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【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


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新たな出会い

「え・・・」


 女子4人組は俺の方を見て、何が起こっているのか分からない様子で固まっている。

 このまま何もしゃべらないとやばいやつ判定されてしまう。俺は慌てて今の状況を説明し始めた。


「え、っとー、これ落ちてましたよ」


 だめだ全然うまく喋れない。


「あ、私のハンカチ。ありがとうございますっ!」


 拾ったときには背を向いていたので顔までは見えなかったけれど、落とし主は綺麗というよりかはかわいいという印象で髪は肩と同じか少し短いくらいで元気いっぱいという感じの美少女だった。


ん?どこかで見たような、、、


「これ届けようと思って近づいたら一緒のグループだと思われちゃって、乗せられちゃったんだよね。あはは。」

「あ、私のせいですみませんっ」


 ハンカチの落とし主は勢いよく、頭を下げて謝ってくれた。


「あ、いやいや謝ってほしいんじゃないから全然大丈夫。俺のことは気にしないで、話してていいから」


 そう言って俺は彼女たちから一番遠い座席に静かに座った。


「お兄さんは高校生っすか?」


 女子4人組の1人が気配を消そうとしていた俺に話しかける。


「そうだよ。今高校2年生かな」

「じゃあ、先輩ですね。私たちみんな高1です」


 せっかく彼女たちから声をかけてもらったんだ。ここで会話を切ってしまうと、これからの時間苦痛に変わってしまいそうだと感じた俺は、何とか話を繋げようと必死になった。


「そうなんだ。みんなは高校の友達?」

「いや、中学の友達です。ちょうど一泊二日で旅行してて」

「一緒だね。俺も3人で一泊二日の旅行中」

「そうなんすか。どっか他に行ったところあります?」

「まだ一泊目だからここが初めてかな。そっちは?」

「私らも今日からなんでここが初なんですけど、お昼食べたら次は小田原城行こうと思ってるっす」


 俺も今回の旅行について調べたときにここから小田原城までの時間はスムーズに行っても1時間くらいだったはずだ。

 今が14:00頃だからお昼を食べて向かうとしたら行けなくはないが、ギリギリだろう。


「小田原城の入場は確か16:30までだから、結構ギリギリだね」

「え、そうなんすか」


 1人の女子がそれを聞くとスマホで調べ始め、どうするかをみんなで話し始めた。


「じゃあ、小田原城は明日にしときます。先輩は東京から来た感じっすか?」

「うん。そっちも東京?」

「はい。東京の・・・」


 そこまで言いかけたとき、出入口が開いた。


 俺たちが行きに乗ったロープウェイは大涌谷を出発して、姥子駅という駅を通過した後、桃源台駅に到着した。

 つまり帰りのロープウェイも大涌谷駅に到着する前に蛯子駅に到着したため、出入口の扉が開いたということだ。


 降りずにこのまま乗り続ければ大涌谷駅に到着することができるが、そもそも俺はこのロープウェイに間違えて乗っている形になるので会話の途中であっても降りるタイミングが来れば降りるべきだろう。


「途中の駅に着いたみたいだから俺は降りるよ」

「あ、はい。分かりました」


 そうして俺がロープウェイを降りた直後、


「ありがとうございましたっ」


 ハンカチの落とし主の子がもう一度元気にお礼を言ってくれた。

 俺は特に何か言うことはなく笑顔を作って、会釈を返した。


 そのまま扉は閉まり、彼女たちを乗せたロープウェイは大涌谷駅に向かって動き出した。


 間違えて入った時は終わったと思っていたが、みんないい子だったし、今となれば旅行のいい思い出になるだろう。


 でもやっぱりさっきの子なんだか見覚えがあるような・・・


 少しすると遥紀と瑞希を乗せた後続のロープウェイが来た。

 中にいる遥紀は爆笑していて、瑞希は呆れたような顔を見せていた。


「司、何やってるのー。勝手に他の人が乗ってるロープウェイに乗っちゃうなんて」

「俺のせいじゃねえよ。勝手に勘違いされて乗せられただけだってば。あと、遥紀笑うんじゃねえ」

「だって…ふふ、女子グループの中に司1人入っていくんだもん。面白くて」

「終わったと思ったんだぞ。でも、思ったより仲良くなって、地獄でもなかったけどな」


 大涌谷駅についても先についているであろう先ほどの女子のグループを見かけることはなかった。


 次の予定まで時間がギリギリだったので、昼食というよりは軽めの食事をした後、大涌谷を後にした俺たちは箱根神社に向かった。


「うわー。でっかい鳥居だ。」


 ここ箱根神社は開運のご利益が強い神社だが、それ以外にもいろんなご利益があるそうだ。


 本殿に向かっているとその前に9つの龍の口から水が出ている水場を見つけた。

 俺と遥紀はあまり気にすることなく、本殿に向かおうとしたのだが瑞希はそれを見つけると、


「ちょっと待ってて」


 駆け足で駆け寄り、口を清めたあとすぐに戻ってきた。


「どうしたんだ。あの9つの龍なんのスポットなんだ?」

「え、えっとー私も分からないかな。口を清めたい気分だったの。さ、早くしないと参拝時間終わっちゃうよ。早く本殿の方行こ!」


 口を清めたい気分ってなんだよと思ったが、確かに参拝時間も迫っているので、深くつっこむことはせず、本殿に向かった。


 本殿に到着すると想像よりずっと立派な造りをしていて、俺たち3人は一緒になって参拝をした。 


 どうかこれからの生活が平和で楽しいものになりますように。


 最後に1礼をして、周りを見渡すと瑞希はまだお祈りをしているようだった。


「何をお祈りしていたんだ?」


 思ったよりも長くお祈りをしていた瑞希に終わった後、質問してみた。


「それは教えられないなー」


 俺の顔を見た後なんだか含みのある表情を見せて答えた。

36話も読んでいただきありがとうございます。

総合評価3000ptを突破いたしました。本当にありがとうございます。

これからも精進していますのでご愛読よろしくお願い致します。

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