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プロローグその1

花結はなゆいと申します。初投稿の作品となります。

―――とある異空間で激しい戦闘が行われていた。

 歴代の中でも最強と謳われた勇者が聖剣を振るい光り輝く斬撃を、あるいは世界を恐怖に陥れたと言われた魔王が極大の魔法陣から光を放ち、いつ終わるかも分からない戦いを続けていた。


 勇者の鎧は所々が欠けており、以前は見る者が感嘆するほど美しかったであろう輝きは失われている。一方、魔王も勇者と変わらない様子で鎧は砕け、頭部に生えている禍々しい角は片方折れている。


「魔王、まだ行けそうか?」

「私を誰だと思っている……と言いたいところだがそろそろ魔力の限界が近い。」


 二人が体制を整え、睨み付ける視線の先には、圧倒的な存在が居た。


「魔王よ、ただの駒に過ぎぬ者が創造主である我に刃向かうとは……」


それはただ言葉を発しただけであったが、それだけで空間が軋みをあげていた。


 そう、勇者が魔王と戦っていたのではない。二人は手を組み、さらに上位の存在と戦っていたのだ。

―――邪神、それが世界の真の敵だった。



 まだ、世間では殆どの人たちが眠っているであろう時間に少年は気怠そうにベットから身を起こした。


 「はぁ、またあの夢か……」 


 それは少年が幼い頃から繰り返し見てきた夢だった。


 「本当に勘弁してほしいよな。自分の痛々しい過去を何度も夢に見させられるとか新手の拷問ですか!?」


 苦々しい表情を浮かべ少年はそう吐き捨てた。


 少年はこことは違う世界、所謂『異世界』から『地球』へ転生してきた存在だった。さらには『邪神』というなんとも嬉しくない前世を持っている。

 

 「勇者とかマジでチート過ぎるだろ!?何だよ、敵であるはずの魔王と和解して攻めてきたから軽く捻ってやろうと思って追い詰めたら『勇気』、『絆』、『愛』とか謎のパワーで大逆転!最後は全力出したはずなのに上回ってくるし……」


 周りから見たら確実に頭のおかしい人だと思われても仕方がない内容をぶつぶつと呟くこと暫く、漸く気分が落ち着いたのか少年は大きな伸びをした。


 「ふぅー、しかし勇者と魔王に倒されて、魂を砕かれた後にクソ女神が俺を他の世界に飛ばすのは予想外だった。」

 

 勇者を呼び寄せた愛と絆を司る女神『イヴェリア』に残り少ない力を封印され、無理矢理繋げた『地球』に魂を送られた。そして『日本』に『人間』として転生して早、十六年。魂を砕かれた影響か以前のような破壊衝動はない。


 これが良いことかは分からなかったが、今世で優しい両親に恵まれ、喜怒哀楽という『感情』を知り、生きることを楽しんでいた。


 「まぁ、クソ女神はバカだからとんでもないミスをしてたワケだが……」


 確かに女神は邪神の力を封印した……が、そこからがお粗末だった。邪神の魂を異世界に送る際に繋げた『穴』、それを作る力をケチったのだ。結果、『穴』は最低限の広さしかなく、地球側に送られて霧散するはずだった邪神の魂の欠片は殆どが邪神の元に残ってしまった。


 「力は以前に比べて落ちたが大体8割くらいには戻ったな。使う機会なんてないけど。」


 十六年生きていた中で、少年は『地球』の様々な文化に触れてきたが、その中でも興味を引いたのは日本のアニメや漫画、ライトノベルなどのサブカルチャーだった。

 『地球』では存在しないはずの『魔法』や『武器』、『種族』を空想の産物として様々な視点から描かれた内容には感心する点があったため、色々な作品を読み込んでいた。

 

 そしてある時に知った言葉。

―――中二病、ある年齢になると発症するという病。自分は特別な存在であり、他の人とは違う力があると思い込み、特有の言葉や行動をするようになる。

 

 中二病を知る内に少年は思った。

―――これって、前世の俺のことじゃねーか!



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