13 クロードside 妻と部下(女性)がデートするようになった ちなみに俺はまだ
「俺とビスカが!?」
「私とクロード隊長が!?」
「は、はい……。そうなのかなと」
「「違います!」」
そこからの「ビスカ本命説」である。全然違う。断じて違う。
ビスカはあくまで仕事上の部下で、後輩である。
直属の部下である女性団員がわざわざ家まで来たものだから、もしかして、と思わせてしまったらしい。
ちなみに、後に持ち越さず、この日のうちに本命説について知ることができたのはセアナのおかげだ。
彼女が、言い淀むモカの横で「本命説が出ている」とすぱっと言い放ったのだ。
それがなかったら、モカは勘違いしたままだったかもしれない。ありがとう、セアナ。
しかし、これは、その……。
突然の求婚と、結婚。一緒に住むようになってからも、自分なりに好意を示してきたつもりだった。
それでこの勘違いだから、落ち込みそうにはなる。
出世のための結婚だと思われていることは知っていたが、いい加減、その勘違いも訂正すべきなのかもしれない。
「モカ。違う。俺は……。俺が、すき、なの、は」
「モカロリーゼ様!」
部下と使用人もいる場での、勇気を出しての、一世一代の告白。を、するつもりだった。
……それを思いっきりさえぎったのは、ビスカだ。
そこから、ビスカは興奮した様子でモカへの憧れを語り始める。
ビスカ、おま、ビスカああああああ! 人の告白を、お前!
まあ、ビスカの語りにはおおむね同意できる。
モカの力は本物だし、任務中に見せる笑顔と頼もしい背中に救われた人間は多く存在する。
ビスカに「ルイヴァリエの守護天使」と呼ばれ、モカは顔を真っ赤にする。
その呼び方をされるの苦手なんですねモカ様! かわいい~!
恥ずかしがる守護天使様を前に、ビスカも可愛い可愛いと大盛り上がりである。
俺も同意見だが、このままではぷるぷる震えるモカが可哀相だ。
「ビスカ。静かに!」
「はい! 隊長!」
ビスカが反応せざるを得ないように小隊長としての声を出し、とめた。
そこから、俺たちは恋仲などではないこと、ビスカが本当に会いたかった相手はモカであることを説明。
モカも、ビスカ本命説は間違いであったと納得してくれたようだ。
「二人が恋仲ではないと聞いて、安心しました」
彼女から出たこの発言には、少し期待してしまった。
もしや、嫉妬、焼きもち、不安といった類のものでは!? と。
そうであれば、俺も全く脈無しというわけでは、と思ったのだが。
続く言葉に、肩を落とすことになる。
「本命さんがいる方と結婚してしまったとなると、流石に申し訳ありませんから」
あ、なるほど~。
結婚の理由が責任と出世で、本命は別にいるとなると、それは確かにそうですね。モカ様……。
以降、飲食店を開拓したいというモカの希望もあり、モカとビスカは一緒に出かけるようになった。
モカが楽しそうでよかったが、休憩中にビスカからモカとのデート自慢を聞かされると遠い目になってしまう。
断られてばかりで、旦那の俺は、デート、まだなんだけど……。




