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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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待ち合わせ

「ねぇ、それで・・・なんて返したの?」

「ん?何の話?」


 いきなり瑞希に質問されたことに俺は心当たりがなかった。


「だから・・・その・・・水上さんの件」

「あー、あれか。瑞希もクラスにいたから聞いてただろ。勉強に付き合ってほしいって話だったって」


 別に正直に話しても良かったのだが、水上さんだって好き好んで強がって彼氏がいるなんて言ってしまったことを言いふらされたくはないだろう。


「隠すんだ。OKしたんだ。ぐすっ」

「!?」


 俺の言葉を聞くと、瑞希はなぜか悲しがって、目に潤いが増した。


「ごめんごめん。嘘だから」

「え?嘘なの?」


「いや、OKはしたんだけど・・・」

「やっぱりそうなんだ・・・」


 なんでそんなにお前は悲しがってるんだよ。俺に彼女ができたら瑞希に出ていけなんて言うと思っているのか?


「そこが嘘なんじゃなくて、勉強に付き合ってほしいってところが嘘なんだよ。ただ日曜日に水上さんのお出かけに付き合ってほしいって言われただけだよ」


 水上さんの名誉のため、彼氏彼女って部分は言わないでおいた。


「そう・・・だったんだ。告白じゃないの?」

「だから、違うって。安心しろ。今はそう簡単に彼女作る気はないから」

「あ、そうなんだ。良かった・・・」


 あれ?あんまり嬉しそうじゃない。求めていた言葉はこれじゃないのか?女子って難しい。


 すると、瑞希は突然思い立ったようにスマホを持ち上げて、何やらメッセージを打つような動作をした。


「いってらっしゃい。楽しみだね!」


 急に元気になった。なんだそのニマニマは。絶対に何か企んだだろ今。


「何を企んでる?」

「いやー何も企んでないよ?」


 やはり、こいつに言うべきではなかったかも。


***


 ピンポーン


 約束していた、日曜日の朝8時30分頃。俺の家のインターホンが鳴った。


「宅配便か?なにか頼んだっけ?」

「私出るよ」

「ありがとう」


 でも、待てよ。朝のこの時間にインターホンって宅配便にしては早すぎるな。嫌な予感がする。


 インターホンの方を見ると、瑞希がもうボタンを押して、話そうとする寸前だった。


 俺は急いで、瑞希に近づいて、もう開き始めた口を手で塞いだ。


「どちら、むぐっ・・・」

「はい、どちら様ですか?」


 突然口を塞がれた瑞希がこちらを向いて睨んでくる。しっかり画面を見てみろって、顔をクイっとして瑞希に伝える。


「先輩!来ちゃいました!」

「水上さん・・・」


 やっぱりか。昨日、待ち合わせをどこにするかを話し合っているときに俺の家を教えたからもしかしてと思ったが、やはり的中した。


「集合は駅前に9時じゃなかったっけ?」

「そうなんですけど、早く着いちゃって、先輩の家まで来ちゃいました。やっぱり迷惑でしたよね。駅に戻りますから私のことは構わずゆっくり来てください・・・」


 そんなこと言われたら、俺の心が痛む。


「あ、待って!水上さん。俺ももう行くからそこでちょっと待ってて」

「本当ですか!待ってます!」


 幸い、集合の30分前なので準備はほぼ終わっていた。


 俺はインターホンを切り、急いで家を出る準備を始めた。


「というか、なんで瑞希は起きてるんだ?今日、部活夕方からだろ?いつもお昼くらいまで寝てるじゃん」

「そんなねぼすけじゃなーい」


 いやいや、ねぼすけだよ。


「私だって早く起きる日くらいあるよ」

「それはいいんだが、なぜ瑞希もバタバタしてるんだ?出かけるのか?」


 俺が家を出る支度を始めると、瑞希までバタバタしだした。


「まあね。ちょっと行きたいところが・・・」

「そうか」


 なんだか煮え切らない返事だったが、俺はそんなことを気にしている場合ではなかったので、軽く流して支度を進める。


「じゃあ、行ってきます」

「またね。いってらっしゃい」

「? おう」


 帰ってきたらまた会うってことだよな?変なこと言うな瑞希のやつ。


「お待たせ水上さん」

「すみません。私が早く来ちゃったばっかりに早く出ないといけなくなってしまって」


 水上さんは会うないなや申し訳なさそうにしょぼんとしてしまった。 


 今日は、設定上だけど水上さんの彼氏になるんだ。


 あんまり他人行儀になっていると、向こうにバレてしまうかもしれない。そうすれば今日の努力が水の泡になってしまう。


 今のうちから練習するべきか。


「全然いいよ。俺も水上さんに早く会いたいと思ってたから」


 これくらいは彼氏彼女なら言うよな?


「・・・・・・私もです」


 ガチ照れさせてしまった。


「ごめんごめん、今日は水上さんの彼氏って設定だから彼氏ならこれくらい言うかなって思っただけなんだ」

「そ、そうですよね!私も彼女ならそういうかなって思って言っただけですよ!」


 なんだ、分かっていたのか。俺ごときの言葉で恥ずかしくなるはずないよな。逆に俺が恥ずかしくなった。


「で、でも先輩。もう一つ決めなければいけないことが」

「なにかあったっけ?」


「呼び方です」

「確かに」


 俺は水上さんと呼んでるし、水上さんは俺を先輩と呼んでいる。流石に恋人同士なら堅苦しい。


「じゃあ、下の名前で呼んで希ちゃん?」

「・・・後輩なのでちゃんはつけずに呼び捨てでいいです」

「じゃあ希?」

「・・・・・・はい。司先輩」


 そっちは先輩はつけるのね。それがいいなら俺は止めないけどね。


「大丈夫か、なんだか顔赤いけど、緊張してる?」


 設定の練習をし始めたところくらいから水上さんの顔が赤くなっている気がする。


「大丈夫です。頑張ります」


 顔の赤さって頑張ってどうにかなるものなのか?

73話も読んでいただきありがとうございます。

本当は明日投稿予定だったのですが、昨日のあとがきで評価をお願いしてから、想像以上にやっていただきまして、感謝の気持ちとして今日書き上げました。

私は皆さんの応援には絶対に裏切らないよう、頑張ります。今後もこういったことがあれば必ず応援に応えます。1人の応援は皆さんが思っているより私には大きいですよ。

これからも応援よろしくお願いします。

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