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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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文化祭初日

 クラスの前の行列を見て、慌てて新しいフルーツ飴を作り出す。


 フルーツ飴って文化祭始まってすぐ買うやつだっけ?そんなみんなフルーツ飴好きなの?


 どうせ、ここに並んでいる生徒はほぼほぼ瑞希目当てだろ。瑞希が可愛い衣装で給仕してくれるとしたら人気になるのも頷けるが、ここまでとは思っていなかった。流石瑞希パワー。


 そうこうしていると、時刻は10時になり、文化祭の始まりを知らせるチャイムが鳴った。


「いらっしゃませー」


 遥紀が元気よくクラスの扉を開け、いよいよお店がオープンした。


 フルーツ飴を持って校内を回るのか、ここにあるテーブルで食べるのか選択できるが、最初に入ってくる生徒はみなテーブルで食べることを選ぶ。


 文化祭始まったばっかだよ。ここでフルーツ飴なんて優雅に食べてないで校内見て回って来い。


 それもそのはず、役割はローテーションされるが、瑞希が1番最初の業務はテーブルで食べている人にフルーツ飴を持っていくことだ。ここで食べずに持ち運びする人には瑞希と接触する機会がない。


 おかげさまで、文化祭が始まって10分くらいでテーブルは全員埋まってしまい、持ち運びする人限定に売ることになってしまった。


「おまえやばいな、こんだけ来るのか」


 ちょうど通りかがった瑞希に小声で言う。


「今頃知ったの?まあこんなもんじゃないけどね」


 決め顔で煽ってくる。事実だけど、うぜえ。


「何々やっぱり気になるの?」


 一緒にレジをしている遥紀に話しかけられる。


「そんなんじゃねえから」

「またまたーさっきから涼風さんのことじっーと見てるし、涼風さんは俺のもんだからあんま見てんじゃねえぞってことですか?」

「全然違う。瑞希くらい人気ならなんか良からぬことがありそうだなって」

「実際あると思うよ」


 冗談のつもりで返したつもりが、遥紀は少し真面目に返答してきた。


「クラスの中には注意事項としてルールを貼ってるし、入店の際にも説明はするけど、それを破って連絡先聞こうとしてくるやつなんていっぱいいると思うし、もしかしたらそれ以上のことだってとは思ってるよ。もちろんそういうやつがいたらクラス全員で守るつもりだけど、それが起きたら一番に誰が守るのかは分かってるよね?」


 遥紀は少しからかうような顔をこちらに向けてくる。


「いや、俺が行ったら不自然だろ。それに、そういうことが起きるとも限らないし」

「ふーん」


 遥紀は俺の回答を聞いても、がっかりしたりせず楽しそうにしていた。


 それからのフルーツ飴も大人気で、俺たちのシフトの時間が終わるまでお客さんの足が断つことはなかった。


「やばい、これ人気すぎて人足りないかも。これからシフト交代だけど、交代した瞬間にこんなに満席だったらパンクするよな」

「確かに」


 俺たちの時はまだ徐々にお客さんが来たからセーフだったもののの(めちゃくちゃテンパったけど)これからシフト交代したら、何がなにか分からなくなるだろう。


「司、頼む!俺ももうちょっと残るから司ももうちょっとやってくれない?」

「しょうがないな」

「ありがとう、流石我が友!」


 どうせ、遥紀と一緒に文化祭回る予定だったし、その遥紀が残るならしょうがない。それに、これからは瑞希がシフト交代でいなくなる。そうしたらお客さんも緩やかになるだろう。


 瑞希をチラッと見てみると、前に一緒に学校説明会をやった室井さんと教室を出ているのが見えた。


「あぁー疲れた。やっと文化祭回れる」

「案外長くやっちまったな」


 あれからも、お客さんはぞろぞろと来て、追加で1時間もやってしまった。


 シフト中に特に重大なルール違反も見つかることなく、俺の心配は今日は杞憂に終わった。


 それから、お昼を食べると、時刻は13時半。今日の文化祭終了まであと1時間半しかない。

 ダンス部のステージや他のクラスを数クラス回ると、すぐに15時を回ってしまい、文化祭初日は終了した。


 まだまだ見ていない部分はいっぱいあったが、文化祭は明日もある。なにより明日の文化祭が本番ということもある。


 時間は今日より2時間長いし、明日は日曜日なので外部の人も今日以上に来るだろうし、主要なステージは明日開催される。


 文化祭が終わり、教室に戻ると売り物のフルーツ飴は全てなくなっていた。


「売り切れたの?」

「今日の分は完売。それも2時くらいには全部なくなって閉店してたぞ」

「まじか」


 瑞希ブーストも考慮して、たくさん仕入れたはずなのだが、それもなくなるとは。

 明日の分は今日より多く確保してるが、これじゃあ終了時間を待たずに終わりそうだな。


 それから今日の改善点を出し合って、今日は解散となった。


***


「むぅふー」

「なんだよ」

「すごいでしょ私。あんなにお客さん来たんだよ。私のおかげだね」


 家に帰ると、瑞希が今日のことで一生自慢してくる。


「何度目だよ。瑞希目立ての客なんて数パーセントだよ」

「絶対嘘!みーんな私目当てだよ」


 こいつの辞書に謙虚という文字はないらしい。実際ほぼほぼの客は瑞希目当てだったが。


「じゃあ、俺もうバイト行く」

「えー待って、もう少し私の話聞いてよ」


 これ以上家にいても延々瑞希の自慢話を聞かされそうなので、少し早かったが俺はバイトに出かけた。

57話も読んでいただきありがとうございます。

ここまで文化祭は序章。文化祭2日目が本番です!あのキャラも出るかも?

これからも応援よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
そろそろ動きありそうですかね…? 楽しみにしています。
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