第三話 世界の仕組み
こうして俺の新たな人生が幕を開けた。
そしてこれから始まるのはこの世界で生きていくための修行。師匠いわくすげぇキツいらしいからそれなりに覚悟して挑まなきゃな。
そういえばまだ名前を言ってなかったわ。
「師匠、これからお世話になります。日野翔太です。」
「そうか、俺は”アース”だ。よろしくな」
「はい」
「早速だがそこに座れ」
「え?、あーはい」
ストン
ついにアース師匠との修行が始まる。それにしてもアース師匠のあの顔、どっかで見た事ある気がするんだよな。
まぁ今はそんなことよりこの世界で生きていくためにはだよな。
「今からお前にこの世界について説明する。」
「え?修行には入らないんですか?」
「お前はバカか、世界の仕組みを理解してるのとしてないのとで修行への理解度に差が出るんだよ。」
「マジっすか、、、全然知りませんでした。」
「それを今から説明してやるから寝たら三枚おろしにするからな。」
「、、、、はい」
--数十分後--
なるほど、アース師匠の話によるとこの世界は二つの大陸で分かれているらしい。
一つは俺ら人間や他種族が暮らす一般大陸というもの、もう一つが魔族だけが存在する魔大陸。
魔大陸の場所は一般大陸の反対に位置するらしく、一般大陸が地球の日本だとしたら魔大陸はブラジルやアフリカの位置にあると考えた方が分かりやすい。
さらに魔大陸には13の魔王がそれぞれの国を治めているんだとか。
なんにせよ行かないことに越したことはない。うん!
「よし、ここまでは分かったな」
「へい」
「それじゃぁ次にお前のいた世界じゃ存在しなかった概念、魔法や気法について説明する。」
「おなしゃす!ん?気法ってなんだ?」
「まず、魔法だが、これはもうお前も体感してるよな。」
「え?あ~、あの体の中が熱くなるやつですね」
「そうだ、あれは体の中の魔力が全身に隅々まで巡った証拠だ」
「そのおかげでお前の体は魔力に適応したんだ。見事にな。」
「どうりで体が軽いと思った。」
「そう、それは魔力が筋肉に干渉してお前の筋肉量を増やしてくれたおかげだ。他にも掌に魔力を溜めてイメージすることで魔法を出すことも可能だ。」
ボッ
「こんな風にな」
「おぉ~すげぇ!」
「はじめは火炎属性の魔法を最初に習得する者がほとんどだ」
「他にも、”水流”、”植物”、”疾風”、”雷撃”、”大地”、”無類”、”聖光”、”暗黒”、全部で9属性の魔法がある」
「中でも無類、聖光、暗黒、は他の元素魔法よりも習得難易度が格段にむずい。覚えておけ」
「はい!、先生質問です。」
「なんだ」
「技能はまた魔法とは別なんでしょうか?」
「いい質問だ」
「そう、技能は魔法とはまた別扱いだ」
「ほぅ~それは何故です?」
「魔法ってのはな魔力ある人間にならだれにでも扱えるものなんだよ。対して技能は魔法と違って誰でも扱うことはできない。つまり、ごく僅かな者だけが習得を可能にする。」
「そんなにっすか」
「技能の習得方法は魔力値を一定以上まであげる、もしくわ生まれた時点で備わっている。このどれかだ」
「一定以上あげるってどんぐらい上げればいいんですか?」
「1000だ」
「、、、え?」
「一見簡単そうに見えるが、魔力値を1上げるだけでも普通の人間なら半年から一年かかる。」
「え?」
「それに魔力値を1000に上げるには自分の種族値を1000にしなければならない。つまり一般人類から真人類への種族進化が不可欠ってことだ」
「ハイヒューマン?俺あのゴブリンキング倒して原点人類ってのになったんすけどそれとはまた別なんすか?」
「なに?」
ピカンッ
「なるほど、恐らく異世界に来たのと自分より格上の相手と対峙したことで種族が覚醒したのか。」
「その種族ってのも詳しく教えてください」
「技能や魔法以外に種族にもレベルが存在するんだよ」
「スキルや魔法にレベルがあることを今初めて知ったんすけど、、、」
「まぁ、聞け」
「種族やスキルのレベルは下から”一般”、”真”、”古代”、”原点”、”神話級”で分類されている。」
「じゃあ俺の種族レベルって」
「あ~上から二番目だ」
「それってかなり強いんじゃないっすか?」
「強いなんてものじゃない、たった一人で国一つ壊滅させることができる。」
「え、、、ヤバ、、」
「だが、自惚れるなよ世界にはお前より遥かに格上の奴が山ほどいる。この俺も含めてな。」
「あ、、はい」
「まぁ、種族だったりスキルの説明は以上だ。次は魔法のレベル、習得難易度について説明する。」
「よっしゃー!」
「これは、実際に見た方が早い。来い、外に出るぞ。」
「はーい」