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奥田達矢

奥田達矢くんが起こした事件簿

作者: 弥生はじめ

奥田達矢くんの過去を書いてみました。

 あの制服に覆われた柔らかなロッキー山脈。

 そして、グランドキャニオン。

 見てみたい、触ってみたい。

 顔を埋めてみたい…。


 奥田は何時いつも、クラスで胸が大きく色白肌の織田留香おだるかの胸ばかり気にしている。ろくに勉強も、手に付かないみたい。


 今日も奥田は、鼻の下を伸ばしている。僕を見つけてニヤニヤして手招きをする。

「奥田、また留香の胸が気になるのか?」

「聞こえるだろバカ!ブタ!タコ!」

と言っては僕の頭を叩く。

 そして、照れ隠しなのか恥ずかしいのか奥田は、ニヤニヤ顔を伏せる。きっと恥ずかしいのだろう。

 奥田をよく見ると、斜塔をエッフェル塔へと進化させていた。いったい何を企んでいるのだろう。っていうか想像していたのでしょうか。

 そして、奥田と留香の関係が始まるのであった。


 そして後日、事件その1は起きた。

 ちょっと笑いながら留香が教室へ入って来るなり、

「ちょっと、みんな聞いてよ。奥田が廊下でさぁ、すれ違いに私の胸を触って揉んだんだよ」

と大きな声で言う。まるでスピーカーのようだ。

「やっぱり奥田やらかしたか」と皆がザワザワ。


 渡辺(わたなべ)先生が入ってきた。数学の授業が始まった。


 が、奥田の姿が見えない。サボって雲隠れでもしたのか。

 実は、担任の松川まつかわ先生に説教部屋に連れて行かれたそうな。

 なるほど、だから奥田の姿が見えない訳だ。


 数学の授業が終わった。古関先生が教室から出て行く。


 奥田がニヤニヤしながら、走って教室へ入って来る。

 僕のところへやって来た。

後藤田ごとうだ!ちょっ、ちょっ!」

と言ってはニヤニヤ顔を伏せ、僕の頭を叩く。

 周りでは、奥田を見ながら女子がクスクス笑っている。奥田は、欲求を満たされた感でいっぱいだったに違いない。

 だが何故か、わからないが奥田は女子からモテるのである。


 あれから時は流れ、数ヶ月後。

 事件その2が起きた。

 放課後の事である。自称クラスで成績は優秀で運動神経も抜群の伊藤賢人いとうけんとが走って僕のところへ来たのである。興奮しながら、

「後藤田!昨日の放課後、見てしまった」

「何を見たんだ?」

「奥田と留香が…」

 伊藤賢人の話だと、奥田と留香が口で飴を移しをしていたそうだ。伊藤は、物陰から見ていたそうだ。

 それを聞いた僕と伊藤は、想像してしまった。 例えるならば、奥田というキッシンググラミーと留香というキッシンググラミーが触れ合う…。

「ヤバ過ぎだろ!想像したくなかった」

「だろ!」

と、言って伊藤は去って行った。


 そして、高校2年になり。修学旅行の3日目に、事件その3が起きた。

 

 修学旅行の3日目のホテルに着いた。部屋に入った。

 風呂とトイレと洗面台が部屋の入口にあるユニットバス。ベッドが2つある部屋。

 廊下を挟んで向かいの部屋が、奥田と伊藤の部屋である。

 奥田が呼んでいるので行ってみた。

「なぁ!なぁ、後藤田ちゃんよ!」

「なんだ奥田?」

井上美織いのうえみおりと織田留香の部屋に電話してくれ」

「自分でかけろよ!」

また奥田はニヤニヤしながら、

「恥ずかしいから自分で、かけられにゃいんだってぇ〜」

「しょうがねぇ〜なー」

 僕が電話をする羽目になるのである。部屋にある内線番号を押した。その部屋に繋がった。気が強い井上美織が出た。

「メガネデブ後藤田の声なんか聴きたくね~」

 留香の声で

「そうだ!そうだ!」

 美織が不機嫌そうに、

「メガネデブ後藤田!なんの用よ?早ぐ言え!」

「奥田が呼んでるから」

美織と留香は

「あっそ」

「あっそ」

と、電話をガチャンと切ったのであった。

 僕は、あの2人の声を聞いてため息をつきテンションは、だだ下がり。


 暫くしたら、美織と留香が奥田と伊藤の部屋の前まで来てた。美織と留香は僕の顔を見るなり、ニガ虫でも潰したかのような顔をして、

「そのきっっっしょいツラ見せんな!」

「見せんな!」

と、言いながら奥田と伊藤の部屋へ入って行った。


 伊藤が興奮しながら部屋へ入って来た。

「後藤田!後藤田!ちょっと来てくれ」

と、手招きするので伊藤の部屋へ入って行った。

「ここでヤバイ事になっている」

 そう、ユニットバスの扉の向こうでは、奥田と美織と留香がナイトフィーバーをしているらしい。ついに、ロッキー山脈とグランドキャニオンとエッフェル塔が…。

 僕と伊藤は、想像していた。

 一体、どんな世界だったんだろうか。奥田のみ知る世界である。


 進級が決まり、僕は高校3年に。

 だが、奥田の姿が無い。

 後で伊藤から聞いたのだが、奥田は留年したそうだ。

 

 留香の胸は、どんな感触だったのだろうか。




終わり

 

 


  



 


 


 

 

 

 


 


 

 

 


 

 


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