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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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ドキドキ

 その後もしばらく見ていて、瑞希が怖いシーンではないと油断していると、いきなり驚かすシーンが出てきた。


「きゃあ!」


 驚いた拍子に俺にぶつかって、そのままもたれかかってきた。


「おい、ビビりまくってじゃねえか」

「そんなことない。ただびっくりしただけ」


 それがビビってるって言うんだよ。


 瑞希が驚いた拍子に俺に当たったのは偶然だろうが、いつになっても俺から離れようとしない。


「おい、もう怖いシーン過ぎただろ。寄りかかってくるんじゃない」

「なんか、こうしてると落ち着く」


 落ち着くじゃない。俺はそうされてから全然落ち着かない。


「・・・もう少しこのままで見るね」


 そんなか細い声で言われたら、断れないじゃないか。


 俺は、この瞬間から見終わるまで、ホラー映画とは違うドキドキを味わうことになった。


***


「はぁ、やっと終わった」


 映画は90分のそこまで長いものではなかったため、ありがたいことに寄りかかられてからは意外とすぐに終わった。


「私はあんまり怖くなかったかな」


 あんだけやって、まだそんなことを言う元気があるのか。口を縫ってやりたい。


「司は怖かったんでしょ?」

「そんなこと・・・」

「嘘つかなくていいって。だって、心臓バクバクしてるのがこっちにも伝わってきたよ?」


 まずい。寄りかかられて、動揺していた心臓の鼓動が伝わってしまっていた。


 それは、怖かったんじゃなくてお前が寄りかかってきたからだよと言ってやりたいが、そういうわけにもいかない。


「・・・まぁそうだな」


 俺は仕方なく肯定するしか道はなかった。


「じゃあ、映画も見終わったし、瑞希もそろそろ動けるだろ?ちゃっちゃと風呂に入って来い」

「・・・そうしたいのは山々なんだけど、怖くはないんだけど、なんか心細いから、お風呂の扉にいてくれない?」


 だからあれほど言ったのに。


「やだ。映画見る前に俺は知らないって言ったからな」

「そんなこと言わずにさー頼むよー。そうじゃなきゃ私今日お風呂入れない」


 それにまだこいつ、自分が怖がっているって認めていない。


「瑞希があの映画は怖かったって認めるなら考えてやる」

「それは・・・怖くなかったけど」

「じゃあ、1人で行けるな。じゃあ俺は寝るから」

「あ、待って!分かった。怖ったです・・・」


 脅したらようやく、自分が怖がっていることを認めた。


「しょうがないな、早くしろよ」


 扉で瑞希の姿なんて見えないから平気だと思っていたが、この扉1枚向こうに服も着ていない瑞希がいるかと思うと全然落ち着かない。


「司―しっかりいるー?」

「だからいるってば」


 さっきから俺は動かないって言ってるのに瑞希が時々聞いてくる。


「・・・そういえばよかったね。司のご両親も私たちのこと認めてくれて。私てっきり、ダメって言われるものだと思ってた」

「そうだな」


 瑞希のお母さんと違って、俺の両親はすんなりこの状況を認めた。ただ単に俺の親が適当なだけな気もするが。


「瑞希―まだかー?」

「もう全部洗い終わったからもうすぐ出るよー」


 お風呂に入ってからもう30分くらい経過しそうだ。俺は風呂はちゃちゃっと入るため、15分かからないくらいで出るのだが、女子の入浴時間はやはり長い。


 俺は、30分くらい待たされてきて、飽きてきた。


「それにしても、司のご両親が許してくれたのは私のおかげかな」

「?どういうことだ?」


 そういえば、俺の両親と瑞希がマンションのロビーで会ったとき、俺は初対面だと思っていたが、父さんはクラスで会ったとか言ってたな。


「文化祭でうちのクラスに司のご両親が来たんだよ。私その時、フルーツ飴持って行ったんだよ。私の可愛さでノックアウトしちゃったのかな?」


 なんだかムカついてきた。


 瑞希のわがままでこんだけ待たされて、その上そんなわけもないことを言いやがって。


 俺は瑞希にお灸を据えることにした。


 俺は浴室の電気を消した。

「え、やばいやばい。勝手に浴室の電気が消えた。瑞希大丈夫か!」


 俺は、焦った感じを出して、瑞希をいたずらをしてみた。


「ひゃあああ!助けてー!」


 俺の目論見通り、瑞希はすごく焦った声を出した。


 瑞希もビビってるようだし、そろそろ電気つけてやるかと思った瞬間、扉が開く音がして、振り返るとそこには瑞希が急いで浴室から出てきていた。


「なんで!?電気が勝手に消えるの!?もしかして本当にさっき見たおばけが・・・」

「落ち着け、俺がやっただけだから」


 俺は急いで顔をそらして、答えた。


「あ、そうなんだ。お化けじゃないんだ、良かった・・・・・・ってじゃなーい!なんでそんないじわるするの!」

「だって、わけわからないこと言うし、30分も待たされて暇だったから。それに電気消したくらいでそんなに驚くとは思わなかった」


 瑞希の方を向いてなくても、瑞希がプンプン怒ってるのがまるわかりだった。


「なんで、そっぽ向いてるの?ちゃんとこっち見て謝りなさい」


 瑞希は必死すぎて、今の状況を分かっていないようだった。


「いや・・・そっち向くのはまずいだろ」

「なんで?・・・あ、っ!~~~~~」


 ようやく我に返ったのか、急いで浴室に戻り、勢いよく扉がバンと閉められた。


「・・・見た?」

「・・・ちらっと」

「バカーーーーーー!」

70話も読んでいただきありがとうございます。

1話くらいで終わると思っていたハロウィン回ですが、書いてみると意外と長くなりました。もう少しだけお付き合いください。

これからも応援よろしくお願いします。

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