表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【祝!100万PV突破】マッサージ店でアルバイトを始めたらクラスの美女が常連になりました。  作者: 新興


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/148

遭遇

「あーーーーー終わったーーーーー」


 前の席にいる遥紀がテスト5日目、最後の科目が終了を告げるチャイムが鳴ると遥紀が体を伸ばしながら言った。


 明日からは試験休みという実質的な夏休みが1週間あり、テスト返却、終業式と続いたあと、やっと本格的な夏休みに突入する。


 テストの出来は個人的にはすごくよかったのだが、せっかくの休みになったんだ。この期間くらいはテストのことは忘れて全力で楽しもうじゃないか。


「司、夏休みどっか2人で1泊2日くらいで旅行でも行かない?」


 学校も放課後になり、遥紀と2人で帰っているときテストが終わって終始嬉しそうにしている遥紀が提案してきた。


 一瞬なぜか瑞希のことが頭をよぎったが、すぐに思考を切り替え返事をした。


「いいな、それ。行くか」

「夏休みだし色々予定あると思うから、空いてる日決まったら連絡してくれ」

「了解」

「ところで飯でも食べてかない?」

「あ、すまん司。俺今日これから用事あって飯食べるとギリギリになりそうだから今日はやめとくわ」

「おっけーじゃあ、また連絡するわ」

「おう」


***


 お昼頃に家に帰ると珍しく瑞希の靴があり、先に帰っていたようだった。


「ただいま」

「おっかえりー」


 瑞希はテンション高めにリビングのソファでくつろいでいた。


「今日は一段とテンションが高いな」

「そりゃそうじゃん。夏休みだよ。夏休み。これから学校ないんだよ。それなのに司はテンション低くない?」

「瑞希が高すぎるんだよ。第一瑞希は夏休みだからといってバスケ部はあるだろ」


 それを言うと今まで高かったテンションが一気に下がった。


「それは言わない約束じゃん。もうなんで夏休みなのに週に5日も部活あるんだよー。休めないじゃんか、もぉーー」


 知らないよそんな約束。


「部長がそんなでいいのか?もっとやる気出していかないと」

「? まだ部長じゃないよ」

「え、そうなのか。てっきり俺は部長なんだと思ってた」


 この前試合を見たときには完全に部活を引っ張っていたし、周りでも部長だと言っているのをちらほら聞くから部長なのかと思っていた。


 瑞希は学校では普段だとすごく上品な感じで通しているが、部活になると少し熱くなる性格で通している。


 周りはその性格の変化にあまり違和感を示していない。最初は戸惑うかもしれないが、みな運動しているときはこれくらい熱くなるだろうとスルーしているらしい。


 本当の性格を知る身からすると結構ボロが出ているなと思いつつ、普段の立ち振る舞いを見せられてはこの性格は想像もつかないのだろう。


「まあ、先輩はもうすぐで引退だし、そうしたら十中八九私が部長になるだろうけどね。そういう意味でもう部長って言ってくる人もいるからそれで勘違いしたんじゃない?」

「どっちにしても部長候補がそんなやる気ない感じでいいのかよ」

「いいの。外ではちゃんと次期部長ですって感じ出してるから」

「ふふっ・・・・・・・なんだよそれ」

「あー笑ったねー。私の迫真の演技を笑うなんて」


 2人でゆったり雑談しているとき、スマホがブーと震え、確認してみると遥紀からメッセージが来ていた。


『今日言い忘れてたんだけど、俺も夏休みの間だけバイトすることになったわ』

『おお、まじか。なんのバイト?』

『司とは違って普通の飲食店』

『俺が変みたいな言い方するな』

『いや、高校生でマッサージ店でバイトは特殊だと思うけどなー』

『そんなこと俺が1番分かってるわ』


 そうか飲食店か。


「瑞希、テストも終わったことだし今日の夜ご飯は外食でもどうだ?」


 別に深い意味はないが、飲食店と聞いたら無性に外食したい気分になり、テスト終わりのこの気分がさらにその気持ちを後押しした。


「!それめっちゃいい。行こ行こ」


 ただ、俺と瑞希が一緒に飯を食べているところなんて遥紀以外に見られるととんでもなくまずい。そこは2人で話し合い、夜ご飯時の時間からずらした遅めの21時頃に行くことにした。


 あれだけテンションが高かった瑞希も昨日の夜更かしの反動が来たのか夕方くらいまで寝ていたし、起きてからは俺がやっていたゲームに参戦してきて、予定していた家を出る時間を過ぎても対戦ゲームに興じていた。


 ゲームと外食への楽しみでまた瑞希のテンションは最高潮になっていた。


 外食と言ってもそんなに贅沢するわけではなく、最寄りの普通のファミレスに行くことにした。


 ここは家から1番近く、学校付近でもあるため、俺も瑞希も何度か来たことがある。


 店内に入ると、思った通り平日の21時半頃にもなるとお客さんは少なく、席に案内される途中で見回しても同年代らしきお客さんはいなかった。


「もう9時半だからお腹ペコペコだよ」

「瑞希がさっさと諦めてくれればもう少し早く来れたんだけどな」

「負けたままで終われるかっての。帰ったらもう1戦だからね」

「へいへい」


 タッチパネルで料理を注文した後、料理を待ってる間、さっきやっていたゲームについて話していた。


「だいたいあのハメ技はずるいと思うんだよね。あれ禁止」

「そんなこと言ったら瑞希なんて俺がトイレ行ってる間に1ストック落としやがって。あれこそ禁止だろ」

「あれはズルじゃないもん。戦略・・・」


「お待たせいたしました」

 ようやく料理が到着したようだった。


「オマールエビの生パスタでございま・・・」

「はーい。ありがと・・・」


 不自然な会話の途切れに違和感を感じ、料理を持ってきた店員の方を向くと、そこには遥紀の姿があった。


「・・・涼風さんと司だよな。さっきのって・・」

 素の瑞希を遥紀に見られてしまった。

29話も読んでいただきありがとうございます。

日間現実世界恋愛ランキングで見事1位をとることができました。(2024/9/20/7:30現在)

最近感謝してばっかりではございますが、本気で感謝してます。

心から感謝申し上げます。

これからも応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ヒロインがお金に困ってる設定のせいでマッサージバイトの設定とタイトルが死んでる
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