第二十六話 次なる一手
軍法会議が終わり一夜明けて、俺と師匠は城の自室で今後の事について話していた。
後から聞いた話だけどオルターちゃんは城の客間で軽く事情聴取されたあと無事にピレウスに帰れたらしい。
怪我もなく今後の生活にも影響が出ないよう空の精鋭が色々手を回してくれたみたいだ。
「で、これからどうするんです?」
「無論、憎しみの創造神を完全に始末するまで終わらん」
「といっても手がかりゼロですよ」
「いや、ゼロではない」
「え?」
「組織の密売所を破壊したあとペカリオを見つけ出し拘束した」「今はピレウス王城の地下牢に入れられているがな」
「いつの間にそこまで進んでたんですか!?」
「お前が呑気にアホ面かましながら寝てる間にある程度の情報は入手してる」
「、、、、そうすっか」
「あと、もうすぐで迎えが来るから少し待っとけ」
「迎え?」
そう思った瞬間部屋の扉をノックする音が聞こえた。
俺が扉の前まで行き開けると青髪で琥珀色の瞳をした青年が立っていた。
「この度、グリウォーク副隊長に代わりましてお2人を地上まで案内させていただきます。空の精鋭1番隊所属のクラウシス、ブルペンと申します。」
「あ、どうも...」
いきなりの挨拶で少し戸惑ったが、この人も空の精鋭なのか。しかも1番隊ってことはバルカンの部下ってことか。
「やぁ〜、元気〜?」ニコ
「ウィリアムさん?!」
「何しに来た」
「いやぁ~、君たち二人を地上まで送ってくれるクラウシス君のことを紹介しようと思ってね」「でもまぁ、自己紹介はもう済んじゃった感じだね」
「陛下、ここからは私がお二方を地上まで案内いたします。」
「うん、頼むよ」
--昨晩のピレウス王国--中央都市広場
「あ~~今日の訓練も疲れた~~~」
「ホントそれな、あの団長限度ってもの知らねぇのかよ」
「あ!そうだ矢部、このあと冒険者ギルドのバーで一杯やっていかね?」
「あのなぁ小早川、俺らまだ19なんだぞ」
「いいじゃねぇかよこの国じゃ18から飲酒OKなんだから」
「まったく」
「ちょっと二人ともそんなとこで何しているの?」
「ゲッ!委員長!いつから後ろに、、、」
「そうねぇ、冒険者ギルドのバーでってところからかしら」
「うわ、一番聞かれたくないとこやん」
「訓練が終わったからって羽目を外し過ぎよ二人とも」
「いや、最初に話を持ち掛けたのは小早川だ、だから叱るならこいつだけにしてくれ」
「おいテメェー!俺を売る気かよ!」
「まぁ仕方ないわね、心配だから私も一緒についてってあげる」
「ホントは委員長も行ってみたかったんじゃないの~?」
「い、い、いや私はただ、心配、、そう!こんな夜遅くに二人だけで街を出歩いてるのが心配で、、」
「夜遅くってまだ午後7時だけど酒井さん」「それに周りも街灯が点いてて街全体明るいよ」
「矢辺君は黙ってて」
--同時刻、天空城パルテン--地下牢
ここの地下牢は基本、天界で生け捕りにした魔物や犯罪者を裁くために用いれられる。
そして、その地下牢の通路をコツコツと足音を立てながらグリウォークのいる牢屋に向かってる者がいた。
「…なんの用だよ"親父"」
「んだよ、元気そうじゃねぇか」
「傷が癒えてねぇ状態で両手と両足が鎖で繋がれてんだぞ、これで元気そうに見えんのかよ」
「それだけ喋れてれば十分だ」
「用がねぇなら帰れ。見せ物じゃねぇぞ」
「いや、用ならある」
「あ?なんだ、堕天の烙印でも押しに来たか?」「まぁ、規律を犯したんだ報いを受けるのが当然だよな」
「そんなんじゃねぇよ」「それにお前の処遇なら後ほど陛下から言い渡される」
「じゃあ、なんなんだよ」
「なぜ、あの程度の相手に遅れをとった?」
「は?」
「今回お前が戦った敵組織の幹部、お前なら深手を負う程の相手じゃなかったろ、なのに何故だ」
「見てたのかよ」
「少しだけな」
「思いのほか強かったのかもな〜…ハハ」
「"竜血"は使ったのか?」
「…」
「使わなかったのだな」
「…あんたには関係ねぇだろ」
--そして現在、ピレウス王国--宿屋、安らぎの羽毛
師匠と俺はクラウシスさんの案内の元、無事地上に到着することができ今は宿の部屋で今後どうするか改めて話している。
「それでは私はこの辺で」
「あ、あと1つ聞きたいことが」
「はい?なんでしょうか?」
「"空の精鋭"のことについて教えてください」
「おや?まだ説明されていなかったのですか」
「はい、任務の説明だけで後は何も説明なかったですね」
「わかりました。では私の方から説明させていただきます。」
空の精鋭
それは、七星王ウィリアム、ウィンガーが選抜して選んだ50名の精鋭部隊。
主に天界と地上の治安維持、また双方の脅威となる魔物や組織の討伐及び破壊。
各部隊は隊長班と副隊長班で別れており、一班に5名ずつ在籍している。
選抜される基準は、前提として天空騎士団に所属していること。かつ分隊長以上の者だけが選抜対象となる。
「え、じゃあクラウシスさんもその騎士団の分隊長クラスだったってこと?」
「えぇ、60年ほど前までは天空騎士団の第四分隊長を務めておりました」
ふぅ〜ん、60年前!?ってそうだった、天翼族は人間族と違って結構長生きするんだった。
未だに他種族の年の感覚が慣れねぇ、俺と年齢が近いように見えても実際は何十歳も年上だったりするもんな。
「え、ちなみに騎士団時代のバルカンは?」ボソッ
「副隊長はですね、実は元天空騎士団110代目団長なんですよ!」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
あ、あいつが団長?!騎士団の?嘘でしょ、あんな安っぽい挑発にもすぐ乗るような奴が?マジで!?
意外と凄いやつだったんだな…
「空の精鋭の隊長格の殆どは天空騎士団の団長もしくは副団長を務めた者が殆どですね」「おっと、少々長居しすぎましたね。では私は天界に戻ります」
「ありがとうございます」
「こちらこそ、お二人のこれからのご活躍を期待しておりますので」
バサッ!
「いっちゃいましたね」「で、結局この後どうするんでしたっけ?」
「まずは王城に行くぞ」
「なるほど、この国の王様に直接話に行くんですね...それって俺もっスか?」
「当たり前だろ」
「いやいやいや!無理無理無理!!」
「何焦ってんだよお前」
「いやいや、王様の前だなんてどう接すればいいか分からないですよ!」
「いつも通りでいいんだよ」
「いや、ダメでしょ普通に」
「とにかくさっさと出るぞ」
「どうか不敬罪で捕まりませんように...」
登場キャラ紹介
名前 :クラウシス、ブルペン
性別 :男
年齢 :223歳
種族 :天翼族
身長 :176cm
体重 :76kg
魔力値 :6200万
気力値 :3600
種族値 :9100万
所属 :空の精鋭
得意魔法 :疾風、聖光
使用する武器 :レイピア
性格 :明るくて優しい。目上の者には敬意を払い、下の者には常に明るく気遣うことを心掛けている。




