第二十八話 その翼、盲目につき、、、
拘束されていたペカリオ王女が突如姿を消した。憎しみの創造神の仕業なのは間違えないのだが、奴がいるフランドル王国からここまで数十km離れている。
長距離からの魔法干渉は並の魔力操作じゃまず不可能だ。腐っても神か、生物のそれとはやはり次元が違うな
「ペカリオ王女連れていかれましたけどどうするんすか?」
「とりあえず翔太、お前は冒険者ギルドに戻って成果報告を済ましてこい」「俺もすぐに合流する」
「成果報告って一体何を報告するんすか、今回の任務ウィリアムさん独自のものですよ。」「冒険者ギルドはおろか国連評議会ですら今回の件について知らないんですから」
「ギルドの方には王族の護衛任務だって予め伝えたある」「そのことをまんま伝えろ」
「で、評議会には?」
「あそこの連中には言う必要ないだろ、知らなければ知らないままにしておけ」
「あ〜、わかりました」
「ガイア様、娘は無事でしょうか?」
「ペカリオなら問題ないだろう」「まだ利用価値があるから回収したんだろ、でなければあの場で殺してる」
「ペカリオ王女を使って何をするつもりなんですかね」
「とにかく、翔太はギルドに行け、俺は一旦ウィリアムの所に行く」
「え?なんでですか?」
「あいつに預けているものがあってなそれを取りに行く」
--ピレウス冒険者ギルド--
「おい、今期のアドベンチャーランキングが出るぞ!」
「どれどれ、見せろ!」
「今回は誰がトップに名を刻んでいるか楽しみだね!」
「まぁ、1位と2位はいつも通りゼクストとタケマルだろうけどそれ以外の3位から20位まで毎回入れ替わるから見ものなんだよな」
「さてどうなるかな」
【上期アドベンチャーランキング】
【1位】
ミスリル冒険者"ゼクスト"
獲得AP 559,401
【2位】
ミスリル冒険者"タケマル"
獲得AP 559,334
【3位】
ミスリル冒険者"マールス"
獲得AP 513,667
【4位】
ミスリル冒険者"アルマ"
獲得AP 509,989
「おい、マールスがアルマを抜いたぞ!」
「前回はアルマが3位に位置してたよな」
「にしても4位までの獲得ポイント数が50万オーバーってどうなってんだよ毎回…」
「俺なんて10万ポイント稼ぐだけでもやっとなのに」
【5位】
ミスリル冒険者"ロザリーヌ"
獲得AP 485,870
【6位】
ミスリル冒険者"キャンサー"
獲得AP 482,093
【7位】
ミスリル冒険者"ロイニッチ"
獲得AP 468,821
【8位】
ミスリル冒険者"ヨゼフ"
獲得AP 440,002
【9位】
ミスリル冒険者"ショウタ"
獲得AP 364,099
【10位】
ミスリル冒険者"アース"
獲得AP 357,796
「あのショウタとアースって」
「あぁ、先日ミスリル判定を受けた新人冒険者だ」
「やっぱりミスリルの判定を受けるだけあって活躍するのも早いな」「先日冒険者になったばかりなのにもうトップ10に食い込むなんて」
「そうかぁ?なんか不正とかしてんじゃねぇの?」「冒険者になったばっかでランキング上位に入るなんておかしいだろ」「絶対どっかしらに金積んで上げてるだろ」
「でも、測定石がそう判定したんだから不正なんてしようがねぇだろ」
「それどこの冒険者ギルドだよ」
「北側大陸のレブーン王国らしいけど」
「北方の田舎じゃねぇか!」「こりゃあ測定石もろくに機能してるかどうか怪しいな」
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ガチャ
冒険者ギルドで情報収集なんてバルカンと来て以来だわ。まぁあの時は変な邪魔が入ったけど。
今回はその邪魔もなさそうだしすんなりと聞き込みができそうだ。
にしても何であそこの掲示板に人だかりができてんだ?珍しいクエストでも来んのかな?
とにかく俺は受付で成果報告しねぇと
ジーーー
ジーーー
ジーーー
ん?なに?なんかすげぇ見られんだけど何これ?
俺まだ何もやってないよ?
なのになんでこんなに周りから視線を送られているだよ
「ほら、噂をすれば来たじゃないか」「実力が本物かどうか確かめたらどうだ?あいつがミスリルかどうか」
「でも考えてみれば確かに」
「ちゃんとした実績がない分本当かどうか怪しくなってくるな」
「実は2人して判定偽装したんじゃね?」
あ〜なるほどね、俺と師匠が判定でミスリルなったからそれを僻んでんのか。
まぁ、世間の戯言に耳を貸してたらキリねぇしシカト一択だわ
んな事より早く受付に行かねぇと!
