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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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43/148

花と月

「まあそうなんだけどね。一応納めとこうかなーって」

「なんじゃそりゃ」

「いいでしょ。それよりいよいよ天守閣の方行こうよ」

「しゃーないな。今度は先行くなよ」


願いごと 努力の末叶う

学業 順調

旅行 行くが良し

病気 すぐに治る

仕事 好きなことをやるが良し

恋愛 ()()()()ある


それから俺たちは天守閣に行ったり、すぐに飽きた瑞希と遥紀は忍者の体験型施設に行きたいと言い出したり、旅行2日目の午前中は小田原城を満喫した。


「んっーーおいしー」


俺たちは小田原城を一通り見た後、お昼時になったため城内にある食事処でそばやうどんを食べている。


「これからどうするか?」


実は事前に計画したプランはここまでになる。あまり予定に縛られたくないのもあるが、現地に行ってみて行きたくなるところもあるだろうと思い、これからの予定は立てていない。


「遥紀はなんか行きたいところあるか?」

「いやーとくにここってのはないな。大満足だったから」

「瑞希は?」

「私も特には」


困ったな。こんなことならプランを立てておくべきだったか?

俺が考えていると瑞希が口を開く。


「でも・・・誰も何にもないならあるっちゃある・・・」

「どこだ?」


瑞希がそこのホームページをスマホで見せてくる。そこは箱根にあるガラスを展示してある美術館だった。


「ここで、コップとか作ってみたい」


少し恥ずかしげに瑞希は言う。確かにホームページにはコップづくりができると記載がある。


俺も箱根の駅にポスターが張ってあるのを見たり、調べたときもちょいちょいこの施設の名前を見た。結構有名な施設らしいので、誰が行っても楽しめるだろう。


「そうだな、箱根旅行の記念として最後はコップでも作るか。遥紀もそれでいいか?」

「ちょうど自分へのお土産何にするか決めかけていたからちょうどいいね」


そうして俺たちは昼飯を食べ終え、小田原城を後にし、その施設に到着した。


コップ体験の受付に行くと、何とか16時の最後の回に空きがあり、それまで展示を見ることにした。


展示は俺の想像を優に超えてきた。館内の内装は幻想的でその雰囲気に合う綺麗なガラスでできた装飾品やアイテムの数々が展示されていた。庭園に出てみると橋に架けられたアーチ状のガラスは光を反射しとても眩い光を放っていた。


「うわぁーーー」


瑞希は1つ1つ展示の前で立ち止まり、くぎ付けになっていた。

女子はやはり綺麗なものに心惹かれるものなのだろうか。


思ったより見るものが多く、俺たちは展示の数々を眺めているだけで時刻は16時に近づいた。


「瑞希、そろそろ行かないとガラスづくり遅れるぞ」

「もうそんな時間!分かった。今行く!」


コップづくりと言っても吹いて形を成形するガチのやつではなく、サンドブラストと言われる、模様を型抜きし、砂を吹き付け、模様をつけるといったそこまで難易度の高くないものだ。


まず初めに模様をつけるコップを選ぶ。


遥紀は将来これでお酒が飲みたいとロックグラスを選んでいた。


「俺は・・・これにしようかな。あ」

俺がマグカップに手を伸ばすとちょうど手を伸ばした瑞希の手と当たる。


「なに?司もマグカップにするの?もしかして私とおそろいが良かった?」

「同時に手を伸ばしたんだからそんなわけないだろ」

俺と瑞希は偶然同じものになりマグカップに決定した。


次は模様となるシールを数百種類の中から選ぶ。

瑞希は数百もある種類の中からすぐにシールを選んだようだ。

見てみると、向日葵やチューリップ、カーネーションといった花柄のシールだった。


俺は綺麗な大きな月の模様を、遥紀は模様を組み合わせ簡単な幾何学模様を再現していた。


模様も決まりシールを慎重にはがしコップに貼ると後は専用の機械でマシンを使って、柄をつけるだけだ。

そうして、3人の思い思いのコップが完成する。


瑞希は完成したコップを店員さんから受け取ると大事そうに抱えた。


簡単な作業と言っても、全体で見ると1時間ほどかかってしまいお店を出ると空が暗くなり始めた頃だった。


「そろそろ帰るか。あんまり遅くなれないし」


「えーもうちょっといようよー」


瑞希は駄々をこね、帰るのを嫌がっていたが俺たちは高校生で、夜遅くなると補導される可能性もある。それに、俺と瑞希は百歩譲っていいとして、遥紀は家に親がいる。あまり遅くなると怒られてしまうだろう。


俺たちはお土産を買い、夕食を食べたあと名残惜しくも電車に乗り、箱根を離れる。


先に俺たちの駅に着いたため、遥紀とは電車の中で別れ、俺と瑞希は家に到着した。


「ただいま」

「ただいまー」


家には誰もいないのについ最近ついた癖でただいまと言ってしまう。


それにしても、変な感覚だ。さっきまで旅行に行っていたはずが、帰ってきても瑞希が隣にいる。

まだ、ここはホテルの一室なのではないかと錯覚しそうになる。


「はぁー疲れたー。けど楽しかったー」

「ココアでもあるけど飲むか?」

「飲むー」


まだ旅行気分が抜けていなのかテンション高い瑞希が答える。


俺は2人分のココアを準備し、お互いソファでくつろぎながら飲む。


花と月の模様のマグカップで。


43話も読んでいただきありがとうございます。

これにて箱根旅行編は終了。次編もご期待ください!

これからも応援よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 返信ありがとうございました! とっても文が見えやすくなって、面白さが倍増しました! これからも頑張ってください!
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