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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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最大の謎

「それって・・・つまり・・・そういうことだよな・・・」


 ただ好きと言われただけ。それだけで俺の頭は機能を停止した。


 それだけに強烈で、思いもよらぬ言葉だった。


 人生で言われることのないだろうと思っていた言葉がこんなにもあっさり言われた。


 YesなのかNoなのか、答えが決まったのならなんて伝えるべきだろうか、そうなったら今後の生活はどう変わるだろうか、いつから好きになったのだろうか、違う人の顔が浮かんだりもした。


 好きだと言われた瞬間に自分の頭では処理しきれないほどの考えが及んだ。


 そうしているうちに、外から杉本先生の声が聞こえて、ようやく正気を取り戻した。


 そうだ、告白のことは後で考えられるが、投票は待ってはくれない。このままだと瑞希は裏切り者ではない人を選んでしまう。


 俺はそう思って、急いで瑞希の後を追って、校庭に出た。


 外に出てみると、瑞希の周りにはすでに生徒が取り囲んでいて、俺が秘密裏に瑞希に教えてやることもできなくなっていた。


 もう、出来る手はない。


「涼風さん、裏切り者は見つかったかしら。やっぱり私が裏切り者だって言うんでしょう?それならそれでいいだけど、間違ったら責任取ってくれるんだよね?」


「ええ、私から言い出したことだし、間違えたのならそれ相応の責任はとるわ。間違えたらの話だけど」

「そう。じゃあみんなは私と涼風さんに投票しなさい!」


 矢口さんは勝ち誇ったかのような表情を浮かべていた。


「いえ、私が裏切り者だと思うのは矢口さんではなく、早乙女君よ」


 俺が諦めていると、瑞希の口からは予想外の人物の名前が挙がった。


「私って言ったじゃない!」

「それはあくまで、現時点で可能性が高いって言っただけよ。その後に聞いて回ったら早乙女君が怪しいと思っただけよ」


「よーし、じゃあ怪しい奴も決まったことだし、投票するぞー。この紙に2人の名前を書いてくれ」


 いきなり俺が指名されて、クラス中がざわざわしている中、投票が始まった。


「集計の結果、票が集まった2人は・・・」


 瑞希の堂々とした態度や状況から結果が出る前にすでに俺が裏切り者だと言うのはクラス中が信じてやまなかった。


「涼風と早乙女だ!それで・・・気になる裏切り者は・・・なんと黒瀬と早乙女でした!」

「「「おおぉー!」」」


 疑い始めてから1時間ほどで裏切り者を特定した瑞希に歓声が上がる。


「やっぱり、黒瀬だったかー」「俺怪しいと思ってたんだよ」「あいつは反則だろ・・・」


 結果が発表され、クラス中で軽口が飛び合う。


「見事早乙女を当てられたので、お前たちの勝ちだ。約束通り明日の午後、特別に楽しいところに行きます!」

「「「やったーーー」」」


「明日の午前はちゃんと授業に集中しろよ?」

「「「はーい!」」」


「お前らは返事だけはいいんだから。まあいいや、じゃあBBQもそろそろ終えるぞ。片づけは先生たちがやるからお前らはキリが良くなったら部屋に戻るんだぞ」


 杉本先生はそう言って、職員室にいったん戻っていった。


 俺の望んだ展開になったのは嬉しいことなのだが、俺は全く理解できずにいた。


 瑞希は俺を疑ってはなかったのに、どうして急に意見を変えて俺が怪しいと思ったんだ?


 もう、最後の最後にダメ元で俺の言ったことを信じたってことなのか?


 どうも、それでは納得がいかなかった。


「チィ!」


 矢口さんは何一つ思い通りになることなく、怒りをあらわにしてこの場を立ち去ろうとした。


「待ちなさい。私も室井さんも裏切り者ではなかったのだから、あなたは室井さんに謝る必要があるのではないかしら?」


「あ、あれは不正よ!」

「どういうことかしら」


「どうせ、あなたが見つからないからって男子に色仕掛けでもして、自白させたんでしょう?明日のレクリエーションを楽しみにしているのは裏切り者だって同じことだしね!」


「あぁー、それは違うよ矢口さん。そりゃ俺達だって行きたいから俺が勝つことで行けなくなるなら手を抜くよ。だから俺と遥紀は教えられてたんだけど、結局はどっちが勝っても行けるんだってさ。だから俺がそういう理由で手を抜くなんてないんだよ」


「そろそろいいかしら?」

「ああ、分かったよ。悪かった。これでいいか?」


 義務感で言った矢口さんの言葉に瑞希はさらに憤怒する様子を見せた。


「あなた、それで・・・」

「もういいですよ」


 それに待ったをかけたのは他でもなく言われた本人の室井さんだった。


「それで大丈夫です」

「でも・・・」

「涼風さんもありがとうございました。私としてはこれで満足なので」


「室井さんがそう言うなら、もういいです」


「じゃあ私からはこの件について、これ以上言わないけど、私にも色仕掛けとかなんとか言ったのは忘れないでね」


 あれだけ言われたのに、結局自分のことについては、何も言わないとはつくづく自分に甘いことで。


 矢口さんは言うだけ言ったあと、自分の部屋に帰っていった。


「それにしても、俺じゃないって疑ってたのに、急に俺を指名したんだ?」


 矢口さんも去ったことだし、今回の俺の最大の謎を聞いてみた。どうもダメ元で信じてみたという理由は納得できなかったからだ。


「だって、それは司がキーワード分かってないから」

「え?『オタク』じゃないのか?」

「違うよ」


「じゃあ、何なんだ?」

「『好き』だよ」

92話も読んでいただきありがとうございます。

キーワードの正体、分かっていただけたでしょうか?

これからも応援よろしくお願いします。

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