小さな吸血鬼〜君は強い子〜 改訂版
一応2人用台本。
一人称変更や多少のセリフ改変も大丈夫です。
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台本用につくりましたが、普通に読んでいただいても楽しめると思います。
◆「――おねーさん、こんな所で何してるの? 夜道で女性が一人って、結構危ないと思うんだけどなー?」
◇「君だって、そんな子供なのに危ないよ? 変な人にでも連れ去られたらどうするの?」
◆「え? っふふ、分からないの? おねーさん。僕、吸血鬼だよ? ……ほら、早く逃げないと僕に血を吸われちゃうぞー?」
◇「あら、そう」
◆「……なんで逃げないの?」
◇「どうせ仮装でしょ」
◆「むぅ! 違うよ、僕は歴としたとした吸血鬼! ほら、ちゃんとキバだってあるでしょ?」
◇「作り物の?」
◆「あーもー! 本当に吸血鬼なんだって!」
◇「じゃあなんで私を襲わないの?」
◆「え? ……だって、僕よりおねーさんの方が背が高いから届かないんだもん」
◇「……本当にそれだけ?」
◆「ほ、本当にそれだけだもん!」
◇「ふーん。……じゃあこれ、なーんだ?」
◆「え、な、なにそれ?」
◇「これですか? これはね、背が低くて血を飲むことができない君のために、特別にプレゼントする私の血です」
◆「え……?」
◇「ほら、目の前に美味しい血がありますよ? 飲まないんですか?」
◆「え……あ……」
◇「どうしたの? 子鹿みたいにプルプル震えちゃって」
◆「……っう、うるさいな! 僕だって、僕だって、血ぐらい飲めるっ」
◇「あら、取られちゃった。……で、飲まないの? 坊や」
◆「……飲まない」
◇「なんで?」
◆「だってこれ、ケチャップでしょ……⁉」
◇「あらら、バレちゃった。でも君、ちょっと嬉しそうだよ。ケチャップなのに。……まさか、吸血鬼なのに血が飲めないとか?」
◆「っえ⁉︎そ、そんなこと……そんなこと、ないっ……」
◇「……声が震えてるよ、大丈夫……?」
◆「……っうぅ、だって、おねーさんが、からかうから……」
◇「う、それはごめん。まさか泣かせてしまうとは思ってなくて……」
◆「うぅっ、うっ……」
◇「――落ち着いた?」
◆「……うん。……ありがと」
◇「それなら、私に少し訳を説明してくれないかな? 君が泣いてしまった詳しい訳を」
◆「……わかった。……知らないと思うけど、僕、血が飲めないんだ!」
◇「……知ってます」
◆「あ、そう?」
◇「うん……」
◆「そっか。それでね……父さんも母さんも、周りの子も飲めるのに、僕だけ飲めないからみんなにバカにされて……偽物の吸血鬼だ、って。……僕もみんなと一緒なのに、仲間はずれにされて悲しくて。だから僕だって本当の吸血鬼なんだって、分かってもらいたくて……」
◇「だから今日私のところに来たのね?」
◆「うん。でも、やっぱり飲めなかった。……そもそもケチャップだったし」
◇「あれはちょっと手持ちがなかったのよ……」
◆「え、じゃあいつも自分の血持ち歩いてるの?」
◇「うん」
◆「それはそれでちょっと気持ち悪いな……」
◇「そんなこと言わないでよ、吸血鬼対策よ。噛まれたくないもの」
◆「……そうは言っても」
◇「あ、そうだ、君。また会うことがあったら、今度はちゃんと私の血をあげるわ」
◆「え、いいよ。なんかちょっと鮮度が……」
◇「そこは大丈夫。最新の技術を使ってジップロックに入れてあるから問題ないわ!」
◆「……でも、ちゃんと飲めるかな?」
◇「そうね……今日の様子を見てると、口に入れても、もどしてしまいそう……」
◆「嫌なこと言わないでよ」
◇「ごめんなさいね。でも、誰にだって苦手なものはあるものよ。私だって甘いものが苦手」
◆「え、僕は好き」
◇「あら、偶然だけどいい例になったわ。ほら、こういう風に人によって好みは違うものなの。君はたまたま血が苦手だっただけ。だから全然気にするようなことじゃないのよ」
◆「本当に?」
◇「本当に。そのイジワルしてきた人達にだって、絶対苦手なものはあるんだから。あなただけじゃないんだよ。だから、大丈夫」
◆「うん……ありがとう。僕、なんだか元気もらったよ」
◇「それはよかったわ。結構前から元気だった気がするけど」
◆「……言われてみればそんな気がするよ。おねーさんのおかげかな」
◇「あらやだ、お世辞なんていいのに」
◆「お世辞じゃないよ。本当。……それじゃあ僕、そろそろ家に帰るよ」
◇「そう、それがいいわね。それじゃ、元気でね」
◆「うん、ありがとう、変なおねーさん。……あ、そうだ、実は僕これが200回目の挑戦だったんだ。心が折れそうだったけど、おねーさんのおかげで違う生き方を知れた。これからは胸を張って生きていけそうだよ! それじゃあ、本当にありがとう。またね、おねーさん」
◇「……最後だからって色々言って去って行ったわね。……さっきので200回目の挑戦? あの子、思ってたより粘り強い子だったのね。それにしても変なおねーさん、だと? ……いや、実際変か。……さーて、明日が休みでよかった。帰ってケーキ食べながら映画でも観ようかな」
少しだけ書き直そうと思っていたのですが、結構増えました。
読んでくださり、又は使ってくださりありがとうございます。
表紙絵はこちら。
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ボツはこちら。
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