0*プロローグ
はじめまして、ENです。
連載小説始めました。SFです。だいすきです。機械と人間です。戦います。愛が生まれます。……生まれると、いい。
よろしくお願いします。
人間の脳にチップを埋め込み、コンピューターで支配する。その行為が倫理的に良くないとされていた時代があった。
それを最初に破ったのはある先進国。十数人で構成された小規模な軍隊を、その改造人間で作った。数百の軍隊にはさすがに勝てないだろう、と見込まれていたが、予想以上の戦闘ぶりに、先進国は放り出した。
制御できなくなった改造人間の軍隊を手放した。彼らは自ら改造人間──セカンドと呼ばれた──を作り出す意思を持ち始め、だんだんその軍隊は拡大していき、他国へも侵攻を始めた。
たった4年。
4年で世界は変わり果てた。人間も残ってはいるものの、改造人間に支配された世界になっていた。反抗すれば、殺される。気に入られなければ、殺される。
それまでに対策は何度もとられていたが、それら全てが失敗に終わっていた。ウイルスを彼らの脳に流す、という方法はすでにできない。彼らの脳がウイルスを跳ね返す知能数を持っているからだ。
最初に改造人間を作り出し、最初に荒廃したある先進国は、技術者たちが新たな組織を作り出していた。潰れた我が国を復興するため、改造人間を殺すため。
そして先進国は、プロトタイプ──つまり最初に作った改造人間の侵入権を持っていた。
ウイルスは無理でも、物理的な干渉は可能だった。それまで、民間人への被害に繋がると手を出してこなかったが、もうすでに無事な民間人はほぼいない。
皆、地下に逃げた。
「……しね……!」
プロトタイプが死ねば、完璧な支配下に置かれていたセカンドも自滅するか行動を停止するだろう、と。彼らには意思を持たせていないはずだ、反逆に繋がるから、と。
プロトタイプは爆破した。
各地に散らばりセカンドに指示を出していたプロトタイプは死んだ。
プロトタイプは死に絶え、セカンドもエネルギー源である太陽光から遮断される地下に押し込められた。
それまで地下帝国のようなものを作り隠れながら生活していた生き残りは外に出てきた。
もちろん自分の家族がセカンドにされている、という人間もいた。しかし、もう悪夢は終わったのだ。泣きわめいているだけでは何も進まない。
彼らは荒廃した地を復興し、もう一度そこに住むことを誓った。この日を、人類が地上に帰ってきた日とし、「帰還の日」と名付けられた。
人間は、3つのことを見逃していた。
1つは、プロトタイプが死ぬ直前、セカンドに自らの意思をうつしていたこと。
1つは、生きる中で自然と意思や自我を持ち始めたセカンドの上位種が、人間からではなく0から戦闘ロボット──サード──を産み出していたこと。
最後の1つは、地下帝国にはあるエネルギー源があったこと。
プロローグでした。
ネーミングセンスがなくて!
本当はプロトタイプとかセカンドとか帰還の日とかありきたりのじゃなくてかっこいいのがよかったんですけど!
ちょっと……産み出せませんでした……
ここまで読んでくださってありがとうございます。
精進します。