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詩花

詩花 木はただそこに

作者: 葵冬弥

苦しそうに沈んだ顔


どうしたの?


冴えない表情に光はなくて


瞳は輝きをなくして


何があったの?


訊けずにただ


君を見てるだけ


踏み込んだ話をするのは


距離がまだ遠くて


できることは


ただ傍に寄り添うこと


ただこれからのことを


見て見ぬふりをして


明日には忘れていること


そっと君は背中に額をつけて


小さく震えだす


声もなく


嗚咽もなく


雫がただ服を濡らしていく


頭を撫でるのも


肩を抱くのも


掴めない距離感で


ただ手は少し虚空をさ迷う


結局は何もできない


何も訊くことすらできない


だから


それなら


ただ空を眺めて


何かに思いを馳せよう


そんなこと


できるわけないのだけど


ひとしきりの涙を流した君は


静かに突き放して


誰かの名を呟き


違うからと溢し


去っていく


追えない距離感


ただ何があったのか


心配になるだけで


その後なんて


君がまた笑えてるなら


それで良い


そう言い聞かせて


この場所に立ち尽くし続ける


木はただそこにある

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