第十五話 底無しの魔力量
資格勉強の息抜きで投稿しやす꜀ (゜∀。) ꜆
--翌日--冒険者ギルド受付窓口
「それでは、こちらがアース様とショウタ様の冒険者ライセンスでございます。」
「へぇ~よくできてるんですね」
「昔と随分デザインが変わったな」
「続きまして冒険者ランクやポイント制度についてご説明します。」
冒険者ランクは全部で6つあります。
下から、アイアン→ブロンズ→シルバー→ゴールド→プラチナ
そして最上級ランクのミスリル
この6つのランクに分けられています。
「なるほどねぇ、ん?このライセンスの右下の100ってなんですか?」
「そちらが冒険者ポイントでございます。」
初回冒険者登録時のポイントは100ptからスタートになります。そこからギルドの掲示板に貼ってあるクエストを受注しクエストを完遂した際にptを加算するというシステムです。
ptが一定値を達すると冒険者ランクが上がります。
アイアン冒険者の方ですと次のランクまであと900ptが必要になります。
もちろん危険度の高いクエストほどもらえるptの総量は多いです。
また、国から緊急クエストが申請された場合冒険者ランク問わずすべての冒険者が受注対象になります。人数等の制限はなく、緊急クエストのほどんどが討伐作戦で、通常クエストより危険度は跳ね上がります。
ですがその分成功した際のptは通常クエストの100倍の量のptを支給し、また国から莫大な褒賞金が支払われます。
危険度とは冒険者協会が定めた魔物や犯罪組織などに付けられる等級。
下からD⇒C⇒B⇒A⇒S⇒SS⇒EXの順になっており危険度が上がるにつれて攻略難易度も上がる。
基本新人冒険者がやるクエストは殆どが危険度C以下の比較的死亡率が低いクエストのみと定められている。
「なるほどね、ちなみに今俺らが受けられるクエストってあるんですか?」
「あちらの掲示板貼られている一部のクエストのみとなっています」
「次のランクまで900ptか~意外と簡単そうっすね」
「まぁ半日もあれば十分だろう」
「お言葉ですが、現在アイアン冒険者の方が受注できるクエストは薬草や鉱物の採取、採掘依頼もしくわ近隣の森に出現するスライム一体の討伐のみとなっています。その他のクエストは全てシルバー級以上の冒険者の方の同行が必要になります」
つまり、最低ランクの冒険者は比較的危険度の少ないクエストしか受けられないということか
確かに無理に危険度の高いクエスト受注して死なれでもしたら、いくら自己責任とは言えものによっては訴えられる可能性があるからか
「その採取とかのクエストって、一回あたり何ptもらえるんです?」
「採取、採掘依頼ですと薬草、鉱物一つあたり0.1pt、スライム一体の討伐のみですと0.5ptとなっております」
は?少な!!
んなもん一生地面に這いつくばってろって言ってるもんじゃねぇか!
「他にptを稼げる方法とかってありませんかね?」
「他ですか、、、おすすめはしませんが魔力値の測定を行うこともできます」
「測定器の水準を上回れば大量のptをその場で獲得できます。ですが、殆どの方がその水準を上回ることはありませんでした」
「へぇそうなんですね、ちなみに上回った場合冒険者ランクはどこからスタートになるんです?」
「なぜそのようなことを?」
「いえ、ちょっとした興味本位ですから」
「仮に水準を上回った場合はプラチナ級冒険者からスタートになります」
「え!?上から二番目じゃないですか!」
「えぇ、それだけ測定器の水準が高いってことですから。ですが上回らなかった場合は変わらずアイアン冒険者からのスタートになります。また、魔力値の測定は一回限りとなっていますので一度行ったら再度測定することはできませんのでご注意を」
一回限りの測定で一定の水準を上回れってことか
まぁ俺と師匠なら余裕っしょ
「やります、その測定」
「でしたら右側の一番奥に測定室がございますのでそちらで手続きを行ってください」
俺と師匠は受付嬢の案内の元、ギルドを入って右奥にある測定室に向かった。
なんかすげぇ頑丈そうな鉄の扉だけど、ここで合ってるんだよね?
恐る恐る扉を開けると目の前に真っ黒いキューブが部屋のど真ん中にドンって置かれていた。
まぁ恐らくあれが測定器か
「すいません魔力の測定を受けに来たんですけど」
「測定希望の冒険者様ですね!こちらで承ります」
「オナシャス」
「冒険者ライセンスをお預かりしますね。」
「あ~はい」
「ん?もしかして新規登録の冒険者様ですか?」
「え?まぁはい」
「そうですか...」
「なんでですか?」
「実は」
どうやらこの魔力測定というものはある程度冒険者としての経験を積んでから行うのが普通らしい。
冒険者ptを溜め一定ランクの冒険者が次のランクへと繰り上げ昇格をするためにやるものだったらしく、俺らみたいに初っ端から魔力測定をやるやつは殆どいないという、ただ前職が傭兵や王国騎士団、魔導士団をやっていたいやつは冒険者初日で繰り上げ昇給をすることが多々あるらしい
ちなみに一定ランクというのはゴールド以上のことらしい
まぁ俺と師匠なら大丈夫っしょ!
「それではこの測定石に触れて魔力を流し込んでください」
「はーい」
測定石っていうんだこの四角いの
なんとも安直なネーミング、、、覚えやすくていいけど
「そうしましたら測定石からご自身の魔力値数が出ますので、まぁ冒険者になりたてではそこまで高い数値は出ないと思いますけど」
「まぁ物は試しですから」
ピカーーーン
うわ!光った
ん?なんか数字がでたな。
3億2200万?
