事の結末
ふと目覚めると見覚えのない景色が飛び込んでくる。
ガラガラと揺れているから多分馬車の中だと思う。
「えっと、どうなってる?」
ポツリと呟きながら体を起こせば、そこにはエリー達がいた。
ミリアと楓の姿は見えないから、多分御者をしているかだろう。
「お目覚めになられたのですね、良かったです」
ニッコリと嬉しそうに微笑むファニー。
「心配しました」
胸に手を当て胸を撫で下ろしている様子のシンディー。
「お兄ちゃん、良かった!」
満面の笑みで抱きついてくるエリーを受け止める。
「ふふ、あの戦いは凄かったぞ」
楽しそうな口調で言うアリエッタ。
「いや、凄いってレベルじゃなかったような。
うん、もう絶対戦いたくない」
ブツブツと青い顔で呟くアレス。なんだよ失礼な奴。
「大丈夫です、あの人達がおかしいだけですよ」
慰めるように言うキャサリン。ってか、お前の方が遥かに失礼だぞ。
まぁいいけど。
「これからよろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げるやたら豪華な服を来た女の子……って誰!?
驚く俺にニッコリと微笑み、見知らぬ女の子は口を開く。
「私ハミリアと申します。
今回シンイチロウ様がランクⅦにとなりましたので、王族からのプレゼントとして私が参りました。
その時に他の名も捨てておりますし、どうぞご自由にお使い下さいませ」
「待て待て、訳が分からないが、ランクⅦ?
ってか、どうなったんだ?」
混乱する俺にひょこっと楓が顔を出して楽しそうに言い出す。
「シン兄じゃなかった。アナタおはよう。
私もランクⅦ貰ったからお揃いだよ!」
「いや、それは良いんだが。
頼むから状況を説明してくれ」
困り顔でお願いしてみれば、分かったと言った瞬間引っ張られたか楓の姿が消え、代わりにミリアが顔を出す。
「ふふふ、シンさんと楓っちの戦いを目の当たりにした王族がそりゃぁもう慌ててね。
で、面白かったから色々条件出してみたら、あっさり呑み込んでくれて。
変わりにランクⅦのままでいてくれないかって言われちゃってね。エリーちゃん達の故郷だしまあいいかって承諾したのよ。
ああ、シンさんを陥れた奴らはちゃんと処罰されたようだから安心してね。
ただ、色々条件出したもののまた拘束されそうだったし、楓っちから話は聞いてるから実家に帰らなきゃならない訳じゃない?
なんで、変わりにその子貰ってきたの。
なんか色々可哀想な立場だったしね」
「ふんふん、端折りすぎ。もっと詳しく頼むぜ」
正直な感想を口にすれば、今度は返事する間もなくミリアも姿を消し、外がにわかに賑やかになる。
多分楓と言い争っているのだろう。
なんだろう、まぁ平和そうだしいいっか。
「んー、よく分からんが、とにかくその子も旅の仲間って訳か。
よろしくな。
後、皆説明頼む。どうせ道中は長いんだし」
そう口に出せばハミリアが深々と頭を下げ、皆は苦笑い。
まぁ、あんな説明じゃぁさっぱりだよな。
気付けばランクⅦという最高位まで上がった訳だが、見事成り上がったと言うのに面倒事ばかりが増えそうな事態だったようだ。
話を聞く限り、俺等を利用しようとしてそうだったから、まぁミリアと楓が脅しを掛けて馬車を強奪してって流れのようだ。
うん、何と言うか……大丈夫か?
まぁ、この子を一時預かって必ず返しに来るからって事で納得してもらったらしい。
アリエッタが腹芸出来て本当に良かった。
ああ、ちなみにホーリンだけど、丁度仮眠のローテンション中だったらしく、起きた時俺の姿を見て膝をつかれた。
なんかあの戦いで思うところがあったらしく、手ほどきをって言って聞かなくもなったが……前よりマシだからちゃんと対応している。
そんな訳で、いよいよ実家に帰る事になった訳だ。
色々感慨深い思いを胸に、奴隷闘士として過ごした国から出るのだった。
最後も更新が遅くなって本当に申し訳ございませんでした。
これを持ちまして奴隷闘士から成り上がれ! を終幕とさせて頂きます。
色々力不足なのが露呈した本作ですが、同時に勉強させて頂きましたし、とても為になったと思います。
ただ、私自身納得がいかない所が多々ございますし、本作を表現するのに1人称では難しいとも改めて思いましたので、3人称で改めて書き直す所存であります。
3人称バージョンは12月1日から同じく毎日10時更新で連載をしようと思いますので、どうぞそちらもお楽しみにして頂ければと思います。
これ以降の話は3人称バージョンを同じ箇所まで書き終えてから考えたいと思います。
それでは、ご閲覧頂き誠にありがとうございました。




