栗月とモンブラン(蛇恋歌)
元の詩です。
さすがに、ひかれるかな、と、菫子バージョンに書きなおした次第です。作ったのが、こちらが先という事実からわかるように、私自身、蛇の詩のほうが実は好きだったりします。
あのね夜は、栗月がしろくて
庭いちめんを、てらしてくれるよ
かげまでこくて驚くあかるさこころも霽れる。
珈琲はブラックでも、あまいモンブランをほお張って
くちびる 舌でぬぐうさま こどもみたいに可愛いよ
せっかくブラックでも、にががるなというから
舌を誤魔化すためにもあまいものたべていたのにね。
ミーナの横でちいさな蛇がかま首持ち上げ
ほんとうにほしいものを誤魔化すために
赤い蛇の目ギョロッと転がし、
苦しい嫉妬をはりつけつづけた笑顔をかんちがいして
ミーナを愛していることにさせられた。
でもねそのかんちがいの笑顔が蛇の、おまえの
愛情を欲してのものだと気づく前に、ましろな
にががるなにががるなとミーナにいい続けながら
モンブランをほお張る頰に、蛇よ、
おまえの頰に
人差し指のばし、マロンクリーム取ってあげるね?
もし、ふたつとも読んでいただけていましたら、まことにありがとうございます。できましたら、ふたつの詩の読後感とかお聞かせいただければ、さらに、ありがたいのですが。
よろしくお願いします。