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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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ハロウィン

「むぅー司つまんないのー。驚いてくれたっていいじゃん」

「それは瑞希のガチさが足んないからだ。それで、なんで今日そんなことしてるんだよハロウィンまでまだまだだぞ」


 文化祭は10月の19,20日で開催され、今日はその20日だ。ハロウィンまでは2週間弱ある。


「今日、文化祭でお化け屋敷やった子がもう使わないって言って、この衣装をくれたんだ。ハロウィンも近いなーって思ってどうせだから脅かしてみようと思ったのに、司つまんないのー。本番はもっと盛大にやって、驚かしてあげるからね」


「本番もやろうとすんな。というかさっさと風呂入って来い」

「はーい」


 瑞希はつまんなそうに風呂に入りに行く。


「あっぶなかったー」


 何とか平静を装ってはいたが、俺の心臓は鼓動ではちきれそうな寸前だった。あれはずるいだろう。


***


「昨日通りがかったけど、お前のバイト先もハロウィン一色になってたな」


 俺のバイト先の前を通りがかったらしい、遥紀が放課後、俺に話しかけてきた。


「そうなんだよ。店長が張り切っちゃって、店内もハロウィン一色で。今年なんか従業員は仮装しようなんて言ってるんだぜ」

「いいじゃん。めちゃくちゃ楽しそう」


「お前と一緒にするな。だいたい仮装するって言ったって、衣装も持ってないし」

「それなら俺が持ってるから貸してやろうか?この前の文化祭でお化け屋敷やった奴からたくさんもらったんだよ」


「お前もかよ・・・」


***


 そうして迎えた10月31日ハロウィン当日の放課後。


「これ言ってたやつやるよ」

「サンキュ」


 遥紀から紙袋に入った衣装を貰った俺は一度中身を取り出し、衣装を見てみる。


「おいこれガチすぎる奴じゃねえか。謎に血のりも入ってるし」

「それくらいガチな方がお客さんだって喜ぶんじゃないのか?」


「そんなわけないだろ。お客さんビビッて帰っちゃうよ」

「せっかく持ってきてやったんだからそんなこと言うなよ。まあじゃあ、どうせそう言うと思ってもう1個持ってきたやつ。ほい」

「それがあるなら先に出せ」


 中を見ると、今度は一般的なドラキュラの衣装だった。


「これなら大丈夫か。サンキューな」

「これも一応持っとけよ」


 そう言って遥紀はさっき渡したガチのすぎる衣装を渡してきた。


「だから、これはいらないって」

「まあ持っとけよ。人生何があるか分からないぞ」


 遥紀は衣装を俺に託して、席を立ってしまった。

 俺は、仕方なく、2つの衣装を鞄に入れて、遥紀の後を追う。


 遥紀の後を追って、教室から出るとばったり、水上さんに遭遇した。


「わ!先輩方ちょうど良かった。トリックオアトリート!お菓子くれなきゃいたずらしちゃいますよ!」

「それを言うためにわざわざこっちの階まで?」

「そうです!じゃなくて、おかしください!」

「お菓子なんて持ってないけど・・・」


 水上さんは驚愕した顔を浮かべる。


「え!お菓子持ってないんですか?今日ハロウィンですよ?正気ですか?」


 そんなハロウィンはお菓子持ってないといけないなんてルールないだろ。


「みんなお菓子なんて持ってきてないよ。だよな遥紀?」

「俺は持ってるよ。はいどーぞ」


 お前はなんで持ってるんだよ。


「ほら!黒瀬先輩は持ってるじゃないですか!」

「いや、遥紀が特殊なだけだから」


 1人のイレギュラーのせいで、俺が変な奴みたいになっちゃったじゃねえか。


「お菓子くれないってことはいたずらしちゃいますからね!」

「いたずらってどんな?」


 水上さんはそう言われると、急いで考え出す。


「・・・くすぐるとか?」


 考えてなかったのかよ。


「そんなことしてないで帰りな。俺もバイトだからもう帰るよ」

「そんなこととは何ですか!あ、斎藤さん」


 そんなことをしていたら水上さんの友達の斎藤さんがわざわざお迎えに来てくれたようで、むぅーって顔をしながら齋藤さんと一緒に帰っていった。


「司、はいこれ」

「ん?」


 差し出された手を見てみると、お菓子があった。


「なにこれ?」

「これから、ハロウィンまみれのバイト先行くんだろ?それならお菓子の1つくらい持っていったらどうだ?」

「まあ確かに」


 さっきみたいなことがあるかもしれないから、ここは素直に受け取っておいた。


***


「店長、おはようございます」

「おはよう、早乙女君。ん?それ仮装の服?自分で持ってきてくれたの?こっちで用意してたのに。積極的だね」

「あははは」


 そういうことなら早く言ってほしかった。それなら遥紀に衣装を借りなくて済んだのに。


 受付を通り、スタッフルームの扉を開けた。


「Trick or Treat!お菓子くれなきゃいたずらしちゃうぞ!」

「・・・おはようございます。美琴先輩」

「あれ?反応が薄い」


 そりゃ、最近でこのフレーズ聞くの3度目ですからね。


「慣れですよ。はい、これ」


 俺は先ほど、遥紀から渡されたお菓子を美琴先輩に渡した。ありがとう遥紀。


「お菓子持ってるんだ。いたずらしたかったのに」


 先輩のしたかったいたずらというものが何なのかとても気になった。

やっぱりありがとうじゃないかも遥紀。

68話も読んでいただきありがとうございます。

本当は10月31日にこの話を出したかった。

これからも応援よろしくお願いします。

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