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待ちぼうけ  作者: 雨世界
1/5

1 今まで、どこにいっていたの?

 待ちぼうけ


 プロローグ

 

 信じています。あなたのことを。いつまでも。……今も。これからも。 


 本編


 今まで、どこにいっていたの? 


 本編


 好きな人がいるの。本当に好きな人。それはね、あなたのことです。


 初めまして。竹のお姫様。僕は笹野雀って言います。

 

 豊田竹 小学六年生


 笹野雀 小学校六年生


 竹はよく昔から猫によく似ているね。と周囲の人たちから言われていた。

 鏡を見てみると、確かに私は少し猫に似ているかもしれないと、竹はそう思った。(とくに目が猫目というか、確かに猫ぽかった)


 ずっと、髪を長く伸ばしていて、ずっと続けている趣味のかけっこのときは、その髪をポニーテールにした。(なんだか、猫のしっぽみたいだった)

 短くしようかな、と思ったときも、何度かあったのだけど、(とくに悲しいことがあったときだ)結局、長いままにしていた。(やっぱり、ずっと伸ばし続けている髪を切るのは、とても勇気のいることだった)

 竹ちゃんは髪がすごく綺麗だね。って、みんなから褒められた。

 竹ちゃんは走っている姿が、すごく美しいね。って、みんなからよく言われていた。


 竹ちゃんは美人だよね。可愛いし、髪も長くて綺麗だし、肌の色も白いし、まるで、本当の中世の貴族のお姫様みたいって、冗談で言われることもあった。(竹って名前から、かぐや姫を連想して、竹のお姫様っていうあだ名で呼ばれていたときもあった。そのあだ名は、竹はあまり好きではなかったのだけど……)

 実際に竹は教室のクラスメートの男子からよくもてた。

 告白されたことも、なんどもあった。(その度にその全部にごめんなさいをして、お断りしていたのだけど……)

 そして、それと同じくらい、教室のみんなから、(男子からの告白のたびに)騒がれたり、いじわるされたり、からかわれたりもした。

 そんなときはひどく落ち込んだけど……でも、それでもやっぱり小学生時代の竹は幸せだった。(かばってくれる友達がいたし、なによりも、本当に好きな男の子がすぐ近くにいてくれたからだ)


 同じ教室の笹野雀くんと一緒の図書委員になったときに、竹は笹野くんから「あの、実は内緒の話があるんだけど、あとで図書委員の仕事のときに、聞いてもらえるかな?」と言われたときに、竹はすぐにそれが笹野くんからの恋の告白なのだと思った。


 その日、竹の心臓は笹野くんにそう言われたときからずっと、どきどきしていた。


 小学校五年生のときに、笹野くんがこの街に引越しをしてきて、竹のいる小学校の同じ教室に、「初めまして。僕は笹野雀と言います」と言って、転入してきたときからずっと、竹は笹野雀くんに片思いの恋をしていたからだった。

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