プロローグその2
プロローグの2話目を投稿です。プロットに色々付け足したくて中々執筆が進みません……
やっと次話から主人公が異世界に召喚されます。
―――異世界『フローリア』
邪神を倒した勇者が建国した『ヤマト王国』
その王都『イズモ』には様々な種族がいた。男女共に美形が多く、長寿で魔法に長けたエルフ、ズングリむっくりな体型だが、手先が器用で鍛冶では右に出る者いないと言われるドワーフ、はたまたファンタジーでは敵として登場する代表のゴブリンにオーク、もちろん人族もおり、皆、大通りに出店されている屋台で食べ物を買って食べたり、広場のベンチに腰掛け歓談したりと、それぞれが楽しんでいた。
その中でもある話題で持ち切りだった。
「勇者様と魔王様が手を取り合って邪神を倒して五百年、それを祝して再び勇者様を異世界から呼び出すらしいぜ!しかも勇者様は姫様と結婚するってことで何とも羨ましいな」
「勇者様ってどんな方かしら~イケメンで優しい方だと良いわね」
「そりゃあ、イケメンで優しくて強いに決まってるでしょ。勇者様なんだから」
王都のいたる所で勇者を再召喚する話題が挙がっており、どれも友好的な内容ばかりだった。
―――王城のとある一室
「ふぅ……」
ため息を吐いたのは何処か憂い気な表情を浮かべる美少女だった。腰まで伸ばされた銀髪に碧眼、顔と胸は少々幼くはあるが、それを差し引いてもまごう事なき美少女である。
そんな彼女『シルフィーナ』にはある不安があった。それは市井でも話題になっている勇者の召喚についてだ。
邪神が倒されてから五百年の月日が流れ、以前は争っていた人族や魔族たちは友好を結び今では、種族に囚われない巨大国家が形成されている。
それぞれの種族の得意分野を活かし、建築や料理、魔法など様々な文化が発展を遂げた。おそらく今の世界で一番繁栄している国を挙げるとすればこの国しかないだろう。それ程にこの国は繁栄を極めていた。
「勇者様……一体どんな方なのでしょうか?背の高さや胸の大きさを気にされる方でしたらどうすれば……」
少女の微笑ましい不安に側で待機していたメイド『リズレット』が返す。
「大丈夫で御座いますよ、姫様。必ずや勇者様は姫様を愛し下さいます」
「ありがとう、リズ。けれどリズは胸が大きいし、大人の女という雰囲気を出しているじゃないですか」
「御褒めに預かり光栄ですが、胸が大きいと肩が凝ったり、動きが阻害されますので邪魔になりますよ」
苦笑いしつつ、シルフィーナに胸が大きい特有の悩みを話すが納得はしてもらえなかったようだ。
「お母様も大きい方ではなかったので諦めるしかないのでしょうか……」
なおも自らの胸とリズの胸を見比べながら悩んでいるシルフィーナにリズは話題を変えることにした。
「此度召喚を行う勇者様の件ですが、召喚準備が完了したとの報告が第一魔術師団よりありました。召喚は明日の正午に決行されることが決定致しました」
「まぁ!ついに勇者様にお会いできるのですね。今から緊張してしまいます。」
先ほどまでの不安が嘘のように笑顔を浮かべながら明日のことを想像している様子のシルフィーナを見ながらリズレットはあることを考えていた。
―――もし、勇者様が姫様を傷つけるような者だった時は……
そう心に誓うリズレットだった。
―――ある貴族の邸宅の地下室
暗い地下室の中では集会が行われていた。参加している者は皆一様に黒のローブを身に纏い、顔を確認することは出来ない。
祭壇を前にした大柄の者が声を発した。
「例の件の準備はどうなっている?」
「その件でしたら滞りなく準備が出来ております。配下の者を忍び込ませるのには苦労致しましたが、召喚陣への細工は問題なく」
大柄の者は頷き、周りを見渡した。
「ついに我らが宿願を果たす時が来た!憎き勇者と魔王に邪神様が討たれ五百年……貴き御方への信仰を忘れた愚か者たちに邪神様の復活とともに再び破壊と恐怖を刻み込むのだ!邪神様に栄光あれ!
「「「邪神様に栄光あれ!!」」」
―――世界に再び危機が迫っていた。




