カブトムシ観察日記
『カブトムシ観察日記』、そんなものが押し入れから出てきた。
私の子供が小学生の時に書いた、夏休みの宿題の1つだ。
自分も子供の時にそのような課題が出されたこともあったけど、面倒だと思って雑に終わらせた身としては、あそこまで熱中してやっていたことは1つの才能だったんだと思う。
それを自分は冷めた目で見ていたことを少し、……いや、大分と後悔した心持になってしまう。
自分が進んで出来なかったことを冷めた目で見ていたのは、単純に興味が無かったということだけではなく、きっと、嫉妬心もあったのだろうな、と、今となってはその時の自分を想う。
ここで嫉妬せず素直に応援してもせずとも運命は十中八九変わらないとしても、例えここだけでも、応援すれば良かったと思う。
思い出を作ること自体に、意味はきっとあったはずだから。
嗚呼。
こんなことも忘れていたのかと、小さな絶望が身体を締め付ける。
何歳なんだっけ、あの子がまだ生きていたら。