あり得ないのは自分の設定だったことにようやく気がついた、が、時すでに遅し
もう、新しいアイディーアなんて出てこないよ!
そう、投げ出しそうになっていた、その時だ!
イケるある、このアイデイーアならイケるあるよ!
一体誰だ!
くっくっく、わたしはガムテイシアから来た、アイディア商人チンアルヨ
誰、それ、しかも結局ガムテープ?
違うね、ガムテイシアはガムテープじゃなくてセロテープアルネ
マジッスか!アホッスカ!却下‼︎
サラバアル
当然だ!だいたいセロテープならセロテイシアにしろ!
ああ、全然進まんぞ!
そうこうしている内に私はウトウトと寝てしまった。
はっ!
私はふと目が覚めた、そして周りを見渡した。
気持ちの良い草原だった。寝ている頬まで伸びた柔らかな草、飛び回っている可愛い小鳥達、あれっウサギにリスまでいるぞ!ここはどこだ?
ふと、隣に人の気配がした。
慌てて振り向くとそこには?
誰?
見たこともない美しい女性だった。真っ白いドレスを着て、肌は色白で細くしなやかな腕をしたどこか幼い顔をした女性が僕を見てニッコリ微笑んだ。
「やっと目が覚めましたね、ガムテル様」
ガムテル?え〜!ウソ〜ん!
ふと左手首を見てみた。
あ〜、やっぱりガムテープが一巻き腕にはまってる!
夢だとしても、これは無いわ〜!
まぁ、可愛い女性がおるからいいけど!
でも、どうせならもっと巨乳でセクシーなお姉様がタイプなんすけどねぇ!
そう、思っていたら、突然空が暗くなってきた。
雨、雷?
とりあえず、草原の真ん中にいるのはまずい、立ち上がって女性の手を取ろうとした瞬間!
空からすごく大きな低い羽音が聞こえてきた。
この音はなんか聞いたことがある。
ファンタジーえいがとかで出てくる大きな。
音がする空の方を見上げてみる。
やっぱり、ドラゴンさんですね、はぁ。
なんか背中に黒光る剣をもった黒い騎士が見えます。
ターゲットはこの白く美しい女性でしょうね。
女性が僕の後ろに密着して隠れる。
だから、もっと巨乳がいいんだよ、当たってねーよ、と心の中で叫ぶ。
「ガムテル、お願いです。倒して下さい。」
はい、ムリ!ガムテープ一巻きじゃ勝てません!
しかし、夢なんだしやって見るかなっと、お任せ下さい。
さて、まだドラゴンは空中で距離があるのでここは、あの手でいこうか!
僕はカッコ良く右手で左手首にかかってるガムテープを引き伸ばし、テキトーなところでちぎって丸める。
いくぞ、ガムテルボンバー!
ドラゴンに向かってなげた、体に当たったが。
もちろん硬い鱗に包まれたドラゴンに効くわけもなし。
うん、ガムテープじゃ勝てん!
逃げよう、そう後ろの女性に促し走り出そうとする。
凄まじいドラゴンの咆哮が、思わず耳を塞いでしまう。
すると、ドラゴンは口から激しく炎を吐いた!
激痛が背中から走る、続いて凄まじい熱気が、声も出ない痛みと熱にそのまま倒れて動けない。
そして、記憶が薄れる。
やっと夢から覚めるのか、そりゃガムテープはないよね、改めて反省しつつ記憶を失った。
で、目が覚めたら、そこは、そう、異世界ってやつでしたー!
もう、ありがちな設定でファンタジーの世界に来たみたいです。
しかも、さっき一緒にいたのは、そう、やっぱりお姫様!
僕のせいで連れ去られたらしいです。
ウソでしょ!
っとつねっても、殴っても、寝直しても、元の世界には戻れません。
最悪です。
回復したら姫様を救い出してこいって、ムリムリ、しかもあるのは一巻きのガムテープのみ、そんなあり得ない話聞いたこともないわ!
あ、これがあり得ない設定ってやつか?
うん、そうみたいだけど、無理ゲーですわ!
ああ、元の世界に戻りたい!
次回に続く