シナリオ導入部分
個人的に遊ぶために作ったマーダーミステリー用のシナリオです。
捨てるのももったいないから載せます。
昔使ってたPhotoshopやillustrator見つかったら、配布できる形にするかも。
【プロローグ】
僅か七日間の短い昭和元年が終わった、翌年、二月のことであった。
ここは関東郊外の、とある田舎町。
町の中でも特に人気の無い山間に、その病院はひっそりと佇んでいた。
この病院のある一帯は、麓の町より標高が高く、気温が低いため、雪が降り積もることも多い。
今冬、最も多い降雪を記録した日の出来事であった。
病棟の窓の外、静かに白雪が降り積もる夜。
静まり返った院内で起きた惨劇であった。
四階最奥部にある四人部屋の病室の中央で、一人の患者がうつ伏せに倒れているのを、夜勤の看護師が発見した。
看護師が駆け寄った時には、すでに被害者は息絶えており、
そして、その姿から、彼の命が他人の手により奪われたものであることは明白だった。
惨劇の場所は、精神科の入院患者を収容している病棟。
これは精神分裂病、いわゆる二重人格を患った、四人の物語である。
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※このシナリオにおける二重人格(精神分裂病)は、所謂、創作的な解釈です。
実際に存在する精神障害に対しての差別的・偏見的なものではないことをご了承ください。
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【登場人物一覧】
『401号病床・被害者』
本事件の被害者。
精神錯乱状態になると、幻視・幻覚の症状が現れる。
彼曰くそれらは「河童」で、しばしば彼は唐突に見えない河童たちと会話したり、他の患者に河童との話を聞かせていた。
『402号病床・会社員』
生真面目で神経質そうな三十代半ばの男。会社員。妻子有り。
『403号病床・無職』
暗く臆病そうな二十代の青年。無職。父と二人暮らし。
『404号病床・元学生』
礼儀正しく、爽やかな二十代の青年。入院前は学生だった。
【主治医】
若い新任の精神科医。事件当夜の当直医だった。
前任の主治医から、担当患者を引き継いで二ヵ月目。
古い価値観を持つ前主治医の治療方針を改め、療養方法や処方箋を変えた。
彼は、当時、人権と言う概念の希薄な時代に、彼は精神疾患の患者に対しても、人としての尊厳を保つ治療を施すべきと考えていた。
【看護師】
事件当夜の当直だった。
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【導入】
401号病床の患者の死亡の報せを受けて、深夜の病院がにわかに騒がしくなる。
看護師からの連絡で駆けつけた主治医は、すぐに警察に電話を入れるた。
警察曰く、今晩ほど雪の多い夜に山の病院に向かうのは難しい。
到着は早くても、翌朝であろう、とのことであった。
同じ病室の三人の患者は、それぞれに思いを巡らせる。
部屋割り
――窓――
402||401
―――――
404||403
――扉――