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第十七話 魂の聖域

ピレウス王国に到着した三人は入国するため、冒険者ライセンスを提示して入国した。

ちなみにバルカンは空の精鋭(スカイナイツ)の青と白の鎧に刻まれているエンブレムを見せるだけでどの国でも入国が可能となっている


--中央大陸(センスティア)ピレウス王国--中央都市


「ひとまず、俺と師匠で宿を確保してくる」

「なら、その間私は黒の十字架団(奴ら)の情報を集めてくる」

「いや、その必要はない」

「何故ですか?」

「そうっすよ師匠、俺らが宿取ってる間にこいつに情報を集めてもらえばいいじゃないですか」


「この国に入ってすぐに俺らのことをずっと覗き見してるやつがいる」

「マジっすか!?」

「たった今私の気配察知でも感知しました」

「そこまで遠くないな」

「えぇ」


--ピレウス王国西側都市--中央都市から西に12Km離れた路地裏


「なるほど、入場門でいけ好かない鎧を見たと思ったらまさかこの国に空の精鋭(スカイナイツ)が来てるなんてね」

「それに、あの二人は何者だ?空の精鋭(スカイナイツ)と一緒にいるということはただ者ではないことは確かだ」

「とにかく、この事を早くサギリ様に報告しないっ、、」


シャキン


「動くなよゴミ虫」

「抑えてろよバルカン」

「これまた分かりずらい路地裏に隠れたもんすね」


っ!?こいつらいつから背後に!?まったく気づかなかった。

それに今こいつのこと”バルカン”って言ったか?

じゃあこの男が、空の精鋭(スカイナイツ)の"打首のバルカン"か。

今、黒の十字架団(我々)が最も警戒すべき人物。

後ろの2人も只者じゃない。このままじゃ計画に支障が出る

仕方ない使いたくなかったがこの状況じゃあやもおえない"アレ"を使うか


《超級暗黒魔法"魔獣召喚 ヒドラ"》


シュイーーン!

ゴゴゴゴゴゴ


《グォーーーーーン!!!》


「っ!?」

「...」

「、、え?」


いくら空の精鋭(スカイナイツ)でも危険度Sを越える魔物を1人で相手するのは不可能だ!

本来はどうしようも無くなった時の奥の手だったが、今回は相手が相手だ。

徹底的にお前らを潰す!!



フワン


!?

なんだ一瞬空間が歪んだような




《超級無類魔法"反転世界(ミラーワールド)"》


「ありがとうございますガイア様」

「まぁ、受けちまった任務だしな。やることはやらねぇと」

「これで街に被害が及ぶ心配はないですね!」

「あぁ、好きに暴れろ」

「はっ!」



「おい!貴様ら今一体何をした?!」

「虫ケラに答える義理などない」

シャキン!


おぉ〜!ついにバルカンが背中にある2本の剣を抜いたよ。

癪に障るやつだけど、ウィリアムさん曰く実力は保証できるらしいからお手並み拝見するか!


「っ!?やれヒドラ!!」


《グォーーーーーーン!》


ボンボンボン!


うわ!いきなり火の球吐いてきたよあの三頭の龍!!

俺と師匠は上空に回避したけどバルカンはそのまま突っ込んで行ったな、煙でなんも見えねぇけど。

これで黒焦げになって出てきたら面白いな笑

にしてもこんな狭いところであんなデケェ魔物呼び出すかね普通。師匠のおかげで被害は出てないけど


シュン!


あ、出てきた

てか、かすり傷ひとつねぇじゃん。黒焦げになって出てくるの期待したのに


「やれヒドラ!やつを灰にしてやれ!」

《グォーーン!》


ブォーーーーーン!


天翼流剣術(エンジェリーソードス)断層空輪斬(だんそうくうりんざん)”》

ジャキーーン


ほぇ~、一瞬でヒドラの首すべてをバラバラの輪切りにしちゃったよ。副隊長は伊達じゃねぇってことか

でも確かヒドラって首を切断されるとその切断面から首が二本生えてこなかったっけ?


