まれた人々が狂気と死に苦しむのは、彼らが影から操る闇の力のせいです。彼らは戦争を手段として利用し、闇の影によって破滅をもたらそうとしています。だからこそ、彼らを止めることが大切なのです。闇の影が影響を及ぼす限り、戦争の終結は望めません」


 アルフレッドは決意を胸に秘め、言葉を伝える。「私たちはドランベルト王国に行き、闇の影を打ち砕くことを誓います。セイセス=セイセスを止め、平和を取り戻します」


 エスメラルダが言った。「私たちは神光の戦士として、光と希望をもたらす存在。ドランベルト王国で必要なことを成し遂げましょう」


 クラリスが強く言葉を重ねる。「光の力と絆がある限り、私たちは闇の勢力に屈しない。信念を持って戦うまでね」


 スカーレットも意気込んで続けた。「私たちが立ち向かうのは闇の影そのもの。その影を一つずつ消し去り、ドランベルト王国に再び輝きを」


 マクシミリアンは心からの決意を込めて最後に言葉を紡いだ。「私たちは神光の力を胸に抱き、アロリアメルト大陸で未知の戦いに立ち向かいます。闇の秘密結社セイセス=セイセス、私たちを待ち構えるならば、覚悟を決めて向き合います」


 神々の声はやわらかな光となって神光の戦士たちを包み込み、彼らの決意と勇気を祝福した。「神の力の一端をあなた達に授けましょう」すると、アルフレッドらの周囲を光が包み込み、それらは神光の戦士たちに吸い込まれた。


「これは……」


 アルフレッドらは己の肉体を見た。彼らは光っていた。力が沸き上がってくる。


「それは祝福のギフト。その力、己のものとしなさい」


 そうして、神々は光と共に去っていった。


 彼らの戦いはまだ終わりではないが、神の加護と共に彼らの未知の旅が始まる。アロリアメルト大陸のドランベルト王国での闘いは、新たなる光と希望をもたらす重要な戦いとなるであろう。


 ウィルギット王国中に広がった神々の降臨の映像は、人々に勇気と希望を与えた。神光の戦士たちの勇敢な戦いが称賛を受け、彼らの名声は国中に轟き渡った。


 そして、アルフレッドらはウィルギット王国の戦勝祝賀会に王宮の宮廷に招かれた。豪奢な料理が並び、美酒が振る舞われる中、彼らは神光の戦士としての功績を称えられた。王宮の宴会場は歓喜と喜びに包まれ、国民からの拍手と称賛が彼らに送られた。


 アルフレッドたちは出立前の休息を得ることができ、疲れた身体と心を癒すことができた。多くの人々が彼らに感謝の言葉をかけ、勇気と希望を与えたことへの感謝を伝えた。


 レイモンド聖王自らも神光の戦士たちに拍手を送りながら、宴会の席で挨拶した。「神光の戦士たちよ、今回の勇気ある戦いに感謝する。ウィルギット王国はそなたらのおかげで再び平和を取り戻すことができた。そして、次なる戦いが待ち受けていることを承知している。しかしそれを乗り越える力は、そなたらに備わっていることを信じている。我が国の誇りとなる、神光の戦士たちよ!」


 アルフレッドたちは聖王の言葉に感謝し、深く頭を下げた。「レイモンド聖王、我々は再び戦いに立ち向かいます。世界の調和を取り戻すため、闇の影に立ち向かうことを誓います」


 宴会は続き、神光の戦士たちは仲間や国民たちと交流し、勇気と絆を深めた。戦勝の喜びとともに、ドランベルト王国での戦いへの決意が新たに燃え上がっているのであった。彼らの旅路はまだ続いているが、信念と光の力を胸に、次なる闇の戦士たちとの戦いに立ち向かう覚悟は決まっていた。


 そうして、旅立ちの日がやってきた。一行はポートベダーナへ入った。セシーナブレッド号が停泊していた。船長のベネディクトは神光の戦士たちを出迎えた。


「よお、また新顔が増えたみたいだな。それで? 船で出るのか」


 アルフレッドが答えた。


「ああ船長。アロリアメルト大陸のドランベルト王国まで向かってくれ」


「また物騒なところへ向かうんだな」


「だが行かなきゃならない。これも天命ってやつだ」


「やれやれ……」


 ベネディクトたちは船員たちに命令すると、出港の準備に取り掛かった。


 かくして、神光の戦士たちはウィルギット王国を発つ。待ち受ける闇の深さを、彼らはまだ知ることはない。

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