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パーティー追放の話

私をパーティーから追放するんだったら、ちゃんとやってください

作者: リィズ・ブランディシュカ



 私は、冒険者だ。


 とあるパーティーの一員だが、見放されてしまったようだ。


「お前をこのパーティーから追放する」


 リーダーからそう言われてしまった。


 一日の終わり、反省会をした後、リーダーが私に向けてそう言ってきた。


 これで、このパーティーから解放される。


 私は、ほっとした。


 正直言うと、私はもっと輝ける場所があるはずだから。


 それなのに、こんな弱いパーティーの所に縛り付けられているなんて、嫌だった。


 彼等はみんな揃いも揃って低レベル冒険者。


 モンスターを一体倒すのにも、のろのろしてるし。


 このパーティーには、メンバーの一人の男性がお金持ちだったから入っていたけれど、その人には恋人がいた。

 玉の輿にはなれそうにないし。もう、このパーティーには価値はない。


 だから、ほっとしていたのだが。


 追放を言い渡したリーダーが、何かもごもご言っている。


「しっ、しかしだな。ちゃんとこれまでの行いを反省するなら、まだ仲間でいてもいいんだぞ?」


 何、その善人ぶったことば。


 追放するならちゃんとしてよね。


 それじゃあ、次のパーティーに入る時に、悲劇の主人公ぶれないじゃない。


 リーダーはなおも何か言っている。


「お前は目立ちたがりで、独断先行しがちだが、幸いにも才能はあるんだ。心を改めて、これからは他のメンバーと協調してくれるなら、それが一番だ」


 私はイライラしてきた。


 なんで、強い私が弱い人間にあわせなければならないのかしら。


 実力を考えれば、貴方達が、私にあわせるべきなのに。


「お前の性格じゃ、次のパーティーが見つかるか分からないし、見つかったとしてもすぐにやめさせられてしまうかもしれない。そうなったら大変だろう」


 おおきなお世話よ。


 次はうまくいく所を、きちんと探すもの。


 私の力をきちんと分かってくれるパーティーをね。


 だから私は、口を開いた。


 心配そうな顔でなおも何かを言いたそうにしているリーダーを見つめる。


「もういいわ。説教は聞きあきたの。さようなら。追放してくれてありがとう」


 そして、それだけを言って彼等の前から姿を消した。


 せいせいしたわ。


 あのパーティーにいた時は、いまいちな成果しか得られなかったけど、これからは、きっとうまくいくはずよ。








 一か月後。


 問題児だったメンバーを追放した俺達は、依頼を受けるために冒険者ギルドへ向かった。


 そこで、依頼を紹介してくれた受付嬢が、「残念だったわね」と話しかけてくる。


「例の彼女、貴方達のパーティーに留まっていれば、無謀な依頼を受けて命を落とす事もなかったでしょうに」



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