これが俺の魔力値?なんか数字だけ見たらとんでもねぇ数だけど高いのかこれ
「あの~これって」
「...うそ?!あり得ないわ!!」
「え?」
「なんでこんな数値が...」
なんかヤバい雰囲気だけど、これってもしやよく小説や漫画とかである「あれ、今俺なんかしちゃいました?」的な感じのやつかこれは
「あの、すいません」
「今ギルド長をお呼びしますので少々お待ちください!」
なんかすごい形相だったけど大丈夫かなあの人
--ギルド長室--
「こちらが今月のギルドの見積もりでございます」
「え?!これ数字合ってる?」
「はい間違いありません」
「先月より明らかに高くなってるよね」
「えぇ、ここ最近新入社員の採用で人件費の増加また、ギルドの出入口扉の建て替えや上位ランク冒険者への報酬金が立て続けにありましたから」
「これは少し見直した方がいいね」
バンッ
「ハァハァ、、、ギルド長大変です!」
「ん?どうしたのそんな血相欠いて」
「今すぐ測定室に来てください!」
--測定室--
ガチャ
「ギルド長をお連れしました」
え、あの金髪で髭をはやした厳ついおっさんがここのギルド長
なんかオーラあるな
まぁギルド長ってんだから流石っちゃ流石か
「君か、測定石で億を超えたっていう新人冒険者は」
「億?あ~アレっすか」
ん?ハッ!まさか本当に億を超えていたのか、、、
測定石で億を超えるなんて七年前の”タケマル”以来だ、まぁ彼は魔力値ではなく気力値だがね
だが今じゃ彼は”先駆者ゼクスト”に並ぶ世界に名を轟かす猛者の一人、まさかこの小僧があの数少ない猛者たちと同等だというのか。 測定石に狂いはない
間違えない彼はこの先時代を変える大きな存在になる!
「おい、俺の測定がまだなんだが」
「あ~そういえば師匠の測定まだでしたね」
「早くしてくれ時間がねぇんだよ」
今なんと?師匠?あの黒髪の青年が彼の師匠だって?まさかそんなことがあり得るのか、測定石で億を叩き出した天才に師匠と言わしめる人がいるなんて...
これはますます興味が湧いた!
「あ~待たせてすまなかった、おい君測定をはじめてくれ」
「あ、はい!」
さぁおぬしの数値を見せてくれ!
あの天才に師匠と言わしめるほどの実力がどれほどのものなのかを
「なぁこれってこの石壊しても大丈夫なんだよな」
「ん?あぁもちろんだ、だがこの測定石を魔力だけで破壊するのは不可能だ」
「そんなに頑丈なんですか?」
「あぁ、この測定石はな、あの大賢者、”ディメス=メアリー”が創り出したもので、魔力を数値化するという画期的なアイディアで生み出された傑作、破壊はおろかひび一つ入りやしないよ」
「仮にもし破壊できたら私が直々におぬしら二人をミスリル級に...」
シュイーーーーーン
バゴーーーーーーーーーーーーン!!!!
--冒険者ギルド--大広間
グラグラグラグラグラ
「おいおいなんだよこの揺れ」
「こんな時に地震かよ」
「ギルド全体が揺れている。メロイナこれって」
「えぇ間違いないわ恐らく昨日のあの2人よ、さっき測定室に入っていくのを見たもの」
「じゃあまさか」
「おい、何二人だけでコソコソ喋ってんだよ」
「ゲッ!?...ドーベル」
「この揺れ、もしかして昨日俺に恥をかかせたクソガキの仕業か」
「まぁ恐らくそうね」
でもこの揺れの原因は多分あの彼ではなく隣にいた黒髪の男、あの人には一切魔力も気力も感じられなかった。最初はただ抑え込んでるのかと思ったけど、もしそれが抑え込むのと逆で大きすぎて認識できてなかったのだとしたら、茶髪の彼よりも遥かに上だということが容易に想像つく
「だが、あの生意気なクソガキの力がここまでとはな俺はとんでもないバケモノに喧嘩を売ったのか」
「えぇ、それだけは確かよ」
「上等だせ!燃えるじゃねぇか」
--賢者の塔--最上階
「......あ、、」
「どうかされましたかディメス様」
「、、、いや、......ガイアのバカ」
--冒険者ギルド--測定室
パラパラパラ
さすがは師匠!!
まさか本当にあの測定石を跡形もなく消し飛ばすなんて!!
しかも魔力だけで!
いや〜やっぱすげぇな〜
「、、、、え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!嘘だろおい!!どんなに莫大な魔力量でも正確に数値化する測定石を完全に破壊するなんて、、、」
「まぁこんなもんか」
「さすが師匠っすね!一切遠慮しないところめっちゃ最高っす!」
何なんだこの二人は、、、
七星王が生み出した産物をこうもあっさりと粉砕するとは、、、
フンッ、世界にはまだまだ得体のしれない奴がいるんだな。
下手したらゼクストやタケマル達よりも上かもしれん、いやこれ以上考えても無駄か。
「恐れ入った、確かに君らはミスリル級いやそれ以上に匹敵する強さを持ってる」
「てことはじゃあ!」
「あぁ、君ら二人をギルド長の権限の下今日からミスリル級冒険者とする」
「よろしいのですか?ベグルギルド長」
「あぁ、むしろ実力者を正当に評価してやらないのは失礼というものだろ」
よし!これで俺たちの行動範囲がさらに広がった!
てか、早く出発しねぇとまた師匠が痺れを切らす
それにバルカンとギルドの前で落ち合う予定だからな、遅くなってまた何か言われると思うとたまったもんじゃないわ