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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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勉強合宿

「修学旅行だーーー!」

「全然違う。勉強合宿だ」


 今日のHRで勉強合宿について話された。


 11月の末に3泊4日で静岡県の御殿場で行われる勉強合宿は3年生になる前準備として行われる。


 うちの高校は珍しく修学旅行は3年の1学期にある。普通の高校は2年のこれくらいの時期に修学旅行があるものだから、気分的には勉強合宿が修学旅行だと思ってしまうのも分かるが。


「なんでそんなに楽しそうなんだよ」


 名の通り勉強合宿なので、勉強ばっかの行事なのだろう。勉強が好きではない大半の人は楽しみではない行事だ。


「先輩が言うには毎年勉強だけじゃなくて、面白いなにかがあるみたいだよ」

「なにかって?」

「それは毎年違うからわかんない。去年は肝試しだって」


 肝試し1つでそんなに楽しそうにできるのかよ。大体瑞希は優等生モードなんだから、そんなに感情を出せないだろうに。


「部屋は誰と一緒になったんだ?」

「室井さんだよ」

「最近、そこの絡み多いな」


 学校説明会や文化祭といい最近、瑞希と室井さんが一緒にいるシーンが多い。


 将来的には瑞希の素を打ち明けられるくらい仲良くなるかもしれないな。


***


「ちょっと黒瀬、授業終わったら職員室まで来てくれ」

「あ、はい」


 担任の杉本先生の授業である古典の授業を受けている最中、杉本先生は思い出したかのように遥紀に話しかけた。


「おい、遥紀。なんかやらかしたのか?」

「いや、多分、やってないはずだけど・・・」


 先生の呼び出しというのは身に覚えがなくても、恐怖を覚える。しかも授業の後ならなおさら授業中は集中できない。




「はい、これで授業を終わります。黒瀬は職員室来てくれ」


 遥紀は4時間目の授業が終わり、昼休みに差し掛かると先生と一緒に職員室に向かっていた。


 それからしばらくすると、遥紀が難しそうな顔で戻ってきた。

 

「どうした?なんか様子がいつもと違うけど。やっぱり怒られた?」

「そうじゃないけど、どうしようかと思ってね」

「?」

「司、ちょっと協力者やってくれない?」

「いいけど、どういうこと?」


 遥紀の言っていることは意味が分からなかったが、とりあえず俺は頷いた。


「じゃあちょっと・・・」


 前後の席に座っている俺たちはお互いに前傾姿勢になり、周りに聞こえないようにしてから、遥紀が小さな声で俺に話し始める。


「勉強合宿のレクリエーションなんだけど・・・」

「・・・もうこれ聞いちゃった以上引き受けなきゃいけないやつじゃん」

「頼んだぞ」


「・・・まあ分かった。それはいったん置いといて昼飯食べようぜ。昼休み終わっちゃう」

「ああ、ごめんそうだね」


 遥紀の話を聞いていると、時間はあっという間に過ぎて、そろそろ食べ始めないと昼休みが終わってしまう時間帯だった。


「やべ、水筒忘れた。ちょっと自販機で買ってくるから先食べてて」

「分かった」


 そう言って、俺は急いで自販機の元に向かおうと教室を出た瞬間、その前を通ろうと思った女子生徒とぶつかりそうになった。


「あ!」

「?」

「あ、ごめん。何でもない」


 俺はその女子生徒を見ると思わず声を上げてしまい、その女子生徒に不審がられてしまった。


 その女子生徒に道を譲って、再び自販機を目指して、歩みだす。


 たった今最近ずっと気になっていた、予備校で2度もあった見知った顔の正体が判明した。


 それは、うちの学校にいる学年1位の成績を誇る桜井鈴賀さんだった。


 桜井さんとはクラスも違い、普段は顔を合わせる機会なんてほぼほぼなかったから、外で会ったんじゃ誰か分からなかったが、今ぶつかりそうになった時に久しぶりに桜井さんを見て、思い出した。


 自販機で飲み物を買った後、クラスに戻り、今思い出したことを遥紀に話した。


「今思い出したんだけど、うちの予備校に桜井さん通ってる」

「この前行ったときに会ったのか?」

「会ったというか俺が見かけただけ。でも、知ってるかもしれないってくらいで、誰かはピンと来てなかったんだけど、今飲み物会に行く途中で会って、思い出した」

「涼風さんに匹敵するくらいの美人の桜井さんをクラスが違うからって忘れてるなんて、お前くらいだよ」


 瑞希は、学校では上品な感じで一見話しにくい雰囲気をまとってはいるが、話してみると意外としっかり会話に付き合うので、人気が高い。


 だが、桜井さんは瑞希と同じような雰囲気をまとってはいるが、瑞希とは違い、あまり会話が得意ではないような感じなので、何を言っても「そう」とか「分かりました」の最低限な言葉しか喋らないため、クラスの人もどう接していいか分かっていないらしい。


 実際さっき会ったときも、俺もそんな印象を受けた。


「でも、司の最近見てると桜井さんとも仲良くなりそうだなー」

「いや、ないって。予備校が同じなだけで話す機会もないし、話しても共通の話題がなくて、会話になんないよ」


 学校1の天才は俺なんかとは違う感性だから、どうせ俺なんかと喋ることはないはずだ。


 それに俺だって友達が少ないし、コミュ力は高い方ではないので、コミュ力が低い同士が仲良くなれるはずがない。

80話も読んでいただきありがとうございます。

今日は日付が変わる前にもう1話出します。

これからも応援よろしくお願いします。

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