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ジキルとハイドに告ぐ  作者: 詠み人知らず
7/11

EDその2

【ED2】

402が最多得票。かつ404が二重人格ではないと知らない者がいる。

※「404は二重人格ではないのでは?」という話が、全体会議、402と403の密談で議論に上がっていない場合。


――――――――――――――――――――


「彼を殺したのは、私なのですね……。」

402号病床、会社員の男は、様々な感情を押し殺した声で呟いた。

固く目を閉じ、小刻みに手が震えている。


被害者『河童男』を殺した犯人は、彼である。

これこそ、その場所に居た全員が、議論の末に辿りついた答えであった。


逐次、電話越しに警察と連絡を取っていた主治医が、患者たちに告げる。

今夜は、今冬一番の降雪だった為に、警察の到着は、早くても明日の朝になるだろう、とのことであった。

警察の到着の前に、遺体や現場を動かす訳にも行かず、三人は急遽、別室に寝泊まりできる場所を設け、そこで夜を明かすことになった。


医師や看護師が、慌ただしく行き来する中、403号病床の無職の男は、落ち着かない様子で、辺りをキョロキョロと伺っていた。


対して、404号病床の元学生は、落ち着き払い、場の成り行きを、静かに見守る。


そして彼は、項垂れ、己の罪に苛まれている、『ジキルとハイド』の男に歩み寄り、自身が隠し持っていた包みを、こっそりと男に手渡した。

青年は、他の誰にも聞こえぬよう、小さな、小さな声で囁く。


「善意のジキル博士に告げよう。

 あなたの中にある、悪意のハイド氏を消せるのは、あなただけだ。」



翌朝。


夜が明けて、警官が数人、病院にやってきた。

医師は殺人を犯した男の寝ている病床に、警官たちを案内した。

だが、そこで待っているはずの者は、もういなかった。


ベッドの脇には、大量の睡眠薬と思しき包み紙が散乱し、彼が愛した妻子の写真を胸に抱いて、眠るように、『ジキルとハイド』の男は、死亡していた。

犯人正解だけど、もっとやべー奴が野放しED。

真EDだとタイトル回収できてない。

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