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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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文化祭

「え、どういう関係と申しますと?」

「そのまんまですけど?」


 あれ?なんだかすごくご立腹の様子?


「いや、ただの後輩だよ?」

「ただの後輩は新学期早々先輩のクラスまで来たりはしない。ましてや誰にも関わろうとしない水上希だよ?」


 いや、用事があったら来るでしょ。まあ今回の場合はさして用事なんかなかったけど。

 それにしても、第三者から見ると水上希という人物はそのように映るのか。思い込みというのはなんとも怖いものだ。


「司、あの子と箱根で会ってたよね?」

「まあ、そうだけど」


 遥紀だけじゃなくて、瑞希も気づいていたのか。もしかして気づかなかった俺って、相当やばい?


「何?ロープウェイ一緒に乗ったあの短時間でそこまで仲良くなるもんなの?なに司ホストやってた?それとも何か弱みでも握ったの?」


 仲良くなっただけで、言われすぎだろ。


 本当はそれの他に旅行中にあと2回会ったのだが、それはなぜか遥紀に言わない方がいいと言われたので、言うわけにはいかない・


「いやいや、あの時話して偶然同じ学校ってことが分かったから確認しに来ただけだって」

「ほんとー?」


 疑っているが、これ以上証拠もないのに俺を詰めることはできないだろう。これからはなるべく瑞希にバレないように水上さんに会う必要があるな。


 ピコン


 その瞬間、テーブルに表向きに置いてあったスマホがメッセージの受け取りを示す着信音をならす。


 俺と瑞希は突然鳴ったスマートフォンに目を向ける。


『先輩、今日はありがとうございました。今度は


 スマホのホーム画面に表示された文字はそこで字数制限を迎え、それ以上は表示されていなかった。


 はい、終わった。せっかくこれで誤魔化せそうだったのに、このメッセージは確実に瑞希も見ただろうし、絶対に誤魔化せなくなった。

 あの時、連絡先交換なんてしなければ良かった。


「えーっとですね、瑞希さん、これは・・・」

「これは?なにかな?司くん?」


 とっても怖い。今すぐ逃げ出したくなるくらいに。


「何が確認しに来ただけだって?次の約束してるみたいだけど?それに今度は何をするんでしょうね?」


 もう降参です。

 こうなったら、無断だけど水上さんの事情を言うしかない。そもそも、口止めされているわけじゃないし、こうなったのも水上さんのせいなんだからそれくらい許してほしいものである。


「実は・・・」


「・・・なるほどね。というかあの旅行で3回も会うなんて、司待ち伏せしてたんじゃないでしょうね?」

「そんなことするか」

「じゃあ、私も手伝ってあげる」


 その手があったか。なにも俺1人でやることはない。要は水上さんが普通に話している姿を見せつければいいんだ。

 瑞希と水上さんが話せば女子同士だし、同じ美少女だし、変な噂がたつことはない。


「その手があったか!」

「普通思いつくでしょ。司不器用すぎ」


 その通り過ぎて、何も言い返せないのが悔しい。


***


「はい、今日のロングホームルームではいよいよ来月にある文化祭について、何の店をやるか決めるぞー、じゃあこれからは黒瀬に代わるぞ」

「はい、先生」


 遥紀は文化祭の実行委員だ。楽しい系が大好きな遥紀にもってこいの役職だ。


「じゃあ、みんな何のお店をやりたいか意見ある人―」


 クラスのそこら中から手が挙がり、いろんな意見が出される。


「・・・うーん、今出してもらった意見の中で実現性があるものだと・・・お化け屋敷、縁日、カジノ、射的、脱出ゲーム、焼きそば、フランクフルト、ポップコーン、タピオカ、くらいか。うーん、いいんだけどなんか、どれも文化祭で見たことあるようなやつばっかりだし、華やかじゃないな・・・」

「じゃあ、遥紀も案出してみろよー」


 これまでの意見にあまり好感触を示してない遥紀は多くのクラスメイトから意見を求められた。


「じゃあ・・・どうしようかな。これなんてどうだ?フルーツ飴」

「それって、りんご飴みたいなやつ?」

「そうそう。だけど、りんごだけじゃなくていちごとかぶどうとかいろんなフルーツの飴を作るんだよ。作るのもそれほど難しくないし、それなら、屋台とかは見るけど、文化祭ではあんまり見ないし、なにより映えるだろ?」

「いいねー」「それいいと思う」


 主に女子達から賛成の声あがる。やはり、女子は映えに敏感なのだろう。

 だが、男子は少し物足りないようだった。確かに男子高校生がフルーツ飴を作って、販売するなんて少し照れくさい。


「あれ?あんま男子が賛成してくれなさそうだぞ?じゃあ・・・全員カフェの衣装でやる!」

「いいなーーー!」「それでいこう」


 男子が一斉に勢いを取り戻す。きっと、瑞希のカフェ店員の衣装が見たいんだろう。なんとも単純な生き物だろうか。自分も含め悲しくなってくる。


 そうして、文化祭の店は喫茶店がコンセプトのフルーツ飴に決まった。


「ほんっとごめん!」


 放課後、俺の家に来た遥紀は瑞希に謝っていた。

 実は、りんご飴という案は遥紀が考えたものではなくて、事前に瑞希が考えた案だったのだ。だが、瑞希は学校での性格上、こういうところで意見を言うタイプではない。なので、遥紀に代わりに意見を出してもらう算段になっていた。

 それを自然な形で流れを作り、自分の意見に賛成してもらえるようにに持っていくとは本当に恐ろしいものだ。


 だが、りんご飴は瑞希が考えたが、衣装については完全に遥紀のオリジナルだった。


「ああでも言わなきゃ、男子たちから不満が出ると思ったんだよ。ごめん!」

「もういいよ、どうせ減るもんじゃないし、美少女瑞希ちゃんをみんなに見せてやるとするか」


 それ、見せる側が言うんだ。

 最初は少し不満そうだったが、今更変えられるわけでもないことを悟って、瑞希は楽しみだした。


 良かった。まあ俺だって、見れることなら見たいよ。瑞希の衣装姿。


「だって、司のカフェ衣装も見れるしね」

「え?俺らも着るの?」

54話も読んでいただきありがとうございます。

1時間間に合いませんでした。でも、諦めずに投稿したから許してください。

いよいよ、文化祭編に突入です。

これからも応援よろしくお願いします。

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