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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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吉と凶

 俺がゆっくり朝風呂に浸かり、風呂をでて、部屋に戻ると遥紀は目を覚ましていた。


「おはよう」

「おはよう、司。いないと思ってたら朝風呂行ってたのか」

「なんだか早くに目が覚めっちゃってな。せっかく温泉に来てるんだし、行かないと損かと思って」

「ふーん、そうなんだ。そんなことは置いといて昨日やったな?」


絶対怒られるかなーとは思ってたけどやはりご立腹のようでなんだかすごい迫力で俺を問い詰める。


「なんのことだ?」


 俺は怖くて、逃れられるはずもないのについ誤魔化そうとしてしまった。


「昨日、俺にマッサージして無理やり寝かせたな?」

「それは疲れがたまってたせいじゃないかなー?俺のせいじゃないよ」

「そういうこと言うんだね。じゃあ、俺が陰で司のために動くのもやめるね」

「すみませんでした!」


 陰で何をしているのか知らないが過去に何度も助けられている俺は思いっきり謝罪をした。


「それで、遥紀さん。具体的にはどんなことをして頂いているんですか?」

「それを言っちゃ面白くないでしょ。安心して、悪いようにはしないから。それで俺を寝かせたのはなんで?まさか・・・」


 遥紀が含みのある言い方をする。


「そんなことしてねえよ。俺がコンビニ行ったときに遥紀と何をしてたのか聞いてただけだよ。お前がいると誤魔化されそうだからな」

「それでどうなったの?」

「聞いたんだけど、すまなかったな。なんか色々やってくれようとしたみたいで」

「え!涼風さん言ったの?」


 遥紀はなぜかすごく驚いていた。


「ああ、誕生日。何か計画してくれようとしたみたいで」

「あ、あー。それのことね。なんだびっくりした」

「びっくりしたって?」

「いやいや、こっちの話。気にしないで」


「うーん、司―」


 俺と遥紀で話していると瑞希が寝言をこぼす。


「あら、寝言まで司のことなんて、お2人さんはどれだけ仲がよろしいんでしょう」

「うっせえ。寝言くらい誰でも言うだろ。大方今回の旅行の夢を見てるだけだろ」

「というか、結局涼風さんここで寝ちゃったんだ」

「?どういうことだ?」


 俺は遥紀の言っていることにいまいちピンときていなかった。


「昨日言ってたじゃん。寝るときはちゃんと自分の部屋で寝かすって」

「あ!!そうだった。マジで忘れてた」


 2人部屋だが予備の布団があり、布団は3つあった。ホテルに着いて色々ありすぎて本当に忘れていた。

 それにしても、瑞希のやつ俺の見てない隙に自然に見えるように自分で布団敷きやがったな。

 高校生が男子2人いたとしても女子と同じ部屋で寝るとか倫理的に結構やばい。やらかした。


「というか、いいの?」

「?何がだ?」

「涼風さんそろそろ起こさなくて。チェックアウトまで時間ないよ?」

「あ!やっば。おーい瑞希、起きろー」


 俺は急いで瑞希を起こす。だが、瑞希に反応はない。


「起きないと司がいたずらしちゃうってー」

「おい、勝手にそんなこと言うな」


 それでも、瑞希に反応はない。本当に寝ているようだ。


「あと10秒で起きないと朝飯抜きだぞー」


 どうせ寝ているし反応はしないだろうとダメ元で声をかけてみる。


「はい!起きましたーおはよう!」


 10秒を数える暇もなく瞬時に瑞希は起きた。


「おい、瑞希。まさか起きてたんじゃないだろうな?」

「え、っとーそんなわけないじゃん。朝ごはん抜きが聞こえてきたから飛び起きただけだよ。第一、いたずらされたい人なんていないでしょ?」

「それもそうか。まったく、朝から食い意地を張るんじゃない」

「だって、しょうがないじゃん。昨日から朝ごはんのバイキング楽しみにしてたんだから」


 隣を見ると遥紀が笑いをこらえるようにしていた。


「涼風さん、司にい・・らしてほしかったんだ」


 小さい声だったため俺は全部聞き取ることはできずに遥紀の言っている意味は分からなかった。


「早くバイキング行くぞ。チェックアウトまでそんな時間ないんだからな」

「やったー行くー」


 それから、手短に朝飯を終わらせ何とかチェックアウトまでにホテルを後にした。

 そして、今日の最初の目的地の小田原城に到着した。


「おー立派だな。復興されたとはいえこれが15世紀中ごろにできたのはまじですごいな」

「そうなんだ、司詳しいな。調べたのか?」

「ばか。この前の期末テストに出ただろ」

「あれ?そうだっけ。忘れちゃった」

「どうやってその頭であんな高得点出せるんだよ」


 ちなみに、遥紀は期末テストは俺より点数が高かった。いくら俺の家で勉強したとはいえバイトまで始めたこいつが俺より点数が高いとかマジでバグってる。


 俺たちは天守閣に向かう前に城の敷地内にある神社に向かった。


「これがあの二宮金次郎像か。初めて見るな」

「あのおみくじ引いてみようよ」


 歴史なんて興味のない遥紀と瑞希は面白そうなおみくじを見つけ、そちらに走っていく。


「よし、俺は大吉」

「私は吉だったー」

「2人とも開くの早いな。俺に構わず移動しやがって」


 先におみくじを引いた2人は比較的いい結果だったようだ。なら俺だって、


『凶』


「ぷはっ。司凶だって。日頃の行いが悪いんじゃない?」

「うるせぇ。俺は信じないからな」


 俺はそう言いながら一応おみくじの詳細を見る。


願いごと 困難があるでしょう 辛抱第一

学業 努力むなしく負ける

旅行 行かぬが吉

病気 治れども遅し

仕事 新たな展開あり

恋愛 困難を極める


 超絶悪いじゃねえか。仕事がまだぎりぎり希望だな。

 裏を見ると、悪いおみくじの時は悩み事を書いて納めるとお祓いをしてくれるそうだ。

 俺は新学期平和でありますようにと書いた。

 隣を見ると吉を引いた瑞希も裏に何か書いているようだった。


「瑞希は吉だったろ、あんま悪くないんだし書かなくていいんじゃないか?」

42話も読んでいただきありがとうございます。

皆様の応援に全力で応えられるように頑張ります。(感想とかに返信するのめちゃくちゃ好きです。どしどし下さい)

これからもこの作品の応援よろしくお願いします。


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