第十一話 お忍び入国
--大魔森林ネモウ--アース宅
「で、アース師匠この人は誰なんです?」
「あ〜、、まぁ昔の知り合いだ」
「ちょっと、ちゃんと説明しなさいよ」
「はぁ〜いいわ、初めましてアタシは"アリシリア=フォン=ムーベック"、ムーベック王国の元第一王女よ」
「え!?王女様!?」
「元な、それにこいつの国はとっくに滅んでる」
「ねぇ、あんたってほんとデリカシーないよね」
「ホントのことだろ」
「しかもアリシリアって名前、前に師匠が言ってた七星王の1人で剣聖の異名を持つ人じゃないですか!」
「何?ガイアあんた弟子にアタシの事話したの?」
「七星王の説明をこいつにする時についでに言っただけだ」
「フゥン…どうだか」
「んな事よりさっさと本題に入れ」
「はいはい、えーっとショウタ君だったわよね?」
「え?はい」
「今から、ガイアに説明したことをあなたにも説明するわね」
--数分後--
なるほど、つまりそのピレウスって国の王女が犯罪組織の頭で、その組織が企んでる計画を阻止するために師匠の力を借りたいってことか。
でもなんでわざわざ師匠の力を借りたいんだ?この人もウィリアムって人も七星王なんだから自分たちで解決すればいいのに。
「一つ質問なんですけど」
「何かしら?」
「アリシリアさんとウィリアムさん?は七星王なんですよね、なら2人だけで解決できるんじゃないんですか?」
「えぇ、正直今回の件はアタシとウィリアムだけで充分解決できるわ」
「じゃあなんで?」
「実はねもう1つ別件があって、そっちの方でガイアに力を借りよう思ってね、もちろんそれなりの報酬は支払うわ」
「当然だ」
「なるほど、で、そのもう1つの案件ってなんですか?」
「それはウィリアムのところで詳しく話すから、準備ができたら天空城パルテンに来て。」
「場所とかはガイアが把握してるからよろしく、それじゃアタシは先に戻ってるわね」
「あぁ、準備ができ次第そっちに向かう」
--数十分後--
「準備できました!出れます」
「よし、じゃあ行くか」
《無類魔法 "空間転移"》
ポウッ
「行くぞ」
「師匠、転移魔法も使えたんすか!?」
「ごちゃごちゃ言ってねぇで来い」
「はーい」
--北の大陸--大魔森林ネモウ入口前
「うわー!久々に森以外の景色を見ましたよ」
「時間がねぇさっさと行くぞ」
「へーい」
--飛行移動中--
「いや〜それにしても驚きましたよ」
「何がだ?」
「いやまさか師匠があの七星王の1人だなんて初耳ですよ」
「言ってないからな」
「しかも、神人って言われてるガイア本人だなんてさらに驚きですよ」
「それ以上喋ると、今度は一生混沌の底にぶち込むぞ」
「すいません....」
「ていうかそのパルテンってどこにあるんです?」
「少し上を見上げてみろ」
「ん?あっ!」
「ほんとだ、城が空に浮かんでる」
「昔見たアニメ映画みてぇ」
「俺らは今からあそこに行く、がその前に」
ヒュンッ
「え!?いきなり急降下ッスか!」
ビューーーン
スタッ
「ハァハァ、びっくりさせないでくださいよ」
「あの城に行く前にまずはあそこに寄る」
「あそこ何すか?町みたいっすけどなんか壁で覆われてるし」
「あそこは、北の大陸の大国"レブーン王国"一旦あそこに寄ってからパルテンへ行く」
「わかりました、でも珍しっすね」
「何が?」
「普段寄り道とかしないじゃないですか」
「今回は別だ、それに用もなくあの国に行くわけじゃない」
「あ~そうなんすね」
--レブーン王国--入場門前
「こちらで入国審査を行いまーす」
「ん?なんか入国審査してますよ、身分証とかあるんです?」
「いや、ない」
「え!どうするんですか?入れませんよ?」
「焦んな、身分証がなくても銀貨五枚払えば入れるんだよ」
「あ、そうなんすか」
--レブーン王国--入国受付窓口
「すまない、入国審査したいんだがあいにく身分証を失くしてしまってな、、、」
「それでは、銀貨五枚とこちらの入国目的の書類の記入をお願いします」
「あぁ」
あ、本当に銀貨五枚でいけるんだ、、、にしてもあんなお金いまどこから出した?
まぁ師匠のことだし金の持ち合わせぐらいあるか。
それにしてもデケェ国だな、遠くから見てもかなりの面積はあったぞ、向こうの地平線まで建物が続いてるってことはかなりデケェな、東京ぐらいの大きさはあるんじゃぇの?これ
「おい!邪魔くせぇ所に突っ立ってんじゃねぇよ!!」
「あぁ、すんません」
「フンッ、田舎もんはママのおっぱいでも吸ってるのがお似合いだぜ」
ハッ?なんだこいつ、、、炙り殺されてぇのか?
テメェごとき片手一本で充分相手できんだぞ!!
「おい、何油売ってんだ行くぞ」
「あ~はい」
--レブーン王国--
「無事、入国できましたね、この後はどうするんです?」
「身分証を取得する」
「どこで?」
「冒険者ギルドでだ」
冒険者ギルド、俺がよく読んでた漫画や小説なんかでは冒険者ギルドは世界各国に存在する。地球でいう公務員的存在。まさか俺が冒険者になる日が来るだなんて、、叶わぬ夢だと思っていたけどついに俺の叶えたいリストの一つが叶った!!よっしゃー!