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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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秘密

「やっぱり!ダメ!」


 私が叫ぶと背を向けていた黒瀬君もこちらに向き直り質問する。


「何がダメなの?」

「ほ、他の子を応援するの」

「だって、涼風さんは司のことが好きじゃないんでしょ?じゃあ、俺が誰を応援したっていいよね。さっき、涼風さん自身がいいって言ってたじゃん」


 次の言葉は言うかすごく迷った。私自身本当は気づいていたけど、その思いが表に出ないように必死に違うと言い聞かせてきた。

 いつもなら絶対に言わないその言葉、感情は私の心の奥底から出てきて、口を開かせた。


「わ、私司のことが好き・・・・・・だと思う」


 ようやく口から出た言葉は断定ではなくて、疑問だった。でもそれは、断定に限りなく近い疑問。


「だから・・・」

「うん。もう言わなくていいよ」


 さっきまで真剣な面持ちで私に質問していた黒瀬君はいつも通りの柔らかい顔に戻っていた。


「ごめんね、なんか無理に聞いちゃったみたいで。その言葉が聞けたなら俺は全力で2人を応援することができるから」


 一気に体の力が抜けた気がした。私の中にだけ秘めておくはずの秘密を言ってしまった。でも、それと同時に私の中にあった叶うはずのない願望も現実味を帯びた気がした。


「せっかく言ってくれて応援するって決めたし、手始めにこれを教えておこうかな。・・・」

「え!それって!」


 黒瀬君が教えてくれた情報は私が気になっていたことだった。そして、今のうちに聞いておかないと後悔する情報でもあった。


「それ以上は言わない方がいいよ」

「なんで・・・」


 後に言葉を続けようと思ったその時、ドアの開閉音が聞こえ、司が部屋に戻ってきた。

 気づくと、時間は思ったよりも経っていて、ちょっと経ちすぎなくらいだった。


 司は帰ってくると私たちの様子に違和感を感じたようだったけど、黒瀬君はこのことを言わないでくれるみたいで、その様子に司も事情を聞くのは諦めて素直に温泉に入りに行く。

 私も急いで準備をして、2人の後についていく。

 更衣室の前で男女で分かれて、私は1人着替えてお風呂に入る。

 女子風呂には時間も遅かったので、人は少なく何種類かある湯舟には1人もいない湯舟もあるくらいだった。

 私は身体を洗って、誰もいない湯舟に入る。


「ふぅーーー」


 湯舟につかると冷静になれていなかった頭は温泉の力でようやく冷静を取り戻す。


 あれ?私結構やばいこと口走った?いくら黒瀬君の協力を得ることはできたと言え、流石に本心を言うのはまずかったかもしれない。

 これから私が司と話しているときに黒瀬君が来たら心の中ではこいつ司のこと好きなんだよなーとか思われるってこと!?

 恥ずかしさでいっぱいになって、私は温泉に口まで浸かり思いっきり叫ぶ。


「あ~~~~~~~」


***


 瑞希には長風呂なので、待たないで先に部屋に戻ってほしいと言われたため、俺と遥紀は温泉に入り終わると部屋に戻った。

 戻ると部屋には案の定誰もいなく、まだ瑞希は温泉に入っているようだ。


「さっき俺がコンビニ行ってる間、何してたんだよ。俺が戻ってきたときおかしかったぞ2人とも」

「だから何にもないって。それより司こそずいぶんと遅かったじゃん。何があったの?」

「今日のお昼に俺が間違えて乗ったロープウェイにいた子にロビーで会ったんだよ。ホテルまで一緒とかこんな偶然もあるもんだな」

「それって水上希って子?」

「え、なんで知ってるんだよ」

「いやいや、あの子結構うちの学校で有名人だし分かるよ。司が女の子に興味なさすぎるだけ」

「それで、結構面倒な役を・・・」

「あっと、この話はもうやめた方がいい。その話、涼風さんには言っちゃだめだよ」

「だたいまー」


 その言葉と同時に瑞希が部屋に戻ってきた。

 なんで言ってはダメなのか俺には分からなかったが、こいつのことだ。何かしら知ってるんだろう。ここは逆らわない方が無難なので、おとなしく話題を変更した。


 だが、俺はコンビニ行ってた時に何が行われていたか聞くのをを諦めたわけじゃない。だが、遥紀がいると場をコントロールされて誤魔化されてしまう。なんとか遥紀をこの場から退場させなくては。


「遥紀、今日疲れただろ?」

「まあ、1日旅行してたし温泉入ったとはいえ疲れてるね」

「じゃあ、俺がマッサージしてやるよ」

「えーいいなー私にも久しぶりにやってほしい」

「後でやってやるから待っとけ」

「やった!」

「俺も司にいつかやってほしいと思ってたから嬉しいけど、なんで突然?」

「いいから、いいから。日頃の感謝だよ。さあ、布団に横になって」


 遥紀は俺の目論見が分からず、警戒しながらも布団に横になった。


「あぁーーー気持ちぃーーやっぱりやってるだけあってうまっ」

「そりゃどうも」


 俺のマッサージを受け始め、遥紀は気持ちよさから警戒を解き始める。

―数分後―

「ZZZ・・・」

 よし、俺の秘儀、マッサージ入眠。

 俺の目論見通り、疲れ切った遥紀は俺のマッサージによって、静かに寝息を立てながら眠りについた。


「よし、これで良しっと」


 これで遥紀に邪魔をされることなくあのことを聞き出せる。


「え!これ狙ってたの!魔法じゃん」

「まあな。ちょっと瑞希に聞きたいことあって」

「え、何何?そんなことある?」


 分かりやすく動揺を始めた。これは絶対に何か隠している。


「さっき俺がコンビニ行ってた時遥紀と何してたんだ?」

40話も読んでいただきありがとうございます。

今まで書いてきませんでしたが、初の瑞希視点で書かせていただきました。どうだったでしょうか。

10月もこの作品をよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 一人称の視点が変わること自体が悪いとは思わないのですが、一話の中で視点が変わる場合は、明確な区切りを入れていただいたほうが読み手にとって理解しやすく、読みやすくなるのではと思います。 また、…
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