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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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久しぶり

「えーっと、えーっとね。特に何も話してないよ。普通の世間話」


 絶対にただの世間話なわけがない。俺はもう少し深く聞いてみることにした。


「どんな世間話してたんだ?」

「それはね・・・明日の天気なにかなーとか?」


 世間話の内容まで聞かれると思っていなかった瑞希は焦って何とか出した回答はなんとも嘘くさい内容だった。


「明日の天気なんて絶対嘘だろ」

「嘘じゃないよ。そんな話もした気がするよ」

「瑞希・・・」


 俺は瑞希の顔をジト目で見つめる。

 瑞希はあたふたしながらも俺に見つめられると観念した表情を見せる。


「実は・・・司の誕生日について話してた」

「え、、、」


 予想外の回答に言葉が詰まる。


「さっき黒瀬君から聞いたんだけど、司の誕生日って8月1日なんだって?」

「そうだよ」

「そうだよじゃなーい!もう一週間くらいしかないじゃん。なんで言ってくれないの?」

「そういうのって自分から言うもんじゃないし。聞かれなかったから?」

「危うく知らずに過ぎちゃうところだったじゃん。それを黒瀬君から聞いて、誕生日どうするか話してたんだよ。あーあサプライズにしたかったのに」

「それは・・・すまなかった」

「まあ、許してあげる」


 瑞希はなぜかほっとしているような表情を一瞬見せたが、俺は強引に聞いたことを反省していて、目の端でその様子を捉えるだけだった。


「じゃあ、気を取り直してゲームでもしようよ」

「そんなの持ってきてない」

「ちぃ、ちぃ、ちぃ。じゃーん」


 瑞希がバッグから出したのは家にあるゲーム機だった。


「なんでそんなもん持ってきてるんだよ」

「旅行前日は寝落ちして負けちゃったからね。リベンジだよリベンジ」

「ほんとに負けず嫌いだな。やってやるよ」


 横で寝ている遥紀を尻目に俺たちはゲームを始めた。


「あーまた負けた。もう1回」

「今日はもう終わり。寝る準備するぞ」

「えーもう1戦だけそれで最後にするから」


 もう時刻は日付を回っており、明日も早起きすることを考えると、ここらで寝ておくのがいいだろう。


「もうそう言われて10回くらいやってる。もう深夜だし早く寝ないと明日に響くぞ」

「やだ。今日は徹夜するんだもん」


 瑞希の意思は固いようだった。仕方ない。


「じゃあ、マッサージしてやるから布団に入ってろ」

「やったー。久しぶりの司のマッサージだー。は! まさかそうやって黒瀬君みたいに私を寝かせようとしてるんでしょ?」


 1回見せただけあって、まあ、バレるよね。


「そうだよ。でも、いやなら寝ないように耐えればいいんだよ。それくらいできるだろ?」

「当たり前じゃん。そのくらい朝飯前」


 やはりちょろいな。


「でも、もし寝たときのために歯磨きとか寝る支度は整えて」

「なんで?私寝ないからする必要ないよ」

「どうせ、一回やればいいんだから先やっちゃって来い」

「まぁーそういうことならいいけど」

「よし、準備完了―。じゃあお願いします」


 瑞希は準備が終わると布団に寝そべりマッサージを受ける体勢になった。

 なんだかこの景色も懐かしく思い、少し感慨深くなる。


「?何やってるの?早く、早く、」

「分かったから」



 瑞希の催促によって思考を振り払って、マッサージを始める。


「あぁーーーきもじぃーーーーー」


 美女らしからぬ言葉が漏れる。


「でも、これじゃ寝ないね。今日は徹夜コースだよ、司。」

「はいはい」


―数分後―


「ZZZ・・・」


 綺麗なフラグ回収ありがとうございます。というか遥紀よりも寝るの早かったぞ。

 さて、2人も寝たことだし俺もそろそろ寝るかな。


 瑞希と一緒に寝る支度を整えたので、俺も布団に入って目を閉じる。


 マッサージ店でアルバイトを始めたと思うと瑞希がたまたまマッサージに来て、それがばれて、試合を見に行って、俺が思わず口にだした提案から同居が始まり、遥紀にバレ、瑞希の母親の説得、期末テスト、そして今回のこの旅行。


 1学期の間は、去年では考えられないほどすごい濃い時間だった。

 2学期からは水上さんという後輩の件もあるし、どうなってしまうんだろうか。

 俺は今後の俺の身に降りかかる憂いを抱いていると自然と眠りに落ちたみたいだった。


「う、うん・・・」


 翌朝目が覚めると2人はまだ寝ていて、時計を確認するとまだ時刻は7時だった。

 アラームをかけ、予定していた起床時間よりも1時間早く起きてしまった。


 2度寝も考えたが、せっかく温泉に来ているんだし、昨日朝風呂があるって説明を受けたのを思い出し、1人で朝風呂に入るために部屋を出た。

 エレベーターにのり、大浴場のある1階に向かう。そして、1階に着くとそこの角を曲がればすぐに大浴場だ。

 そうして、角を曲がろうとするとその角から1人出てきた人とぶつかりそうになり、必死に体をそらし衝突を避ける。


「すみませ・・・」

「ごめんな・・・」


 その人物は今回の旅行で最も印象に残っている人物だった。


「あ!早乙女先輩、おはようございます!」


 朝からテンション高いなこの子。それにしても3回も会うとかどんな確率だよ。


「おはよう。水上さんも朝風呂に入ってたの?」

「はい!私いつも早起きで、起きたらまだみんな寝てたので朝風呂入ってました」

「そうなんだ。それじゃ俺はこれから朝風呂はいるから・・・」


 前回みたいに話し込むわけはなく俺は立ち去ろうとした時、

「連絡先交換してくれませんか?」


 そういえば、昨日話しただけで連絡先は交換してなかったな。


「いいよ」


 別に連絡先くらい交換してもいいかと思い軽い気持ちで交換した。

 まさか、この時はこの交換あんなことを引き起こすとは思ってもいなかった。

41話も読んでいただきありがとうございます。

いよいよ旅行編も大詰めになります。

これまで読んでくださりありがとうございます。

そして、次編からも応援よろしくお願いします。

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