あとがき
『パラメーターを戦闘力に極振りしてる幼馴染から離れようとしたら、なぜか巨乳のお姉さんに迫られてるんですけど!?』完結記念ネタバラシ
いやぁ。
久しぶりに新作長編を完結できてほっとしてます。最近は書くのが億劫になって、そんなに長い作品をかく余力がなかったんですよね(苦笑)。
まずは最初にブックマークしてくださった七名の方、ありがとうございます。4月の途中の時点でお読みくださってる証がなければ、本当に心が折れるところでした。
また最後の最後までお読みくださってるそこのあなた、ありがとうございます。途中で息抜きに書いた一切関係ない短編とかから入ってくださったかたもみえたようで、作者としてはすごく嬉しかったです。
そして、スペシャルサンクスとして、1部分めに貼らせていただいたイラストを描いてくださったNarim様、本当にありがとうございました。
前々から無茶振りをしていたのに、今回も快く依頼を引き受けてくださり、感謝しております。
実を言うと、なろう投稿分のみでカウントすると現代日本が舞台で十万字以上書いたのは、この作品がはじめてなんですよ。それ以外にも『お初』祭りですね。
なので、書き出し祭りでこの作品だということを公表したとき、めちゃくちゃ驚かれた記憶が…
楽しく書かせていただきました。
この『お初』祭りの話に戻りますが、この作品は十万字以上の長編として、
*初の男性主人公
*初の一人称
*初のサブヒロイン付き
などの『お初』がありました。
さて、この作品のネタバラシをいきましょう。
[作成背景]
この作品、実は焼き増しです。
…というのは冗談ですが、7年前?の作品が大元になっているのは間違いではありません。
その作品を改題、プロットを全面見直し、さらには三人称から一人称にして、年齢をちょっといじくり、登場人物の設定を変えたというのがこの作品になりました。
ようは遺跡から出土した埴輪をひたすら粉砕して、土の状態に戻して、それを再び埴輪にしたという感じです。
というのも、構想はあったものの、いろいろな原因により、二人をくっつけることができなかったので、7年越しにくっつけてやりたいという願いが私の中にありました。
なので、まどろっこしい方法でしたが、今回ええいとばかりに書きあげたのです。その思いがなければ、私の中では過去の作品なので、書くつもりはなかったのですが笑。
[あらすじあれこれ]
実は四章から六章まで(五位会議やら総花が首領を受け継ぐ話)はパイロット版にはありませんでした。現在のバージョンに変えたとき、どうもしっくりこない。なんでだろうと考えたとき、三章と七章の間が開きすぎていることに気付き、追加エピソードとして入れようと決意しました。
そして一番悩んだのはエピローグ。
最終章前半は規定路線だったのですが、後半はどれが正解なのか再び書き出したときには迷ってました。どうすれば一番丸く収まる、読者も作者も納得できるのかということで悩み、3案作りました。
1.総花と櫻、駆け落ち
「互いがすべて捨てて逃げる」ことを選択するのは、彼らにとってある意味で正解です。
でも、そうするとバッドエンドになる。
ということで、早々にボツになりました。
2.総花と櫻、互いの立場を捨てず、こっそり付き合う
乙女ゲームかい…笑
ノーマルエンドに近いですが、子どもが産まれたら親権どうするんだろうという問題が発生するので、これもやむなくボツ。
3.総花だけが立場を捨てて、櫻の影にいる(現行案)
これなら読者も心が折れないし、作者としても再び書いたかいがあるなと気づきました。
そしてまた、彼らにとって最適解なんだろうと気づきました。
作中では櫻が引き留めるため、思いとどまるために絶叫しましたが、総花にとっての櫻はすべての行動要因でもあり、櫻にとっても総花はいなくてはならない存在だから、普段はあまり使いたくないのですが「愛の力(笑)」は絶対に働き、二人は結ばれるという結末にもっていくことにしました。
そして本当は番外編には本編に出てきた細かなネタが仕込まれているのですが、ちょっと時期が悪かった_(:3 」∠)_
まだ勢いに乗って別作品を書かなければならないので、番外編は秋頃にでも書かせていただきます。
[登場人物あれこれ]
パイロット版での主人公は櫻でしたが、諸々の性質上、総花からの視点で書こうと最初から考えていました。
そして、ほとんどのキャラクターは前のものとと変わりはないのですが、二人ほどあちらから性格、容姿が変わったキャラクター、そしてより深く掘り下げられたキャラクターがいます。
作者なので当然どのキャラクターも好きなのですが、その中でも思い入れの強いキャラクターが三人います。
*伍赤柚太
柚太の食えないところは彼らの世代(流氷、山吹、笹木野と柚太を含めた四人)を象徴するものでもありました。
その点、総花や榎木の世代って、感情を表に出しすぎです笑
*皆藤薔
薔の『茜好き好き』っぷりは書いてて楽しかったり、柚太に対するリスペクトの度合い、流氷に対するなんともいえない冷ややかさ(まあ流氷から茜に対しての接し方を見ていれば納得な気もしますが)は、作者としては珍しくも普通の感情の持ち主。別作品のサブヒーローを思いだします。
*一松榎木
比較的前半・中盤では食わせ物としての側面が強い彼ですが、最後の叫びは小さいころから総花と櫻を見ているからこそ。
本当は笹木野さんとか三苺苺・野苺とかの話もありますが、あまり字数が長くなっても仕方ないのでこれぐらいにします苦笑
[最後に]
自分はカメレオンという暗示をかけて書いた作品でもありましたが、最後の方になってくると結構執筆をしなきゃという『義務』のような感じで書いてましたので、そこは少し(かなり)反省しなければならない部分でしたが、それでも二人の幸せを書くことができてホッとしています。
次回作はもう決まっていて、これとは全く違う世界・内容ですが、またそちらもお楽しみいただければ幸いです。
鶯埜 餡 拝




