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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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新学期

「じゃあ、そろそろ帰るか」


 時刻も18時ごろになってきたとき、遥紀がそう言った。


 遥紀はお昼ご飯を食べた後に少し勉強をすると、宿題が終わり、俺と遥紀と玖美ちゃんの3人でパーティーゲームにいそしんでいた。


 当然、瑞希もゲームに入りにくるが、ゲームを始めたらマジで宿題が終わらなそうなので、そのたび俺が全力で阻止した。


「えーーー、玖美ちゃん帰っちゃうのー、私ももう少しで宿題終わるから待っててよー、一緒にゲームしたいよーーー」

「いや、この量なら終わるまでにあと2時間くらいはかかるじゃねえか」

「でももう終わりそうだから、今ちょっとくらい遊んでいい?」

「だめ」


 俺が休憩なしでやらせたのと、瑞希の本来の頭の良さで宿題はようやく終わりの兆しを見せてきた。だが、ここで遊ぶのを許可すると、遊んだ後もグダグダしてまた宿題をやらなくなる。こういうのは一度始めたのをやめないのが肝心なんだ。


「また来ますから、涼風さんは勉強頑張ってください」

「また来てくれるの?約束だよ」

「はい。もちろんです」


 そうして、遥紀と玖美ちゃんは帰る支度を始める。


「私も見送るー」


 遥紀が帰るため、玄関の方に向かうと、瑞希も席から立ち、玄関の方に向かった。


 まあ、3時間ほど宿題をしていたし、ゲームはともかく見送りくらいはいいかと思い、俺は何も言わなかった。


「司さん、今日はありがとうございました」


 2人が玄関に向かい、リビングには俺と玖美ちゃんしかいなくなった時、玖美ちゃんが俺に話しかけてくる。


「ああ、うん」

「今日はすみませんでした。司さんに久しぶりに会ったらちょっと取り乱しちゃって、司さんに無理なお願いいっぱいしちゃいました。ごめんなさい」


 玖美ちゃんはすごく反省したような顔を浮かべて、俺に謝る。


 中学3年生なんて、間違いばっかり起こして当然だろう。今回のお願いは俺しか迷惑をこうむってないし、本人も反省しているようだから、全然かわいいものだ。


 俺はまた俺の知ってるいい子の玖美ちゃんに戻ると思い、ほっとした。


「うん、俺も久しぶりに玖美ちゃんとちゃんと喋れて楽しかったから大丈夫。でも、これからはあんなお願いしちゃだめだよ」

「許してくれるんですか?」

「うん」

「やったー」


 あれ?俺としてはもうちょっと反省を引きづって欲しかったんだが、俺の許しを得ると、とたんに元気になる。


「玖美―何してんだー?早くこーい」


 いつまで玄関の方に来ない玖美ちゃんを急かす遥紀の声が聞こえてくる。


「はーい。今行きます」


 俺は玖美ちゃんよりも玄関に近い方に位置していたため、玖美ちゃんに背を向けて、俺も玄関に向かおうとする。


「待ってください」

「ん?」


「お願いがあります」


 すごく嫌な予感がした。もしかしたら反省してなかったのか?


「私と連絡先を交換してほしいです」

「・・・」


 反省していなかったと少し怒る気持ちとまたきつめのお願いをされるのかと身構えていた俺へのお願いはさっきのお願いしたと同一人物とは思えないほどかわいいお願いだった。


「やっぱり、あんなことした私と交換なんてしてくれないですよね」

「!ああ、ごめんごめん。そういうことじゃないんだ。またさっきみたいなお願いが来ると思って、びっくりしてただけ。全然いいよ」


 それから、連絡先の交換を終えた後、やっと玄関に行こうと歩き出した時、


「これからも私のささいなお願いを聞いてもらいますよ?司さん?」

「ん?」


 そう俺の背後から言い放って、俺を抜かして小走りで玄関に向かう。


 やりすぎたって反省したら、もうお願いをするのをやめるのではなくて、次はもう少し軽いお願いを聞いてもらおうということか。


 あれくらいのお願いなら別に脅されなくても聞くからそれならいいのか?

 でもちょっと違うよ玖美ちゃーーーん。


 玄関で見送りを済ませ、遥紀達が出ていった玄関の扉がガチャっと閉まる。


「やっぱり、玖美ちゃんはいい子だね!」

「うーん、そうだね?」


***


「涼風さん、しっかり宿題終わらせたんだな」


 夏休みが終了し、新学期が始まった。

 クラスメイトは終わってしまった夏休みと、始まってしまった学校に浮かない顔をしていた。

 

 そんな中、瑞希は今まで通りの凛々しい顔で宿題を提出していた。


「あの後も、あと少しなのにやらなくて大変だったよ」


 あの背景を知っちゃうと、この顔も見え方が変わってくるな。

 昨日、あれだけ学校いやいや言ってたのによくそんな顔できるな。


 今日は始業式とHRだけなので、学校はこれで放課後になった。


「よし、遥紀、今日帰り、昼飯ラーメン食って帰ろうぜ」

「いいね、駅前のところでいい?」


 俺は今日1日ラーメンの気分でやっとそれが食べられることに胸を膨らませていた。


「すみませーん、司先輩いますか?」


 声が聞こえ、その方向に顔を向けると、そこには夏休みで偶然出会った後輩、水上希の姿があった。


 いや、来てもいいとは言ったけど、まだ新学期始まって1日目だよ?


 まだ、HRが終わったばっかでクラスには多くの人が残っていた。その視線が水上希に向けられたあと、その言葉を聞くと一斉に俺に向いた。


 やばい、やっぱり今日ラーメンいらんかも。

52話も読んでいただきありがとうございます。

昨日は投稿せずに申し訳ございません。昨日から順次、過去のエピソードのフォーマットを今のフォーマットに変更しています。(内容の修正も)

以前より、読みやすくなっているので、もし良かったら過去のエピソードを読み直してみてください。

これからも応援よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
美玖 なのか 玖美 なのかどっちなんです…… 前話では誤字報告で括弧付けされたのを受け入れちゃったような箇所が多数有りますし……
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