2 侵入者アリ!
本当は隠れるべきじゃなかったんだ。
わかってるけどさ、俺たち、真っ赤な顔で呼吸あげてはぁはぁ言ってたし、どうしようもなくてさ。
本番行くとこだった?なんて言われたら、最悪じゃん?
二人、手を握りながら、勿論無言で小さくなっていた。
見えたのは緑のバレーシューズ。つまり1年下の2年生。
その男の方が
「どうする?」
って、微妙ににやけた声で言った。
俺はえっ?て思ったさ。それは平松も一緒みたいだった。
その声に心当たりが有ったから。
花園巌は超有名人。
どこからでも目立つ身長180cm強におっとりとした甘いマスク。
血筋はお公家様と噂される品行方正の見本の様な下級生。いつだって学年代表だ。
その彼が俺たちの方へ近づいて来て・・・・!
みしっ。
よりによって隠れているベッドの上に座りやがった。
なに、体調不良?今、放課後だよ、少年。早く帰りやがれ!
俺の心の声が届くはずも無く。
「いつまでそうしているつもり?もう少しで6時だから時間はあまりないよ。」
と、なんだかもったいぶった声が聞こえた。当然俺たちに言った訳じゃない。もう一人の方に向かってだ。
挙げ句に
「ラッチ、掛けなくていいの?」
と。
なんだか嫌な予感がした。
すんなりした、というより心持ちむっちりした二本の足が扉に向かい・・・・
かちゃり!!
ラッチが掛かった。
これって!?
俺は思わず顔を引きつらせた。
“どこまでが不純異性行為?”
って、さっきまで調べてたよな?ここ、公共の場所じゃん?いやいや、まさかな。常識的にやらないよな、そんな事。
「カーテンは?した方がいいんじゃない?それとも見られた方がいい?」
その一言でますます状況は怪しい方向へ。
俺は生唾を必死になって、飲み込まない様に、いや、溜まったものはしょうがない、出来るっだけ音がしない様に飲み込んだ。
彼女の足が窓の方へ向かい、なぜか
「それは止めとけば?」
と彼。
何を止めんの?って考えてると、一言やんわりと。
「閉めたら暑くなるよ。」
どうやら彼女は窓も閉めようとしたらしい。ってか、男の口調は
「窓、閉めんな。」
って聞こえた。
・・・・マジかよっ!!
これが本当なら、ヤバくない??
とりあえずあんた、品行方正の手本の様な男じゃなかったのかよ????
俺は降って湧いた疑問ってヤツにショウゲキを覚えた。
こいつ、もしかして、アレか!?
カーテンが大きくはためく音がした。
花園の必要以上に長い足が俺たちの目の前で90度くらいの角度で開かれていた。
笑いを含んだ声が、
「これから1時間で2回か。英、頑張れよ。」
と言った。
英!?まさか!!
俺たちは顔を見合わせた。
予想はしていたさ。こいつの彼女は有名人だし。
でも、張本人が今、本当にこうしてここにいるなんて。さすがに別人だろうなって正直思ったし。
花園、モテそうだし。そう言うお友達って有りでしょうって。
何しろ英詳子は花園以上に有名人。
彼と同じ2年生で、父親は最高学府の教授。彼女自身は常に全国模試の上位に位置し(つまり満点の同点一位って事よ)学園一の秀才の名を思いのままにしていた。
その上PTAおよび先生方の信任も厚い、名誉奨学生。
高校生ディベート大会筆頭候補で、生徒会評議委員。何かある度学園代表。
正にSクラス。誰にも負けない権力者。
でも見かけはそうじゃない。小柄でちょい、いやかなりロリ入った童顔に、少し大きめの眼鏡。一部マニアに大人気の、むっちり少女。そこだけサイズがFクラス。
表のあだ名が“強気の英”で、影のあだ名が“版権者”。アニメのパロディみたいだって言う事らしい。もち、エロアニメ。どっちにしろ普通じゃない。
でも推定処女。
その、英????
彼氏182cm 彼女 148 cm 。サイズだけでも犯罪だ!
ベッドがみしり、と鳴り、不必要に長い足がさらに長く前に動く。
「2回の約束だよ。破ったらまたお仕置き。」
その意味を考えようとするのだけれど、答えは一つ以上考える事が出来ず・・・・。
「俺が上でもいいけど、どうする?お前の制服ぐちゃぐちゃになっても知らないぞ。」
ってその一言で、やっぱ、アレかって、納得してしまった。
ベッドの上にあるカーテンのしきりがシャァーって派手な音を立てて閉まった。
やっぱ、アレだ!
保健室ででくわして つづく
更新が遅れていてご免なさい!!低空飛行すれすれで、かなりヤバい状況なんです・・・とほほ。
春エロスに出品予定だった「彼女。」の方は投稿終わっていますので、えろけりゃ何でも!という強者は、
良かったら読んでやってください。作者ページかあらすじページから行く事が出来ます。
とにかく頑張って書きます!!