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魂宿る美術館  作者: 三の木
はじめに
1/28

*1 魂宿る美術館




 S県宿木やどりぎ市では「もの」には魂が宿ると昔から考えられてきた。いつしか大切に作られ、扱われた「もの」の魂が人々に姿を見せるようになった。姿を見せると言っても、いつでも誰にでもという訳ではない。ときに作り手の元に、ときに大切に扱ってくれた人の元に、その魂は姿を現す。


 そして、今から30年前、宿木市に1つの美術館が建てられた。その名も『宿木美術館』。敷地面積28,872m²。上から見るとカタカナの「エ」のような形をしている。豊かな緑と花に囲まれ、大きな噴水が人々を出迎える美しい美術館である。


 不思議なことに、ここに収蔵された作品は次々とその魂を人々の前に現した。作品に宿った魂が人の形を取って現れるのである。誰にでも見えるわけではない。見える人と見えない人の違いも、なぜ見えるのかも謎のままだ。ただ、彼、彼女らはたしかに存在し人々に語りかけてくる。


 いつしか宿木美術館は「魂宿る美術館」として、世界中で有名になった。




 この美術館で働く条件はたったひとつ――作品の魂が見えるかどうかである。





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