疑い
前話の74話投稿直後、同じ文章が続いている部分がございました。
投稿後1時間ほどで修正は完了致しましたが、それ以前の投稿されてからすぐに読んでいただいた方、本当に申し訳ございませんでした。
「じゃあここを出て、そろそろお昼ごはんでも食べよっか」
「うん、うん、うん!」
案の定、1球も当たらないバッティングを見た所で、時刻はもうすっかりお昼時を過ぎていた。
運動するたびに他の人の2倍くらい動いていた水上さんはお腹が減ったのか、齋藤さんの提案に激しく同意した。
ダブルデートと言うこともあって、お昼ご飯を食べた後は、解散になっている。もっともここからは2人の時間に切り替わるということだろう。
「ねぇねぇ、千野君、あの2人本当に付き合ってると思う?」
「うーーん。俺達がいるから遠慮してるだけ?」
小さい声で2人が話しているのが聞こえてしまった。
まずい、疑われている。
確かに、さっきまでは俺はデートとというよりかは友達と遊んでいる感じになってしまっていた。
「ちょ、ちょっと水上さん」
「先輩どうしたんですか?」
それを聞いて俺と水上さんも小さい声で会議を始める。
「齋藤さんたちに疑われてる」
「えー!完璧だったじゃないですか!」
水上さんはあんまりそういうことに慣れていないのか自覚がないようだった。
「これからはもう少しアピールした方がいいのかもしれない」
「分かりました。頑張ります」
そう言うと、水上さんは顔を赤くしながら、手を出してきて、自然と手を繋いだ。
***
「あ、司いたよ」
「やっと見つけた!」
俺は、涼風さんから連絡を貰って、おもしろそうだから司のダブルデートとやらを尾行していた。
本当に、涼風さんときたら司のことになると周りが見えなくなっている。
「って、水上さんだけじゃないじゃん。なんだ良かった。てっきり2人だけだと思ってた」
司のやつ、涼風さんにはあんまり事情を言ってないのか。
でも、2人きりじゃないと知れば涼風さんも安心して、すぐに帰るだろう。
「って、あれ!水上さんと手つなぎだした!」
「静かに、司達に聞こえちゃうよ」
なんとまあ、最悪なタイミングでそういうことをするんだから。なんか話してたみたいだから、関係を疑われたとかだろう。
「お店に入るよ!私たちも行こう!」
すぐに終わるかと思われた尾行は継続になった。
ファミレスに入ると、仲良く話している姿が良く見えた。
「なんだか、すっごく楽しそう。まさか、これダブルデートとかじゃないよね?」
バレてるじゃん、司。
「違うんじゃない?だって、司と水上さんは付き合ってないじゃん」
「そうだけど・・・」
フォローしてやってるんだから、感謝しろよ。
「見て!あーんしてる!」
もうあっちは止まらないらしい。こっちは今にもそっちに行きそうにしてる涼風さんを止めるのに必死だよ。
そうして必死に涼風さんを止めようと奮闘していると、司と目が合う。
司はめちゃめちゃびっくりしていた。すると、涼風さんがこっちに来いと言わんばかりにジェスチャーをする。
ジェスチャーを受け入れて司は素直にこっちに来た。
「なんで、お前らがいるんだよ。だいだいなんで場所がわかるんだよ」
「この前、涼風さんから連絡されてね。これを使って尾行したんだよ」
そう言って、スマホを取り出して、その画面を司に見せた。
「それ、この前入れた位置情報共有アプリか」
クラスの友達に言われて入れてみたんだが、せっかく入れたので、司にもお願いして入れてもらったやつだ。
こんなに早く使う場面が来るとは思わなかった。
「だから、瑞希。なんかニヤニヤしてたのか」
「えへ」
にやけて返事をすると、急に真面目な顔になって司を詰問しだす。
「それで、さっき手を繋いでたよね?」
「そこから見てたのかよ。それはえっとー」
司は分かりやすく動揺した。ちゃんと事情を言わないからこうなるんだ。
しょうがない。いつも通り助けてやるか。
「人通りが多かったからはぐれないためでしょ?」
「そ、そうだよ」
「じゃあ、さっきあーんとかしてたのは?」
「水上さんの手が埋まってたからだよね」
「そ、そうだよ」
実際は全く手が埋まってなかったのだが、涼風さんはあーんしてた事実に夢中でそこまでは見てないだろう。手が埋まってたとしてもあーんしてたのは意味わからないけど。
「そうなんだ」
意味の分からない弁明に納得したようだ。涼風さんは案外天然なのかも。
そんなこんなで話していると、さっきまで司のいたテーブルに知らない男がいるのが目に入った。
「ねぇ司。あの人達知り合い?」
そう問いかけると、司は一目散に走って元居たテーブルに戻っていった。
***
早乙女先輩がトイレに行っている間に急に男の2人組から話しかけられた。
思わず怖くなって、彼氏の千野君の裾を少し掴む。
「ねぇ、君たち暇?暇なら一緒に遊ばない?」
「暇じゃないです。涼音とデート中なので」
そう言って千野君は私の身体を少し引き寄せる。
千野君がそう言うと、男たちは嫌な顔をするどころかますます笑みをこぼした。
「そっちの子たちはデート中ってことはこの子はフリーってことだよね?」
「わ、私はその、」
水ちゃんは知らない男の人に話しかけられてテンパって何も言えなくなっている。
「その子も彼氏います!離れてください!」
「彼氏なんてどこにもいないじゃん。1人じゃ寂しいでしょ。いいからこっち来なよ」
私の言葉なんか聞きもせず、水ちゃんを連れて行こうと手を伸ばした。
「何してるんですか?」
その瞬間、早乙女先輩が戻ってきて、男と水ちゃんの間に割って入った。
75話も読んでいただきありがとうございます。
次話は明日のお昼頃投稿予定です。
これからも応援よろしくお願いします。




