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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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弁明

 そこには、瑞希を裏切り者なのでないかと疑う女子生徒の姿があった。


「ちょいちょい、今どういう状況?」


 遥紀が近くにいたクラスメイトに話しかける。


「まだ裏切り者見つかってないし、制限時間もこのBBQまでだからみんな裏切り者探しになったんだけど、そこであんまりこのゲームで疑われてこなかった涼風さんが怪しいんじゃないかって矢口さんたちが言い始めたんだよ」

「そゆことね・・・」


 実際今回のゲームでは瑞希自身は俺とか遥紀とかを裏切り者か疑ってきていて、ノリノリだったが、瑞希が疑われるようなことはなかった。


 それはやはり、周りから見たら完璧で性格もいい瑞希が裏切り者だとはみんな考えなかったのだろう。


 そして最後になって候補がいないため、消去法で疑われているのか。人気者も大変だな。


「私じゃありませんよ」

「どうだか!」


 特に証拠もなかった矢口さんたちは捨て台詞のようにそれだけ言葉を吐いてその場を離れた。


「涼風さん大丈夫?」「気にしなくていいからね」


 彼女たちが去った後は他のクラスメイトが瑞希を慰めるような言葉をかけていた。


「疑うのがゲームなので大丈夫ですよ。ありがとうございます」


 瑞希は口ではそう言っていたが、どこか悲しそうな顔をしている気がした。


「じゃあこっからBBQ始めるぞー。今から2時間半後の8時半になったら裏切り者が誰かを投票で決めるからそれまでに決めとけよー」


 杉本先生の一言でようやくBBQが始まった。

 

 始まる前はどうなることかと思ったけど、始まってからは先ほどのことは忘れてみな和気あいあいとした様子で楽しんでいた。


 ちなみに俺と遥紀は全く疑われていない。遥紀なんか裏切り者を探すグループのリーダー的存在になって探しているふりをしているし。


 だが、BBQ中もあちらこちらで裏切り者を疑う声がするが、その様子からは本気で見つけてやろうという感じが見えてこない。


 みな疑うふりをして、普段あまり話していない人とも会話しに行ってるように見える。


 明確な話題があり、見つけなくてはいけないという大義名分があるので同性異性関係なく話に行きやすい環境なのだ。


「こいつ怪しいぞ」とどこからか声が飛んでくれば、そちらに行けば会話の輪に入ることができる。


 初めはこのゲームはただ先生がやりたかっただけで行われたものだと少々侮っていたが、始まってみると意外と交流を広げるゲームであったのだと見直した。


***


 始まって1時間半が経過し、残りタイムリミットは1時間だ。


 初めはふざけていたクラスメイト達も明日のレクリエーションがなくなってしまうことに実感が湧き始めて徐々に焦りが出てきていた。


 そんな中でも俺と遥紀は裏切り者でちっとも疑われていないので心穏やかに椅子に隣り合って座っていた。


 勝った。お互いキーワードを知っている状態で疑われていないのだから、ここから負ける術が存在しない。


「ずいぶん余裕そうですね」


 遥紀に話しかけてきたのは瑞希だった。隣には瑞希と同室の室井さんもいた。


 遥紀はクラスでも中心人物でちょいちょい瑞希に話しかけているので、瑞希から遥紀に話しかけたのは不思議ではない。


「まぁね。クラスでも話したことあんまりない人とも話せたから俺としては満足かな」

「明日のレクリエーション行きたくなんですか?」

「もちろん行きたいけど、深く疑って嫌われるのは嫌だからね」

「そうですか・・・」


 瑞希はそれだけ会話をした後、隣にいた室井さんに何やら耳打ちをした。


 その時だった。


「やっぱり!涼風さんが裏切り者だったのね!」


 BBQが始まった時に聞いた声と同じ人物が再び声を上げた。


「矢口さん。先ほどもお伝えした通り私は裏切り者ではありませんよ」

「いや、嘘だね。私が聞いて回ったけど、涼風さん以外は答えられたからね」


 少し前に俺の元にも来て、聞かれると俺は『読書』と答えるとすぐに去っていった。あれ、全員にやっていたのか。


 だがまあ、これで決まったキーワードは『オタク』だ。


「それは、うまく裏切り者の方が紛れられているだけでは?」

「じゃあ、涼風さんは何なの?」


「・・・」


 瑞希はその問いに黙ってしまった。


 遥紀は小さな声で「答えられないよねぇ・・・」と呟いた。


 瑞希は何オタクなのかと言うならばおそらくゲームオタクだろう。家でもいつもゲームをしているし。


 だが、この場でゲームと言ってしまうと完璧なイメージを崩すかもしれない。そのために一瞬沈黙が生まれてしまった。


「ほらね、即答できない」


「え、マジで?」「本当に涼風さんなの?」「いや、でも・・・」


 はたから見ればこの質問に答えられないのはどうしても怪しく感じてしまう。


 クラスメイトも徐々に疑い出す。


「しかも、涼風さんこのゲームあんまり参加してないよね。怪しすぎでしょ」


 確かに、瑞希はこのゲームで人を疑うということは俺と遥紀以外にはしてこなかった。


 それは単純に瑞希がクラスメイトを疑って嫌われたくないという思いからだろう。


 瑞希は何よりも人から嫌われる行為を極端に嫌うからだ。


「それに今、黒瀬君と話してて、焦って室井さんに耳打ちしてたでしょ。大方、涼風さんと室井さんが裏切り者なんでしょ」

「違いますよ」


 その言葉は無視でクラスメイトも疑い始めた現状に調子の上がった矢口さんは言葉を続ける。


「いくら何でも勝ちたいからってずるいでしょ。疑われないために友達のいない室井さんを一緒の裏切り者にするのは」


 空気が変わった気がした。

89話も読んでいただきありがとうございます。

これからも応援よろしくお願いします。

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