第五話 七星王
地獄の修行が始まって1ヶ月が経った。
未だに師匠の攻撃を避けるので精一杯でこちらから攻撃することができない。
だけど魔力の使い方とかはこの1ヶ月でだいぶ慣れてきた!そのおかげで使える魔法のレベルもだいぶ上がった。
それに、打ち込み稽古じゃあある程度反応することができるようになってきた。
まぁ師匠は半分の力も出してないだろうけど、、、
「あぁ〜〜今日も死ぬかと思った〜!」
「この程度でへばってんじゃねぇよ、お前には今の七星王と同等の力を付けてもらわなきゃ困る。」
「なんすか?そのシチセイオウって」
「まぁ、ちょうどいい、休憩がてら教えてやるよ」
「マジで!?ラッキー!」
「たくっ、、、」
かつてこの世界を滅亡の危機に陥れた厄災”破滅の大地”
その厄災の封印を成功させた七人の戦士がいた。人々は彼らを称え、後世に残すため七星王と呼ぶようになった。それから120年七星王の伝説は今も語り継がれている。
余談だが未だかつて七星王を超える実力を持ったものは現れていない。つまりこの世界で七星王を上回る者が存在しないということだ。
「えぇ~そんなことあります?だってその七星王ってのが現れてから120年経ってるんですよね?」
「少なくともそれより強いやつが一人二人いてもおかしくないと思うんですけど」
「お前は何を勘違いしている」
「うぇ?」
「今でもそいつらは生きてるぞ」
「はぁぁ!?だって120年も経ってるんですよ?人間がそこまで生きれるわけないじゃないですか」
「お前はいつまで自分の世界の常識で考えてるんだ」
「あ、、、」
「種族レベルが神話級に達した生物は自身寿命を好きなように操れる。だから何年生きようがそいつらには関係ねぇ」
「マジっすか、、、じゃぁ七星王全員が種族レベル神話級で今でも充分に、なんならご健康にお過ごしというわけですか」
「そうだ」
「ちなみにその七星王の人達ってどういう人達なんすか?」
「知りたいのか?」
「めっちゃ知りたいッス!」
「しゃぁねぇな」
七星王1人目は全ての空の支配者であり全ての空が奴のテリトリー、性格はお調子者でよく他の連中をからかったりなんかするが、空中戦になると奴の右に出る者はまずいない最強の天界族。"天空の帝王"の2つ名を持つそいつの名は"ウィリアム=ウィンガー"
2人目、森人族の中でも冷酷で狡猾な性格の氷冬森人族、気に入らない奴がいると即座に氷像に変える。さらには火山の噴火口を氷漬けにして活火山の機能を失わせたり、常夏の島国を氷河期に変えたり、奴を怒らせると大陸全土が氷漬けにされる。見た目も性格も能力もまさに氷の女王。”氷河の女帝”の二つ名を持つそいつの名は”ロイシャ=シャーベット”
3人目はいわば魔法の頂点であり、人間族にして現在の魔法にレベルや習得難易度という概念を作り上げた、現代魔法の生みの親。性格はちょっと引っ込み思案だが魔法に関しては無類の強さを誇る。”大賢者”の2つ名を持つそいつの名は”ディメス=メアリー”
4人目、無口でクールだが人一倍、いや竜一倍負けず嫌いな性格をしている。プライドが高く自分の実力に絶対的な自信を持っている竜人族。”竜人君主”の2つ名を持つそいつの名は”ハーリー=バリントン”
5人目はただひたすら剣の道を極めに極めた女剣士だ。奴の剣速はまさに光そのもの、なんなら光よりも早いまである。早すぎて切られた相手は切られたことに気づかず反撃をしようとして、体がバラバラになるなんてのは良くある話だ。まぁ性格は基本明るく困っているやつがいれば誰にでも手を差し伸べる、まさに正義の味方みたいな奴だよ。”剣聖”の2つ名を持つそいつの名は”アリシリア=フォン=ムーベック”。ちなみに種族は人間族だ。
6人目は今現在全魔大陸の3分の1を支配域としている魔王、だが性格は温厚で無駄な殺生は一切好まないが、実力に関しては七星王の中で上から2番目の強さを誇る。種族は悪魔族であり他の者を寄せ付けない規格外の力を有する。全ての種族が奴のことを"超越魔王"と称す、そいつの名は"グリット=カルボット"
最後の7人目は世界の真理に辿り着き、神の領域にまで足を踏み入れた愚か者だ。そのせいでこの世界を創造した神々から反感を買い、挙句の果てには創造神の1柱を殺し自らその神の地位に就いた。あらゆる生物から"神人"と称され、地方によっては恐怖の象徴として恐れられている。そいつの名は、、、、"ガイア”
「ただでさえヤバいのに最後の一人だけレベチすぎません?」
「なにを言う、人との関係を一切絶ち周りの種族を拒絶し続けた愚か者だ」
「一つも尊敬されるところなどない。むしろ軽蔑され恐れられる存在だ」
「そうですかね?そこまで強かったら自分ならむしろ崇めますね」
「んなことより修行の続きだ、充分休んだだろ」
「ゲッ!いっそのことこの広い森の中に全力で逃げるか、、、」
「バカなこと言ってねぇでさっさと来い」
「あ、はい、、、」
この先翔太が七星王の一人と戦うことはまだ先のお話。