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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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「久しぶり、司君」

「瑞希さんから招待状を貰ったんですか?」


 瑞希の母親である涼風真由美さんが文化祭に来ていた。だが、真由美さんは肺炎を患ったことがあり、今は鳥取にある祖母の家にいるはずだった。


「そうよ。瑞希からは来なくていいって言われたけど、こういう機会じゃないと会えないしね。瑞希は元気にしてる?」

「はい、元気ですよ。元気すぎるくらいです。」


 そこで、俺は大事なことに気づいた。すぐ横に水上さんがいることに。


 俺と瑞希に親絡みの何かしらの接点があることに気づかれた。だが、これ以上は本当に聞かれたらまずいことかもしれないので、水上さんに目配せすると、勘のいい水上さんは気まずい空気を悟ったのか少し離れて、会話が聞こえないところまで下がってくれた。


「ふふっ、ならよかった。あの時は言えなかったけど、今となってはあの選択は正しかったかもしれないと思っているのよ」

「え!」


 あんなに頑なに瑞希と俺の同居を反対していた真由美さんの口から驚きの発言が寄せられてた。


「病室で初めて会ったとき、私がいなくてもっと大変そうにしているのかと思ったけど、そんなことはなくて楽しそうだったわ。私がいなくても、楽しく友達とやれているのだと思ってたのだけれど、考えてみればあなたが一緒に住んでいるからだったのね。ありがとう」


「お礼なんてとんでもないです。今日はどこに泊まるんですか?よろしければ家に来ませんか?瑞希さんだっていますし、久しぶりに家族でっていうのも」

「それは魅力的だけど、こっちに長居するつもりではなくて、瑞希を見たらすぐに鳥取に帰る予定よ」

「分かりました。瑞希さんなら、今ちょうど教室で出し物の従業員をやってると思うので、行けば会えますよ」

「ありがとう。行ってみるわ」


 そうして真由美さんの背中を見送った後、すぐに水上さんのところまで行く。


「先輩・・・」


 水上さんは俺のことをジーっと見てくる。 


「え、えーっと」


 どう誤魔化したものか。俺と瑞希の接点は知っちゃったわけだが、同居のことまでは移動してもらったので聞こえてないはず。ただの友達と誤魔化すしかないか。


「・・・瑞希さんっていう人とも知り合いなんですか?お名前的に女性ですよね。この文化祭にお母さんが来ているってことは瑞希さんもこの学校の生徒というわけですか。お母さん絡みっていうことは相当瑞希さんと仲いいってことですよね?誰ですか!教えてください!」


 助かった。幸運なことに水上さんは瑞希が誰のことを言っているのか知らないみたいだった。


 瑞希を下の名前で呼ぶ人は俺以外にはいない。(俺も公には言わないが)


 涼風という名前はこの学校にいれば誰もが知っているが、呼ぶ人がいなさ過ぎて下の名前はそこまで広まっていない。同級生なら知っているかもしれないが、先輩の下の名前までは知らないのが当たり前だ。


「ふぅー。ただの知り合いみたいなもんだよ」


 俺は安心して、一息ついて嘘とも言い切れない言葉で誤魔化した。


「ふぅーって何ですか!何を安心したんですか説明してください!」

「ほらほら、早くしないとステージ始まっちゃうよ」

「あ、待ってください!」


***


 いきなり、抱きつくなんてやりすぎたかな。はしたないとか思われたらどうしよう。


 知らない人に手を掴まれて、頭が真っ白になっているところに司が来てくれて、あんな言葉まで言われたらつい、抱きついちゃった。



 さっきの行動を冷静に見直したら相当やばいことをやってしまった気がする。思い出すだけで顔が真っ赤になってそうなくらい、熱を持つ。


 でも気にしてもしょうがない。やっちゃったものはもう戻らない。せっかく戻ったんだし今は仕事に集中しよ。


「涼風さん、これ5卓に持って行ってもらえる?」

「分かりました」


 そう言われ、5卓の方に移動しながら顔を向けると、両親らしき2人が座っていて、話し声が聞こえてきた。


「あーやっぱり我が息子がもういない。会議なんてやらずに来ればよかった」

「だめです。あれは会議のせいじゃなくて道が渋滞してたからです」


 見るからにお金持ちそうで、それでいて、2人には品がすごくあった。


「お待たせしました。こちらイチゴ飴とマスカット飴です」

「ありが・・・。君すごくかわいいね。うちの妻の次に可愛い。どうかな、うちの息子と同じクラスなんだしうちの息子も結構優良物件だと思うんだけど」

「え!えっ・・・」


 容姿について褒められることはあったが、うちの息子を、なんて言われたことはなかったので、私はテンパってしまった。

 その瞬間、隣にいた綺麗な女性が見事な腹パンを男性に繰り出す。


「こらっ。初対面の女性にそんなこと言ってはダメでしょ。困ってるじゃない。ごめんね、この人の言ってることは気にしなくていいよ。お仕事に戻ってね」


「ぐふっ、ナイスパンチ。ごめんよ、綺麗な女性。あなたがあまりに・・・」

「それ以上言ったらもう一発ですよ」

「ごめんなさい」

「ああ、いえ。私はこれで」


 上品さを身にまとってはいたが、賑やかな2人だった。


 それにしても、誰の両親なんだろう?うちの男子でそんなにお金持ちっていたっけ?

62話も読んでいただきありがとうございます。

皆様の応援のおかげで50万pv・5000ptを達成することができました。

本当にありがとうございます。

感謝の気持ちとして、今日10/28はあと3話(65話まで)投稿致します。(実はストックゼロです。間に合うように頑張ります。)

これからも応援よろしくお願いします。




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― 新着の感想 ―
あぁここまででたことない主人公の両親かな?
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