「陰口は生産的か?」
「え!?…なんであんたが」
「なんでこんなとこに…」
「今は他国での長期任務中のはずじゃ」
「野暮用があってなそれで帰ってきたんだよ」「それより随分ランキングが変わったみたいだな」
【レインボーペガサス右翼 "マールス、オリンポス"】
「あぁ、先日ミスリル冒険者になったばかりの奴がもうランキング入だよ」
「ほう、例の2人組か」「話ならマスターから聞いている」「俺としてはそヤツらに実力があるのなら問題ないと思うがな」
--ギルド受付窓口--
「王族護衛任務の成果報告に来たんですけど」
「お疲れ様です、任務完了の確認をいたしますので冒険者ギルドカードのご提示をお願いします。」
「あ〜はい」スッ
「お預かり致します、しばらくお待ちください」
ほんとに大丈夫なのか?受注はおろか実際に存在する任務なのか分からねぇのに…これでもし虚偽の報告だってことがバレたら、、俺の冒険者ライフはおしまいだ…
上手く行きますように、、、
「君か、先日ミスリルになった新米冒険者ってのは」
「あっ、えぇっとどちら様で?」
「すまない申し遅れた」「俺も冒険者をやっているマールスだ、以後よろしく」
「あ、ご丁寧にどうも翔太です」
なんだろうこの人瞳の色が白い…いや瞳に色がないのかつまり盲目、目が見えてないんだ。
よく俺がここにいるってわかったな、魔力感知に優れた人なのかな?
てか、身長デケェなおい!2m行ってるだろこれ!この世界の平均身長バグりすぎてね?
それに紅色の和服の上に胸当てってどういうチョイス?でも腰に携えてる刀、とんでもねぇ魔力を纏ってんな。何者なんだ、、
「にしても先日冒険者になってもうランキング入を果たすとは流石だな」
「ランキング?」
「知らんのか?あそこの掲示板に貼ってあるぞ」
「え?」
なにあれ!?あんなランキングがあるだなんて聞いてねぇよ!
それに、明らかにおかしいだろ。なんで俺が師匠より上なんだよ!どっちかというと俺が下だろ。
「大変お待たせいたしました」「任務完了の確認が出来ましたので報酬として6000APが支給されます」
「あ、ありがとうございます」
いや、イケるんかい!師匠の根回しが上手くいったのか。にしてもいつそんな任務受けたんだ?いや、師匠のことだ多分見えないところで何重にも根回しをしてるんだきっと、、
「おや!マールスさん戻っていらしたのですね!」
「あぁ、少し野暮用でな」「まぁ気になってた新人にも会えたし俺はこれでおいとまするよ」
「いつでもお待ちしております!」
「あぁ」
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「知ってるんですか?」
「もちろんです!この業界じゃ知らない人はいないくらいのお方ですよ!」
「え!?そんなに?」
「はい!世界最強の冒険者パーティレインボーペガサスの”右翼”にして"真紅"の異名を持つマールス、オリンポス」「彼の扱う火炎魔法はあの七星王ハーリー、バリントンにも匹敵すると言われているほどですから!」
マジか、そんなに有名な人だったんか。
ただ1つ個人的に気になるのがあるな、火炎魔法が七星王のハーリーさんとタメ張るほどだって?
ハーリーさんには会ったことないからどんな実力かまでは分からんが七星王はそんなに生易しいものじゃない。
師匠にウィリアムさんそしてアリシリアさん3人とも共通しているものがあった。それは、、"圧倒的な存在感"
目の前に立っているだけで負けを確信させられるほどのプレッシャー、どんなに鍛錬を積み重ねても決して埋まることのない力量の差、挑むことすら無謀と感じさせられる。
だが彼にはその威圧感はなかった。いや、感じさせなかったのか?まぁどっちにしろ俺より実力があってもあの人たちには決して及ばないだろうな。
--北側大陸レブーン王国--冒険者ギルド
「おいおいおい!なんで俺様が25位とかなんだよ、おかしいだろ!!」
【25位. ゴールド冒険者ドーベル、オリアン】
獲得AP280,801
「結果そうなったんだから仕方ないでしょ」
【20位. ゴールド冒険者サーレ、ウェランソン】
獲得AP290,128
「あぁ?!てめぇ、俺様より順位が上だからと言って調子に乗るなよ?」
「調子になんか乗ってないさ、ただ事実を述べているだけのこと」
「この野郎ッ!」
「コラ!ギルドで暴れんなって何度言ったら分かんのよ!アホども」
【15位. プラチナ冒険者メロイナ=ヴァン=ベルン】
獲得AP331,096
「俺も兄貴はもっと上の順位だと思いますよ!今からでも冒険者協会に抗議しに行きますか?」
【34位. シルバー冒険者ラットル、クンボ】
獲得AP164,337
「僕を面倒事に巻き込むのはよしてくれよ」「それに半年後には"剣魔武闘祭"も控えてる、君達その準備は出来ているのかい?」
「剣魔武闘祭か、そこで俺の実力を証明してやるよ!」「俺様を25位なんてふざけた順位にした奴らにな!!」
「それでこそ兄貴っすわ!一生ついて行きます!」
「でも分かってるのよね。剣魔武闘祭にはトップランクの冒険者の他に世界各地から名だたる強者達が集まる」「しかも今年は七星王の誰かが出るんじゃないかって噂も立っているわ」「油断はしない事ね」
「おもしれぇ、全員俺様が叩きのめしてやるよ!」
「井の中の蛙とはまさにこのことか、やれやれ、、、」
「まぁ、その時になれば分かるわ」「どう足掻いても太刀打ちできない相手の存在をね」
登場キャラ紹介
名前: マールス、オリンポス
種族: 竜人族
性別: 男
年齢: 125歳
身長: 216cm
体重: 109kg
所属: 冒険者協会
魔力値: 23億8960万
気力値: 19万1000
種族値: 42億5300万
使用する武器: 火炎属性特化の刀(名刀)
性格: 常に冷静沈着。状況判断が恐ろしく正確で気づいた頃には全てが片付いてるなんてことはザラにある。
ちなみに好きな食べ物はケーキらしい




