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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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一緒に

「しょうがないだろ!そんなに急に出てこられたら見たくなくても視線がそっちに向く」

「見たくないとは何事だ!」


 ダメだ。今の瑞希は気が動転していて何を言っても突っかかれる。


「もう出るんだろうから、俺は先にリビング行ってるからな」


 俺は大人しく逃げることにした。


***


「おかえり、冷静になったか?」

「うん・・・」


 数分もすると、瑞希は風呂場から出てきた。


 さっきとは違い、冷静になったようで出てきてからはソファに座って、丸くなっている。


 今日はもう夜も更けていて、日付も変わっている。


 明日も変わらず学校なので、そろそろ寝ないと明日に影響する。


 瑞希も丸くなって恥ずかしがっているので、俺はここらで退散した方がいいだろう。


「じゃあ、瑞希。俺はもう寝るから、瑞希も早く寝ろよ。明日も学校だぞ」

「・・・うん」


 そうして歯を磨いてから、俺が自分の部屋に入ろうとすると、後ろに瑞希がついてきた。


「ん?何かあるのか?」


 ごもごもと俺には聞こえない小さい声で何かを言っている。


「もうちょっと大きな声で」

「・・・一緒に寝る」

「!?」


 何を言っているのか分からなかった。


「聞き間違えたからもう1回言ってくれ」

「だーかーらー」


 瑞希は俺の部屋を開けて、俺を押し込みながら一緒に部屋に入る。


「一緒に寝るっ!」


 聞き間違いではなかった。


「どうしたんだよ。そんな急に」

「だって、1人で寝るの怖いから・・・」


 いつまで、お化け引きずってんだよ。


「あれは、映画だろ。安心しろって、現実じゃあれは出ない」

「違う。映画はちょっぴり怖かったけど、司に驚かされた方が怖かった。1人で寝るとか絶対無理!司のせい!責任取れ!」

「そんなこと言われてもなぁ」


 俺が困ったような表情を見せると、瑞希は俺の部屋をキョロキョロしだす。


「へぇ、司の部屋初めて入ったけど、意外ときれいにしてるんだ」

「瑞希とは違うからな」

「なんで私の部屋が散らかっているのを知ってる?」

「この前扉が開いてたからちらっと見えたんだよ。なんで、リビングとかは綺麗なのに、自分の部屋は綺麗にできないんだよ」

「それは乙女の秘密なの」


 どこも乙女要素ないだろ。


「司って結構漫画読むんだ。知らなかった」


 瑞希が部屋の中を見回していると、やはり、本棚が目に入ったようだ。


 俺は漫画とかアニメとか結構見たりする、いわゆるオタク気味なのだが、それを瑞希に言ったことはなかった。


 別に言ったって問題はないのだが、それがばれるとなると胸が少しドキッとした。


「まあな」

「ふーん。あ!これ、私、読みたかったやつ!借りてっていい?」

「瑞希も漫画読むのか?」


 意外だった。瑞希は遥紀と同じでそういうのに興味が全くないものだと思っていた。


「私だって。漫画くらい読みますとも。本買ってとかはしないけど、スマホでならまあまあ読んでるよ」


 隠していた俺の突っかかりは瑞希の一言で取れた気がした。


 それにしても、俺は瑞希のことを分かっていたようで、全然分かってなかった。


「そんなことはいいから、瑞希は遊んでないで、早く自分の部屋に戻れ」

「いやいや、ガチだから」


 瑞希の顔は冗談を言っているような顔ではなかった。


「ガチなら、余計にダメ」

「司のせいじゃん。1日に2度も私を驚かすのが悪い」

「1回目は瑞希が驚かそうとしたのが悪い。2回目もくだらないこと言わなかったらしなかった。よって、瑞希が悪い!」

「んーーーーーー!」


 瑞希は正論で言い返すことができないようで、だだをこねるしかなくなった。


「いいもんね。なんと言われようと私は今日一緒に寝るからね」


 そう言って、瑞希は俺のベッドに飛びついた。


 男のベッドに気軽に入るな。襲ってやろうか。


「一緒に寝るって言ったって、この部屋にはそのベッド1つしかない。まさか・・・」

「そ、そんなわけないじゃん!押し入れに布団があったからそれを使うの!」


 人のベッドに飛び込んでおいて、それくらいで照れるなら初めからやるなよ。


「これは確定事項!」


 これは俺が何を言っても動かないモードだ。


「・・・分かった」

「!じゃあ、布団持ってくるね!」


「ただし、寝るのはここじゃなくてリビングだ。俺はソファで寝る」

「なんで?ここでいいじゃん。そしたら、ベッドで寝れるんだし」


 それだけは、譲れなかった。


「それは・・・色々と・・・まずい」


 自分の部屋となれば勝手が違う。

 俺の理性が保てる保証がない。


「・・・分かった」


 瑞希は俺の事情を察したのか、それとも俺が真剣な様子だったからか、頷いてくれた。


「意外とソファでも、寝れるな」

「そうなの?やっぱり司の部屋で・・・」

「それはダメ」

「あ、はい」


 俺と瑞希は今日はお互いにバイトがあったし、その後も色んな事があって、2人とも眠くなっていた。今日はベッドに入るとすぐに眠れると思っていた。


 なのに!この状況になって全然眠れない!


「ねえ、司?」

「どうした?」


 とっくに寝ているかと思っていた瑞希から急に話しかけられる。


「良かったね。この生活はまだ続けられそうで」

「そうだな」


 さっきは俺の脅かしでこの話が中断してしまったから、その続きというわけか。


「私嬉しかったなぁ。司のご両親に何を言われても司は説得してやるって顔してくれて」

「うっさい。そんな顔してない。あの時、反対されてたら言い返せなかったかもなぁ」

「私の感動かえして」


 こいつ、俺のことよく見すぎだろ。図星をつかれて、思わず否定してしまった。


「でも、私もこの生活続いて良かったと思うよ。この生活なら一生続けた・・・」


 言葉はそこで止まったが、一生ということはそういうことなのか?


「瑞希、俺も・・・」


 気づいたら口がそこまで動いていた。だが、何とかそこで止まったのは瑞希の反応が全くなくなったからだ。


「瑞希?」

「すぅ・・・」


 瑞希は寝ているようだった。


 はぁー危なかった。瑞希のあの言葉は半分寝言みたいなものだったのに、俺は信じて、思わず口が滑りそうになった。


 その後、俺は何とか寝ようとしたのだが、瑞希のあの言葉が気になって眠れなかった。


***


 翌日、教室にて。


「司、なんか眠そうじゃない?」

「昨日眠れなくってな」


「涼風さん、なんだかいつもと様子が違くない?」

「すみません。昨日就寝するのが少々遅くなってしまっただけですよ」

71話も読んでいただきありがとうございます。

もう寒くなって、季節はすっかり冬になってきたんじゃないでしょうか。

司たちにもこれから冬が訪れます。どんな展開になるのかご期待ください!

これからも応援よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
そろそろマッサージ店で新たな美少女キャラ導入のタイミングじゃないですかねぇ(^q^)グフフ
大好きです
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