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第二十二話 闇を祓う陽光

--アダブ廃教会--翔太サイド


「さて、チケットを拝見しようか」

「悪いな、生憎今は持ち合わせがねぇんだ」

「いきなりここに連れてこられたもんで」ニッ

「おぉ〜それはそれは大変申し訳ない、どうやらうちのスタッフに手違いがあったようだ」

「後であの者ら全員にキツイ(ペナルティ)を与えなければな」


こいつ、バルカンが言ってた組織の最高幹部、クロスウォリアーか。

確かに、話の通じる相手じゃなさそうだ。


--数時間前--冒険者ギルド前


『それともう1つ、クロスウォリアーには気をつけろ』

『何それ?』

『組織を裏から支え、経済面でも戦闘面でも超一流の5人の最高幹部だ。』

『恐らく憎悪の創造神(ヒートレッド)の権能をそれぞれ授かっている』

『つまり、そいつらをぶっ倒せってことね』


『貴様は言語理解能力が欠落してるか?なるべくそいつらとの接触は避けろと言っているんだ』

『へいへい、努力するよ』

『死んでも骨は拾わんからな』


--現在--


つまりこいつはその幹部のうちの一人ってことか、、

初めバルカンから聞いた時は大袈裟だと思っていたがなるほどな

魔力量は()()()()の魔物より遥かに上だ。

少々面倒な相手だな。


「だが、チケットなしで入館させる訳にもいかんし、どうしたもんか…」「あ、そうだ!!最初からこうすれば良かったのだ!!!」

「なぜ、今まで気づかなかったのだろうか」ニヤッ



なんだ、こいつ気味悪いな...


「入館できないのなら展示品にしてしまえばいい話!!」「生きているからダメなのだ!!」ジョキンッ


キンッ

っ!?

こいつ、急に仕掛けてきやがった!!


「ダメだな~、展示品が動いちゃ...」

「は?、、展示品?」

「そう!!貴様の臓物をくりぬいて残った体のみを美術品として仕上げる」「それが私の”芸術”だ!!」

「イカれてやがる」

「芸術家は皆、どこかしら狂気じみているものだ」


原初技能(オリジンスキル) "異生物の美学(エスティックキメラ)”》


ゴゴゴゴゴゴッ


なんだ?部屋全体が揺れ始めた、、、

こいつの技能(スキル)か、何が起こるか分からない。周囲のものにも細心の注意を、、、


ガシッ!


なっ!?背後からなにかに掴まれた!

俺を片手で鷲掴みし持ち上げるほどの巨大な何かがそこにいる!

とにかくこの手をどうにかしねぇと!


「では後のことは私の作品にお任せしましょう」「光栄に思うことだね、その作品は私の中でも力作だ」

「存分に堪能してくれたまえ」

「おい!ふざけるな!今すぐこいつをどうにかしろ!!」

「悪いが私にはまだやることが残っているのでね」「お主の相手をする程暇じゃないのだよ」

「それでは私はこれで失礼するよ」

「おい!待てッ…ガチャッ


マジかよ…どうすんだこの状況、、、


《ゔぅぅぅぅぅぅ!》


とりあえずこのバケモンの手から脱出しねぇと!


シャキンッ!

プシューーーーー!



《グバーーーーーーー!!》


さてと、脱出できたところで姿拝んでやろうじゃねぇかっ…え?

どんな体の作りしてんだこいつ、頭と尻尾は竜で上半身は巨人、胴と足は蜘蛛、左腕は人型の腕だけど右腕がデケェタコの触手になってやがる。

マジでどんな作りしてんだよ。

しかもこの竜クモ巨人の魔力量、混沌の底(カオスボトム)にいた魔物の魔力より遥かに上だ。

何がやばいってこれをあいつ一人で作り出せる人工の魔物だってことだ。これがクロスウォリアーNo.4の実力か、少し侮っていたな。

それに、掴まれた瞬間魔力を吸い取られたような感覚があった。幸いすぐに脱出できたからそこまで魔力は減ってねぇけど回復するまで少し時間がかかるな。

さてどうしもんかね…


スッ

ピピピピピピピ


おい、なんな光出した左手をこっちにかざして来てるんだけど…すごく嫌な予感


ズドーーーーーーーーーン!!




--アダブ廃教会--バルカンサイド


天翼流剣術(エンジェリーソードス)断層空輪斬(だんそうくうりんざん)” 》

変形身体(ボディチェンジ) 全身”オリハルコン”》


キンキンッ


「フンッ!かゆいな!!」

「まだだ」


《上級火炎魔法”爆撃地雷(ばくげきじらい)”》


ボーーーーーーーン


これで少しはダメージが入っていたらありがたいのだがな。

そう上手くいくとは思えん、、、


「ハッ!これだけやってもこの程度だ、なんどやろうと無駄なんだよ!」

「それよか、自分の心配をした方がいいんじゃないか?」


カチッコチッ


「火炎魔法で凍結の進行を遅らせているとはいえだいぶ限界が近いのじゃないか?」

「ほざけ、この程度でくたばるほどやわな鍛え方してねぇよ」

「それに貴様らは空の精鋭(我々)の手で沈めなければならんのだ!」

「お前らが俺らを嗅ぎまわっているのは随分前から分かっていたんだ」

「いつ来るのかと待ちわびていたのだぞ」


「そうか、じゃあ今すぐにでも地獄に送ってやるよ」

「強がるフリはやめたらどうだ?お前らの大体の実力は把握した。」

「もう充分だ。死ね」


シュンッ!