ニョキニョキニョキ


あ~やっぱり三本切ったから六本に増えた、、、まぁでもバルカンなら何とかするでしょ。

あの龍はあいつに任せて俺らはあの女の対処をするか。


「フンッ!バカめ!ヒドラは魔界屈指の再生力を誇る!その程度の斬撃など効きもしないわ!!」

「そうやって死ぬまで剣を振り続けていろ!」


「さて、じゃあ俺たちは君の相手でもしようかな」

「あ?あ~空の精鋭(スカイナイツ)の後ろをノコノコ付いてきた取り巻きどもか」

「貴様ら程度がアタイに敵うはずがないだろう!」

「さぁ、そうれはどうかな」


「だがまぁ、空の精鋭(スカイナイツ)の隊長格に認められ程の実力はあると評価してやる」

「誰目線だよお前」

「悪いね、早めに決着をつけされてもらうよ」


魂の聖域スピリットサンクチャー  ”絶望の森ディスペアーフォレスト”》


シュワーーーーーーーン


急に景色が薄暗くなったな。しかもさっきまで朝だったのに夜に変わった。

これが強制的に相手を自分のアドバンテージに引きずり込む技、” 魂の聖域スピリットサンクチャー”か

昔師匠との修行でこれの対処方法について教わったっけ。まぁ対処方法もくそもなく散々ボコボコにされたけど

で、その肝心の対処方法っていうのは、、


魂の聖域スピリットサンクチャー ”審判の間”》


グワーーーーーーーーーン


魂の聖域スピリットサンクチャーとは簡単に言えば、技能(スキル)の保管庫だ。

生物は技能(スキル)を獲得する際、自身の魂にその技能(スキル)の性質を示した刻印が刻まれる。

そうすることで技能(スキル)の保管庫が構築され、それを現実世界に具現化させることを魂の聖域スピリットサンクチャーと呼ぶ

戦闘中、相手を自身の魂の聖域スピリットサンクチャーに引き込めば自分にとって有利な状況を強制的に作れる。

だが、もし対峙した相手の魔力値及び気力値が自分より上回った場合その聖域が破壊されるか、相手の魂の聖域スピリットサンクチャーの中に逆に入れらてしまう。それに消費する魔力量も半端ない、並大抵の魔力値じゃまず発動すらできないね。


「なんだいこれは?!まさかアタイの力量を上回ったってのかい!」

「あぁ、どうやらお前の魔力量より俺の方が上だったみたいだ」

「ありえない!このアタイが負けるなんて、、」


「この聖域内じゃ俺が絶対だ、お前はただ何も出来ず敗北するしかないんだよ」

「そんな、、うそ、こんなとこで死ぬなんて」

「ほんと、思ってもみなかったよな自分がこんなとこで死ぬだなんて」

「だがこれが現実だ、受け入れろ」


《応報の業火》


ブォッ


なんだこれは?!足元からどんどん炎が上って、、、

う、うわぁーーーー!!

熱い熱い熱い!!!

体の中まで燃やされて、息が、、、でき、、


バタンッ


「うわ、対人で使ったの初めてだから知らなかったけど、ほぼ原形留めてないじゃん。なんならもう灰になりかけで人なのかも分かんねぇや」

「まぁでも、これで一件落着だからいっか」

「後はバルカンがあの龍を倒してくれるのを待つだけか」




ザシュッ!

シャキン!!


なるほど、この龍切っても切っても首が再生してくる!

これが魔界にだけしか生息していないヒドラか。

子供の頃図鑑で見た事あるぐらいで実物を見るのは初めてだったからな、再生能力がどれぐらいなのかを知りたくてつい遊び過ぎてしまった

さて、そろそろ飽きてきたし終わりにするか。

それにいつまでもガイア様を待たせる訳にはいかないしな。


《グォーーーーーン!》


「お前とのじゃれあいまぁまぁ楽しかったよ」


天翼流剣術(エンジェリーソードス) "粉微塵の竜巻ミキサリングサイクロン"》



ズタズタズタズタズタズタ


おいおいマジかよあいつ、あのデケェ龍を血煙レベルに粉微塵にしやがった。

さっきまで苦戦してたとは思えねぇな


「お待たせしましたガイア様」

「あ〜終わったか」

「えぇ、それで組織の情報は入手できましたか?」

「それがよ、、」

「はい?まさかなにか不手際なことでも?!」


翔太(こいつ)が情報源を灰にしやがった」

「ん?、、あ!やっべ!!」

「貴様、我々の苦労を無駄にしよって、どういう風に死にたいか選ばせてやる」

「いや、マジで申し訳ねぇ!!」




--グレムリン伯爵邸--執務室


本来この執務室では商人たちの売り上げ報告書のまとめや王国予算に関する資料などの処理が行われる場所なのだが、今グレムリン伯爵は真珠に手をあてて何やら怪しい笑みを浮かべている。


「なるほど、なるほどクロスウォリアーには劣るとはいえ黒の十字架団の中では実力者に数えられている"リリィ"を瞬殺するなんて」

空の精鋭(スカイナイツ)以外にも()()の脅威になりうる存在がいるとは、実に面白い」


『翔太、後でこの国の周りを500周してから宿に来い』

『え!?ちょっと待ってくださいよ、そんなんしてたら日が暮れるどころか朝になっちゃいますって!』

『生かして捕えなかったお前が悪いんだろ』

『えぇ~そんな~』


「ん?、おや随分懐かしい奴も来てるじゃいか」

「あれから80年、赤子だったこの肉体ももう充分に育った」

「さて、あの女に新たな指示を出すか」

「あの時の雪辱ははらされてもらうぞ、ガイア」


【フランドル王国、グレムリン伯爵家当主”リーゲンタル=グワン=グレムリン伯爵”(憎悪の創造神(ヒートレッド))】

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