《炎刀 ”十文字斬り”》


ジャキーーーーーーーーーン

プシャーーーーー!


「勝負あったな」

「暇つぶしにしては少し楽しめたぜ」ニヤ

「バルカンさん!」


「ハッ!折角だから少し教えてやるよ黒の十字架団(我々)の目的を」

「俺ら黒の十字架団はな、この世界の破壊を目的として動いているんだよ」

「だが、物理的な破壊ではなくこの世の中、世界の常識を根本から崩壊させる」「そして新たな秩序や常識を我々の手で作り替えるのだ!」


「今やこの世界は強者が頂点に立ち、弱者は尽くその力に怯えながら過ごす者が殆どだ!」

「だから我々黒の十字架団がどんな手を使ってでもその仕組みを破壊するのだ!」

「世間じゃあ七星王だのなんだのとおだてあげられているが」

「俺らからしてみればあんなのはただの過去の栄光に過ぎねぇんだよ!!」

「しかもその後を追うように続々と新たな強者たちが誕生し続けている」


「冒険者じゃあ、先駆者ゼクストや鬼神タケマル、華の女帝(ローズエンプレス)のロザリーヌに夢幻王アルマ、他にも名のある騎士や戦士が次々に現れている」

「そいつらを全て黒の十字架団(我々)が始末する!」

「そういや〜お前んとこの飼い主も例の七星王様だったな〜」ハッハー

「そうやっていつまでも過去の栄光に縋ってるような奴の下にいるから俺に負けたんじゃねぇのか〜?ハッハー!違ぇねぇ!」「てか、もう死んでるか」

「あとはあの小娘を始末して任務完了っと」


「ひぃ!いや!来ないでください!!」

「すぐに楽になれまちゅからねぇ〜怖くない〜怖くなっ…ザシュッ!

「っ!?」ゴホッ


「おい、誰が誰に負けたって?」

「っ!?…貴様、、、なぜ、、いきて、、、」ゴホッ

「それよか自分の心配をした方がいいんじゃないか?」

「は?」


原初技能(オリジンスキル)陽光の憤怒(スレイルクレア)” 》


「うっ!?」

「闇夜を祓う光で浄化してやるよ()()()()()()ども!」


太陽の核撃サンシャインアトミック


ピカァーー

ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!


「ふぅ、ひとまず勝った、、、」

「やりましたねバルカンさん!」

「あぁ、君のおかげでね」

「いやいや、私はただ自分の役割に徹するので必死で」

「そのおかげで勝てた」

「ありがとう!」

「っ///、、はい///]


「お、、い、、、どう、、やっ、、、た」

「まだ、意識あるのかよ」

「俺は、、、確実に、、お前を、、切った」ハァハァ

「だが、、お前に、は、、切られた、、、跡は、、なかった」ハァ

「な、、ぜ、、」ゴホッ


「お前が切ったのは俺の火炎魔法”陽炎人形”だ」

「はぁ?、、なら、、なぜ、お前は、、」

「そう、本来の陽炎人形は(デコイ)を出すだけで本体も認識できてしまう。」

「ならなぜ貴様は実体の私を認識できなかったのか、それはだな」


天翼族(エンジェル)のみが持つ常時発動技能(パッシブスキル)透明化(インビジブル)”だ」

「なん、、だと、、」ゴフッ

「陽炎人形を発動した直後私は透明化(インビジブル)を発動し、貴様の視界から消えた。」

「だが、それだと陽炎人形が消えたあと貴様は魔力感知で私を見つけてしまう。」

「そこで()()だ」

「えぇ、前もってバルカンさんに指示された通り私は自分の技能(スキル)を使って貴方からバルカンさんの魔力を感じ取れないようにしました」


「そんな、、こと、、が」

「可能、、なの、、か」

「彼女の技能(スキル)隠蔽(カモフラージュ)”でな」

一般技能(コモンスキル)ですけど使いようによっては格上の相手も欺けるとバルカンさんがおっしゃってくださいました」

「貴様の敗因は私にばかり注目し彼女を後回しにしたことだ」

「く、、そ、、おの、れ」


バタンッ


「死んだな」


キュインッ


「どうやら、こいつが死んだことによって体内の凍結も解けたようだ」

「ひとまず安心ですね。どこかで休憩を取れるとこを探しましょうか」「あぁそうだな」



--黒の十字架団--本拠地


「あ~あ、ガルバーダのやつ死んじゃったよ」

「え~~!じゃあ死体回収しに行かなきゃじゃん!!」

「あたし嫌ななんだけど!グレアス行ってよ~~」

「毎回死体回収は僕が行っているだろ」

「あれ?そうだっけ?」エヘヘ

☆おまけ☆

オルターちゃんのスキル、カモフラージュは相手から魔力や気配、気力などを感知されなくなるだけで姿は普通に認識できてしまうため一対一では大して効果はない。

だけど戦闘開始前にバルカンからカモフラージュを自分に使うように言われたため、戦闘中ガルバーダはオルターちゃんを認識することができない。

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